2020年08月01日

パブリック 図書館の奇跡/THE PUBLIC

 『グレース・オブ・ゴッド』と同日公開、これも同じくらい観たいなぁと思ってました。 意外にも観客が多い! 東京や北海道では連日満席が続いているという噂・・・メディアに取り上げられたから? いい話っぽい感じだから? あたしは予告編を観るタイミングがなく、映画館のポスターで知って、「おぉ、エミリオ・エステベス監督作品!」と盛り上がりました。 前作『星の旅人たち』がよかったので。

  パブリック図書館の奇跡P.jpg 忘れられない夜になる
  大寒波の夜、行き場を失くしたホームレスたちが立てこもり!?図書館員の勇気があなたに≪希望≫を届ける――

 アメリカ・オハイオ州、シンシナティのある冬。 ホームレスに凍死者が出るような記録的な大寒波が来ていた。 開館中に暖を求めるホームレスたちを利用者としてコミュニケーションをとっていた公共図書館職員のスチュアート・グッドソン(エミリオ・エステヴェス)は、「シェルターも満杯でもうどこにも行くところがない、ここで一晩過ごさせてくれ」と訴えてくるホームレスの一団を前に、断ることができない。 しかしデモやテロなどと勘違いしたメディアは、スチュアートを危険人物として報道、図書館は警官隊に取り囲まれることに・・・という話。

  パブリック図書館の奇跡4.jpg 豪華キャストにびっくり!
 スチュアートの上司がジェフリー・ライト、市長選に立候補しているデイヴィス検事がクリスチャン・スレイター、市警の交渉人がアレック・ボールドウィン。 若い頃アイドル的な人気だった(あたしはリアルタイムでわかってはいないが)方々がいま共演する意味というか味わいというか、しみじみします。 でもそういうことを引きずった役柄ではまったくないので、個人的な感慨ですが。 エミリオ・エステベス、童顔の人はヒゲを伸ばしがち?

  パブリック図書館の奇跡2.jpg 本棚でバリケードをつくるのはいいけど、本は傷めないで・・・(ちょっとドキドキした)。
 てっきり「実話の映画化」ってやつなのかと思っていたけど、図書館で働いていた人のエッセイにインスパイアされたけど、脚本はエミリオ・エステベスのオリジナルで・・・地に足の着いた規模で時流にも合っていて、多様性と多面性を描きつつ話としても盛り上がって。
 なんとウェルメイドなんだろう!
 いわゆるハリウッド映画的な方程式とはちょっとズレがあるんだけど、『星の旅人たち』もそうだったのでそれがエミリオ・エステベスの個性なんだろうなと思う。 監督としてもっと評価されてもいい気がするんだけど(アカデミー賞に絡むとか)、タイミングが悪いのかな。

  パブリック図書館の奇跡3.jpg アレック・ボールドウィンも一時期ヤバい印象だったけど、安定したなぁ。 すごく安心して見ていられる。
 大寒波が襲っている極寒の冬、という設定なんだけど、雪が少ないうえ息の白さもないので寒さは体感できなかった・・・湿度が低いのだろうか(雪のない寒さの経験があたしにはないので・・・)。
 はっきり何かを言葉で主張するわけではない。 結論も下さない。
 ただ「図書館は民主主義の最後の砦」に、胸が熱くなる。
 図書館の“奇跡”は邦題のミスリードで、人権を強く支えてきた信念の積み重ねがあるから、起こるべくして起こったことだともいえるんだけど。
 日本で同じようなことが起こりえるだろうか・・・ホームレスの人が図書館のお手洗いを使ってたら苦情が殺到しそう。 ホームレスは住民票がないから市民じゃないとか言われてしまいそうだ、新型コロナ陽性になったことで責められたり誹謗中傷が起こってしまうみたいに。 誰でもなってしまう可能性があるのに、何故自分は未来永劫安全圏にいられると思えるのか。 新型コロナだけじゃなく、別な病気になったり経済的に困窮したり、自分が弱者になる可能性は常にあると自覚していたら他人を責めたりできないのに。 日本にはPUBLIC精神は根付いていないのか・・・と考えてしまうよ。 いや、アメリカでも根付いてないからこういう映画ができるのだろうけど。

posted by かしこん at 17:33| 兵庫 ☀| Comment(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年07月31日

