2021年02月22日

スコッチに涙を託して/デニス・レヘイン

 読んでない本も読みかけの本もいっぱいあるのに、なんでこういうやつを先に読み終わっちゃうかなぁ。
 図書館から借りてきた、<私立探偵パトリック&アンジー>シリーズ第一弾にして作家デニス・レヘイン(ルヘイン)のデビュー作。

  パトリックアンジー1スコッチに涙を託して.jpg “A Drink Before The War”
 ボストン市内に探偵事務所を構えるパトリック・ケンジーとアンジェラ(アンジー)・ジェナーロは子供の頃からの付き合いで、腐れ縁。 アンジーの夫もまた幼馴染仲間だが、嫉妬深くてパトリックを敵視している。 アンジーとパトリックは清く正しい友人同士だが、パトリックは彼女に複雑な感情を抱いている。 物語はパトリックの一人称(わたし)で進み、彼のユーモアあふれる減らず口で彩る。 でも、必死で真剣な時ほど、彼のユーモアは上滑りし、周囲を苛立たせるが、本人はそれもわかった上だからちょっと困ったもん。
 パトリックが有能であることはボストンエリアに知れ渡っているので、上院議員からも依頼が来る。 掃除婦のジェンナが重要書類を持ち出して姿を消したから探してほしい、書類を取り戻してほしいという内容。 簡単そうな依頼だったが、ジェンナはこれで正義を行いたいという。 “書類”の一部をパトリックに渡したところで、マシンガンに