今日は5冊(7月最後の)。

 なんてこった、七月ももう終わってしまうではないか。 一切実感がないのに・・・一週間以上前からセミの鳴き声がすごくなったので梅雨は明けたのかなぁという気もするけど、気象庁の発表はまだ。

  エラリー・クイーンの新冒険【新訳版】.jpg エラリー・クイーンの新冒険【新訳版】/エラリー・クイーン
 エラリー・クイーンの短編集、新訳でも二冊目。

  死んだレモン.jpg 死んだレモン/フィン・ベル
 ナイオ・マーシュ新人賞受賞作品、とのことですがこの賞の価値をわかっていないあたし・・・ニュージーランドの文学賞のようです。
 帯に「1ページ目から主人公が絶体絶命!」とのこと。 怒涛の結末、意外性抜群のミステリ!、と更にハードルを上げてくれてますが、東京創元社だから、大丈夫かな。

  マカロンはマカロン 近藤史恵.jpg マカロンはマカロン/近藤史恵
 <ビストロ・パ・マル>シリーズ三作目。 8編収録。 目次にブータン・ノワールがある!
 おいしそうな料理と見事な謎解き。
 同作者の『ときどき旅に出るカフェ』もシリーズ化してほしい。

  ウィルス・ハンター CDCの挑戦と死闘.jpg ウイルス・ハンター アメリカCDCの挑戦と死闘/エド・レジス
 原著は1997年8月に出ていたものの改題文庫化。 確かにこの頃はアメリカCDCはすごかった。 しかし今回の新型コロナではまったく目立っていない気がする。 トランプ政権になって大幅に予算が削られたせいだとも聞くけど・・・理科学系の研究は「継続は力なり・継続していかないと研究はストップしてしまう」危険性を常に背負ってる。 かつてのように、CDCにはまたパワーを持ってもらいたい。
 でもこういうノンフィクションが、COVID-19の流行で復刊されるという皮肉・・・。

  どっちが殺す?.jpg どっちが殺す?/M・J・アーリッジ
 久し振りの竹書房文庫。 監禁された二人が、「相手を殺せば解放してあげる」というメッセージに苦悩する話、らしい。
 ちょっと『SAW』っぽくない? でも監禁された二人は知り合い同士らしい・・・。 事態を察知した警察が二人を探す展開にもなるみたい。 表紙は若者にアピールしたい感じだけど、若者は惹かれるんだろうか。

ラベル:新刊
posted by かしこん at 02:26| 兵庫 ☁| Comment(0) | ☆ 買っちゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年07月29日

<卵料理のカフェ>2・3・4/ローラ・チャイルズ

 なんだかんだ言いつつ、コージーミステリの雰囲気は好きです。
 北欧ミステリを中心に残虐な事件&ヘビーな背景を扱うものばかり読んでいると、ときどきほっと息がつける、のんきなものを読みたくなるのですよ。 と、先日<卵料理のカフェ>の4作目を読んだのですが、1作目しかブログ記事に載せていないことに気づく。 読んだ本を全部メモっているわけでもないんだけど(タイミングが合わなかったり、内容があれだったり・・・)、ここまで放置も申し訳なく、忘備録としてまとめておく次第。 一気に三冊を読んだわけではなく、一年半くらいの間に思い出したように読んでいた、というところでしょうか。 <お菓子探偵ハンナ>のシリーズは一年に一冊出るかどうかだし、ちまちまと思い立った時に読める“ある程度巻数のあるシリーズ”は貴重です。

  卵料理のカフェ2チェリーパイの困った届け先.jpg チェリーパイの困った届け先<卵料理のカフェ2>/ローラ・チャイルズ
 そもそも<卵料理のカフェ>とは、アメリカ中西部の田舎町にあるイギリス風アンティーク調のカフェ<カックルベリー・クラブ>のこと。 オーナーのスザンヌ、厨房を取り仕切るペトラ、接客担当のトニという昔からの幼馴染み(全員、現在40代後半)が人生いろいろあった先の再出発でオープンさせたお店。 朝食にはおいしい卵料理を、午後にはアフタヌーンティーを町のお客に振舞う。
 メインキャラ三人のお喋りと、カックルベリー・クラブで出される料理やお茶菓子、お茶の組み合わせなどを楽しむ話。 殺人事件は保安官とお喋りして事件に首を突っ込むための材料です。

  卵料理のカフェ3ほかほかパンプキンとあぶない読書会.jpg ほかほかパンプキンとあぶない読書会<卵料理のカフェ3>/ローラ・チャイルズ
 カックルベリー・クラブでお見合いパーティー兼読書会を開催し、大評判だったけど、参加者の一人がクロスボウの矢で撃たれ死亡!、と死に方が派手になってきました。 事件を探るスザンヌに犯人からの魔の手のようなものが忍び寄ってくるのですが、「怖いわ、気をつけなきゃいけないわよね」とか言いつつ全然警戒せずに普段の生活や自分の好奇心の赴くまま行動してしまうところがツッコミどころ(でもそれは野暮?)。 小さな町なのに三か月おきぐらいに大事件が起こってしまうところがコージーのお約束。

  卵料理のカフェ4あったかスープと雪の森の罠.jpg あったかスープと雪の森の罠<卵料理のカフェ4>/ローラ・チャイルズ
 なんとカックルベリー・クラブの裏庭でスノーボードで通りかかった人物が張られたピアノ線で首を切り落とされる・・・という更にショッキングな殺人事件が! 町で凶悪事件が?!、ともっとピリピリしてもいいところなのに、ミセス軽率のトニのおかげでスザンヌも危ない橋を渡りまくり。 ほんとにみなさん、アラフィフですか? 女ともだちと一緒にいるとティーンエージャーに戻ってしまうのでしょうか。
 コージーミステリの神髄は、おいしそうな料理とお茶の蘊蓄、レギュラーメンバーの動向を知ることであると実感。 このシリーズ、今のところ7作目まで邦訳されているそうなので・・・もうちょっと楽しめるかな、と思います。

posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年07月28日

いつの間にやら、着々と

 JR三ノ宮駅で途中下車。 いつもは中央改札口を使うことが多いですが、今日は都合で久し振りに西口改札を通った。
 ホーム上で「おおっ!」っとなった。
 JR三ノ宮駅すぐ北側にある阪急電車、神戸三宮駅を擁する駅ビル(?)がだいぶ前から改装中だったんだけれども・・・この前見たときは工事用のシートで全体を包まれていたんだけど・・・。

  20200727阪急神戸三宮駅工事がかなり進みました.JPG おお、なんかすごく出来上がっている!
 2022年完全リニューアルだったっけ? なんかホテルが入るという噂があったけど。

 調べてみたら2021年春竣工予定とのこと。 29階建て、17階〜28階がホテル、最上階29階はレストランと展望フロアだそうですよ。 あたし、使うかなぁ。 でも地下2階から3階には商業施設が入る予定のこと。 どんなお店が入るのかなぁ。 それ次第だな、と思います。 ひとりでも使える素敵な飲食店が入ってくれればうれしいんだけど。

posted by かしこん at 02:51| Comment(0) | 日記のようなもの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年07月27日

濃すぎる・・・日曜日21時

 録画セットしてるんだけど、「あ、そろそろ始まるわ」と気づくといそいそと観る準備。 地上波のドラマをリアルタイムで観ちゃうなんて、いつ以来かしら。 日曜劇場『半沢直樹』のことでございます。

  半沢直樹20200726.jpg この大階段、東京国立博物館だよね・・・。
 第二話は第一話と比べて、かなり露骨に距離を取っているのがわかってしまい、むしろ面白かった(そういう工夫をしたのね!、的な)。
 大和田(香川照之)のオーバーすぎるアクトに半沢(堺雅人)はよく笑い出さなかったものだ。 特に「おしまいです!」のところ。 オーバーアクトでは伊佐山(市川猿之助)も負けてないけど。 リピート「詫びろ」はほぼ歌舞伎だと思ってしまった。
 太陽証券の広重(山崎銀之丞)の「ちょ、ちょっと待って」の声の裏返り具合、最高!
 それにしても前シーズンに比べると、今回は初回からエンジン全開だわ。 半沢さん、こんなに声低くなかったよね? ドスきかせる喋りが多い! それなのにいざというときにびしっと鋭い一声がすごく効果的に響くのはさすが。 観てるだけでもびっくりするもの、言われたほうはそりゃビビるよね〜。 反省してなんとかしますと動いちゃう三木(東京03角田晃広)の気持ちもわかるけど、今回は彼にいちばんハラハラさせられました。
 「実際の仕事場でそんなこと言わないよね」と言ってしまうのは野暮である。 濃すぎるまでに濃い、舞台役者の全力を味わうのが『半沢直樹』。 来週も楽しみ〜。

posted by かしこん at 03:29| Comment(0) | テレビ・テレビドラマ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年07月26日

グレース・オブ・ゴッド 告発の時/GRACE A DIEU

 フランソワ・オゾンが実話を描く!、というのはすごく意外で、だからこそ余計に「作らなければならないもの」だったんだろうなぁ、と。 日本公開はまだ先だと思っていましたが、いつの間にかその日は来てしまうようです。

  グレースオブゴッドP.jpg 沈黙は、捨てた。
  フランスを震撼させた神父による児童への性的虐待事件。深いトラウマを抱えて生きてきた男たち。その告発のゆくえは――?鬼才フランソワ・オゾンが挑む、衝撃の実話。

 フランス、2014年。 40歳になったアレクサンドル(メルヴィル・プポー)には妻も子供もいてそれなりの仕事もあり生活は順調だったが、ある日、子供の頃ボーイスカウトの同期からプレナ神父(べルナール・ヴェルレー)に「きみも体を触られたことがある?」と尋ねられた。 それをきっかけにその当時プレナ神父から受けたことを思い出したアレクサンドルは、今も彼が神父として子供たちに接していることを知り、憤りと恐怖を覚える。 自分の被害(あれは性的虐待だった)を伝えるため教区のトップであるバルバラン枢機卿(フランソワ・マルトゥーレ)に面会を求め、プレナ神父を処分するように訴える。 だが何も起こらないため、アレクサンドルは裁判所に告訴状を提出し、警察が動き出すことに・・・という話。
 “プレナ神父事件”については何も知らなかったのだけれど、フランス版『スポットライト』という認識。 加害者である神父に何もしない、むしろ隠蔽する教会という図式がほとんど一緒なのは、国の違いではなく「カトリックだから」ということなんだろうか。

  グレースオブゴッド4.jpg 苦悩していても信仰は手放さないアレクサンドル。
 裁判が進行中で最近の出来事ということもあり、映画として堅実、むしろ地味なつくり。 かといってドキュメンタリー調というわけでもなく・・・ひたひたと静かな緊張感に満ちていて精巧。
 アレクサンドルが行き詰ってからは被害者の一人フランソワ(ドゥニ・メノーシェ)の視点に代わり、その後エマニュエル(スワン・アルロー)が登場するという主人公交代パターンが効果的。 完全に切り替わるわけではなく、三人がお互いに信頼し合うようになる過程が事件とその背景の重層的理解を助ける。

  グレースオブゴッド5.jpg 沈黙しない被害者の会
 『スポットライト 世紀のスクープ』と違うのは、マスコミ側の姿がほとんど出てこないこと、ほぼ被害者側の視点であること。 フランソワは信仰を捨て、教会に対する怒りを常に抱えている。 「あ、この人、『ジュリアン』のお父さんだよ」と気づいてからはフランソワがいつぶちぎれるかドキドキしまくりだったけど、エマニュエルも精神的に不安定な人なので気が抜けなかった。 被害者であることに苦しむ人の姿というか、被害を受けたこと自体(何故防げなかったのかとか別の道があったのではないかとか)が更に本人をさいなむのだという明らかな事実を目の当たりにする。 あぁ、これは違う立場の人にわかってもらうための映画だ。

  グレースオブゴッド2.jpg 「神の恩寵によりほぼ時効です」と口を滑らせたバルバラン枢機卿。
 あ、タイトルってここからきてるのかしら(GRACE A DIEU=GRACE OF GOD=神の恩寵)、なんて皮肉な。
 本国での公開は2019年だけど、2020年に入ってからの裁判のこともエンディングテロップでは触れられている。 別の国での公開に合わせて情報が常にアップデートされているのなら、それがフランソワ・オゾンの誠意であり覚悟だという気がする。 映画として自分の好みよりも被害者たちの気持ちを尊重した。 けれど映画としての満足度は高い。

posted by かしこん at 16:13| Comment(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年07月24日

AKIRA 【デジタルリマスター版】/AKIRA

 これまでを取り返すように映画を観に行っているが、それでも観たいもの全部を押さえられない。 ついに一日三本観ちゃったよ。 新作は押せ押せだし、映画館で観たことのない過去の名作も公開されている。 映画館で、大スクリーンで見る意味ってあるよねぇ。 というわけで昔レンタルビデオで観たっきりの『AKIRA』リマスター版も時間があったので観た。 意外にも観客は少なくなく、年齢幅もバラバラで、『AKIRA』って存在は伝説なのねと実感。
 109シネマズHAT神戸は一人ひとり体温を測られた。 込まないこと前提の仕組み、過渡期故のやり方。

  AKIRA P2.jpg もう始まっている、もう止まらない・・・
 新型爆弾が使用され、第三次世界大戦が勃発した1988年7月から31年がたった。 東京湾に作り上げられたメガロポリス=ネオ東京では翌年2020年にはオリンピック開催を控えている。 ある夜、ネオ東京郊外に不良少年金田(岩田光央)をリ一ダーとするバイクの一団が走り込む。 無人だと思っていた路上に奇妙な人物が現れ、鉄雄(佐々木望)が転倒し意識をなくす。 奇妙な人物は軍に追われていて、金田たちの目の前で鉄雄とともにヘリで運ばれて行ってしまう。 金田は鉄雄を探すが・・・という話。

  AKIRA3.png バイクのシーン、印象的。
 デジタルリマスターと聞いていたけど・・・絵がそこまでじゃなくない?、と最初は思った。 あの当時でも絵が精密という評判だった記憶があったので、「あれ、こんなもんだった?」みたいな。 でもわりとすぐに違和感はなくなった。 CG絵に見慣れていた目が、セル画の見方を思い出したかのように。
 あと映画館の設備のせいであろうか(109シネマズは他のシネコンよりちょっと音がいい気がする)、音楽・音響がすごく迫ってくる感じ。

  AKIRA2.png AKIRAといえばこの人たちです。
 もともとのマンガも読んでいないので、当時は全然意味が分からなかったんだけど・・・今もしっかりわかったわけではない。 でも「あ、これってなんか戦後〜東西冷戦時の価値観っぽい」と感じたところがあり・・・良くも悪くも時代は変わったというか、時間は経過しているのだとしみじみする。

  AKIRA1.png 終盤のこの感じはハラハラです。
 その後の様々な映像作品に影響を与えていることも実感。 これってあれだよな、といろいろなものが浮かんだ。
 声のみなさんも若くて、佐々木望どころか小山芙美ですらちょっと考えないとわからなかった。 石田太郎と玄田哲章も区別がつきにくいよ。 そんな中、ドクター役の鈴木瑞穂にニヤニヤが止まらない(この安定感が素晴らしいのです)。
 鉄雄の哀しみが痛く、金田への感情が薄いのは最初に観たときと同じかも。

posted by かしこん at 17:43| Comment(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年07月23日

パスタとバスクチーズケーキ@FROMA

 先日の休みの日、映画を観に行くついでに外食。
 平日ランチはなかなかできないので、こういうタイミングで。
 どこに行こうか迷うけど、映画チケットで割引がきくところに。 神戸国際会館SOL地下二階、チーズレストランFROMA。 以前のランチタイムは「フレッシュチーズ食べ放題」をやっていましたが、営業再開後は「チーズ盛り合わせ」を提供しているとのこと。 今回は一人だし、チーズなしのパスタランチに、デザートにバスクチーズケーキをチョイス(映画チケット特典が「バスクチーズケーキ半額」でした)。

  20200722フロマ1ラグーパスタ.JPG 豚挽肉とごぼうのラグーパスタ
 挽肉すごい多い! キャベツの芽もしゃきしゃき。
 そして人に作ってもらうパスタ、すごく久し振り。 自分で作るやつは茹ですぎ(もしくは火を通しすぎ)なのだなと気づかされる・・・。 写真に入っておりませんが、これに食パンのかどっこがついてきます(このお店は食パン専門店ヨーキーズブランチの系列)。 残った挽肉とソースをパンでぬぐい取る。 パンはちょっと甘めです。
 最初は「パスタの量、少なくない?」と思ったけど、結構おなかがいっぱいになってきたぞ。

  20200722フロマ2バスクチーズケーキ.JPG バスクチーズケーキとミルクティー
 実はバスクチーズケーキ、食べるの初めてで。 初めて食べるのがコンビニ商品ではあれなので、ちゃんとしたところで食べようと心に誓ってからタイミングをはずして今に至る。
 上の焦げ目はカラメルなのかと思っていたが、違った。 ベイクドチーズケーキとどこが違うのだろうと思っていたけど・・・使われているチーズ量は多めなのだが口当たりは軽い。 甘さも控えめだしチーズの種類が違うとか? わー、ぺろりと食べちゃうよ〜。
 このお店ではこうらしい。 ではほかのお店では? やばい、バスクチーズケーキ沼にはまりそう。

posted by かしこん at 14:42| Comment(0) | ごはん・お茶の時間 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年07月21日

今日は、8冊。

 前回から引き続き、大物が出てきています。 9月まで続きそう。 あぁ、買うペースより読むペースのほうが遅いから、未読本がどんどんたまるよ・・・でもそれはそれで実はうれしいのだが(次に何を読むかを選ぶのが楽しい。 油断すると本が行方不明になるけど・・・)。

  壊れた世界の者たちよ ドン・ウィンズロウ.jpg 壊れた世界の者たちよ/ドン・ウィンズロウ
 なんと順調にドン・ウィンズロウ新作。 長編ではなく中編集。 シリーズ作品のレギュラーのその後もあるらしい。 今回最厚、700ページ越え。

  スティーグ・ラーソン最後の事件.jpg スティーグ・ラーソン最後の事件/ヤン・ストックラーサ
 「これは小説なの? ルポルタージュなの? ノンフィクションノベルなの?」と聞きたい。 裏表紙のあらすじ読んでもいまいちよくわからない。 スウェーデンのパルマ首相暗殺事件(未解決)にスティーグ・ラーソンが興味を持っていたのは『ミレニアム』シリーズにも書いてあったけど・・・資料を集め、独自に調査していたんだけど、スティーグ・ラーソンの突然の死によってすべてが止まる。 筆者はその資料を手に入れて、完成させた・・・ということらしい。

  タイムラインの殺人者.jpg タイムラインの殺人者/アナリー・ニューイッツ
 タイトルにやられました。 SFミステリ?、と思ったら歴史改変問題で、人権問題やヘイトなどの歴史の修正をしようとしているらしい。 どうやらフェミニズムSFの系譜ですね!

  もう終わりにしよう。.jpg もう終わりにしよう。/イアン・リード
 これまたタイトルと、若干ミスマッチな表紙トーンにつられて。 内容はスリラーだそうですよ。

  チェス盤の少女 サム・ロイド.jpg チェス盤の少女/サム・ロイド
 もともとチェス絡みの話は好きなんだけど、なんとこれは「天才少女VS.誘拐犯」だそうですよ! しかも舞台はイギリス、作者もイギリス人。

  アデル 人喰い鬼の庭で.jpg アデル 人喰い鬼の庭で/レイラ・スリマニ
 ゴングール賞作家レイラ・スリマニ、衝撃のデビュー作が遅れて邦訳。

  写楽 皆川博子.jpg 写楽/皆川博子
 篠田正弘監督の映画『写楽』の存在は知っていたけど、脚本は皆川博子だったんですね、知らなかった! 映画ではいろんな人の希望をすり合わせて脚本にしたけど、自分の思った通りに書いたのがこの小説版『写楽』なのだそう。

  エピデミック 新版文庫化.jpg エピデミック/川端裕人
 紙の文庫にて復刊。 電子版にあった誤植などはこれにはなくて、よかった・・・。
 「まさに予言の書」と帯には書いてありますが・・・。
 緊急出版、というのならもっと早く出してもよかったのでは。 企画ゼロの状態から文庫で復刻するまでに半年かかるのが文芸界では通例なのかな(ビジネス本だと一か月かからないで出るときもあるよね)。
 しかも作者による新しいあとがきもないんだけど・・・作者的にはこの復刊は好ましいものではなかった?

ラベル:新刊
posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | ☆ 買っちゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年07月20日

チア・アップ/POMS

 あぁ、これはいかにも系かなぁと思ったけど、そういう明るくハッピーな気持ちになれるやつが今は必要かも・・・と。 そろそろ上映回数が朝一回になってしまいそうなので、仕事が暇だから休みを取って観に行く。 一足早い夏休みというわけでは実はない(ほんとに今はすごく暇なのである)。 こういう生活に慣れてしまいそうでコワいんだけどね。

  チア・アップP.jpg 今、わたし史上最高のとき
  平均年齢72歳のチアリーディング・チームが起こした最高のキセキとは――?

 天涯孤独のマーサ(ダイアン・キートン)はほとんどの荷物を売り払い、整理してジョージア州のシニアタウンに引っ越してきた。 シニアタウンとはまさに「老人の町」−仕事をリタイアした方々がアメリカ各地から集まって暮らす町だ。 日本の老人ホームの拡大版、<やすらぎの郷>みたいな感じ(アメリカ各地にこういう町があるようだ)。
 残りの人生を静かに本を読んで暮らしたいと考えていたマーサだが、初日からお節介でマイペースすぎる隣人シェリル(ジャッキー・ウィーヴァー)に生活をかき回される。 関係を断ちたいとマーサは考えるが、シェリルの気のよさを知り、根負け。 そんなシェリルは、マーサがかつてチアリーダーの夢をかなえかけたのに家庭の事情で断念したことを知って、「今からやれば?」という。 町の決まりで新たなクラブをつくるならメンバーは最低8人必要とのこと、二人はチラシをつくってオーディションを実施、集まった8人は平均年齢72歳。 周囲の冷たい視線を浴びながらも、チアリーディング大会出場を目標に練習をする・・・という話。
 話は王道です。 『フル・モンティ』、『カレンダー・ガール』、『シンク・オア・スイム』的な「みんなで力を合わせて頑張りましょう」的な。 あとはダイアン・キートンを楽しむ映画。

  チア・アップ2.jpg 先住者たちは押しが強い。
 年齢が上がっていくと人は(特に女性は)服の色がどんどん派手(明るい色や柄物)になる傾向にある。 でもマーサはブルージーンズに濃いめのダンガリーシャツとか、チョコレートブラウンのハイネックセーターやカーキ色・ベージュのシャツなど、完全にアースカラー。 原色は着ない!、というかのようなポリシーを感じてどよめく。 これがその年代のファッションリーダーならば、見習う人たちにスタイルのよさや髪の手入れなどを要求しているわけですよ。 でもジャッキー・ウィーヴァーはピンクとか柄物も着てやたらチャーミング。 目指すならどっちかですよ、ということか。 ジャッキー・ウィーヴァーはお年の割に声がいつまでもかわいいのよね・・・どうなってるの。

  チア・アップ1.jpg 原題“POMS”は両手に持つポンポンのこと。
 リタイアして、人生の締めくくりを考えざるを得ない場所で、「何故チアリーディングなのか?」は実はあまり重要ではない。 きっかけはマーサの後悔だけど、一緒にやれる仲間がいることが楽しいわけで。 夫や子供に反対されても、「自分がやりたいことをやりたい!」という気持ちでやりたいのだ。 そんな“女の友情”がいちばんのテーマでしたよ。
 反対するある息子がメンバーの一人に「この尻軽女」と口走ってしまい(そのような事実はない)、それを聞いたメンバー全員が「なんですって!」と意図せず声を揃えて同じテンションで怒った場面に、なんだかあたしはじわーっと泣きそうになってしまいました。 そこから、涙腺は緩みっぱなし。 女の友情に弱いぜ・・・。

  チア・アップ3.jpg おそろいのユニフォームなら、気持ちも上がるし統一感が出ます。 本物感も漂う便利モノ。
 平均年齢72歳の振り付けはある程度分かりやすく、見ている側も真似したくなる。 一緒に踊りたくなる。 『USA』や『恋』ダンスみたいなノリは世界共通らしい。
 エンディングで、世界各地の人々がマーサたちのチアリーディングの動きを踊って、その動画をネットに投稿しているのがどんどん出てくる。 それが、まるでリモート出演のようで・・・意図しないところで時代に追いついてしまっていました。

posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年07月19日

medium【メディウム】 霊媒探偵 城塚翡翠/相沢沙呼

 予約していたやつが図書館からやっときました。 去年のこのミス発表後に予約を入れたので、7か月待ち。 まぁ、臨時休館期間があったので、実質は5ヶ月ぐらいだったんだろうけど。 でもそれがブームとかヒットと呼ぶものなのだろう。

  メディウム霊媒探偵 2020このミス国内一位.jpg 最初の頃は帯に「すべては、伏線」とありました。
 推理作家の香月史郎は、ときに警察に協力して難事件を解決していた。 ある日、霊媒である城塚翡翠と出会う。 彼女は死者の念を感じ取ることができるが、たとえ犯人がわかっても証拠にはならない。 香月史郎は彼女の霊視に論理を補足することで事件へと向かう・・・という話。
 それ以上は言えない。 ネタバレになるから。

 冒頭からいろいろ、読者の毛を逆撫でする描写続出。 「これが結末に関係なかったら、本をぶん投げるぞ!」なレベル。
 でもそれがずっと続く・・・それが仕掛けですよね、わかりますよ、だけど、「仕掛けがある」とわかっていなければ読み通すのが苦痛なほどキモい。 結末に辿り着いて、やっとこのキモさから解放された・・・えっと、この爽快感はどんでん返しを知ることとは別物だった(途中で予測がついてしまったので)。
 固定概念を払う、このアイディアはすごくいい、でももっと、洗練された形で読みたかったと思うのは贅沢なのだろうか。
 もうあたしは日本のミステリ界のリアルタイムについていけてない、ということを実感。
 『午前零時のサンドリヨン』の表紙のイメージから(本文は読んでいない)、作者はずっと女性だと思い込んでいましたが、このミス関連のインタビューで男性だと知った・・・知りたくなかったかも、だから余計にキモかったのかなぁ。

ラベル:国内ミステリ
posted by かしこん at 02:45| Comment(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年07月18日

透明人間/THE INVISIBLE MAN

 リー・ワネルが『透明人間』を撮る!
 『SAW』、『インシディアス』とソリッドシチュエーションの中、ミステリ的に正しい脚本を書いてきた人物が『透明人間』を。 ニヤニヤしちゃうわ〜。 すごい楽しみ! ワクワクして映画館に出かける。

  透明人間P.jpg 見えるのは、殺意だけ。

 セシリア(エリザベス・モス)は天才的な科学者で大富豪のエイドリアン(オリヴァー・ジャクソン=コーエン)の豪邸で同居しているが、彼のDVや支配に苦しんでいて、ある日、ついに家を出る計画を実行する。 妹のエミリー(ハリエット・ダイアー)の手を借り、幼なじみのジェームズ(オルディス・ホッジ)の家に身を隠すが、エイドリアンの気配を感じるなどのトラウマに苦しめられる。 
 その後、エイドリアンの兄で弁護士で財産管理人のトム(マイケル・ドーマン)からセシリアに手紙が届く エイドリアンはセシリアに拒絶されたことで自殺し、彼女に莫大な遺産が残されたというが・・・という話。

  透明人間2.jpg 冒頭から、セシリアの圧迫・恐怖感がただ事ではない。
 断崖絶壁に建つ大豪邸から逃げることがどれだけ大変なのかを説明ではなく映像で見せる感じがよい。 ちょっとずつ豪邸具合や警備の仕組み(それはそのままセシリアの逃亡の邪魔になる)、エイドリアンの偏執度合いもわかってきて、逃げようとする彼女を全力で応援したくなる。 エリザベス・モスというキャスティングが絶妙! 彼女の身体の厚みって存在としてすごくリアルを感じさせる上、とにかく魅力的。

  透明人間1.jpg こういうシーンはお約束なのか。
 エイドリアンの専門が光学だとわかるところで「透明人間ってそういう仕組みか」ともわかってニヤリとするわけですが・・・具体的な説明はないんだけど(ま、できないけど)、最小限の描写で最後まで突っ走っちゃうところが好き。 勿論、伏線はきっちり引いてあるのでネタ割れはしてしまうんですが、それはあたしがリー・ワネル的なやり方に慣れてしまっているせいかもしれない(好みが似ているからですかね)。

  透明人間3.jpg それでもハラハラします。
 音楽で驚かす系のところもあるんだけど・・・例えばドアが開いて、誰かが触ったかのようにチェーンがぶらぶらと揺れるシーン、勝手に開くドアは『インシディアス』では幽霊か悪霊によって引き起こされたとして描かれたけど、それがここでは「人間のせい」なんだよなぁ! 「なによりも、恐ろしいのは人間」っていうのを実感するわ。

  透明人間4.jpg そしてサヴァイヴァーの物語でもある。
 勿論、荒唐無稽ともいえる場面はありますが、それも含めての『透明人間』。 本質的なところではH・G・ウェルズの原作をきっちり踏襲している気がする! 子供の頃、福島正実訳の『透明人間』を何十回と読んだあたしはそう思いました!
 とはいえ、快哉を叫ぶためには「目には目を」的な概念から抜け出せないのか・・・という気持ちもあり。 ポリコレ的目くばせがしてあるからこそ、憎しみの連鎖から抜け出せない根深さに戦慄する。

posted by かしこん at 17:27| Comment(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする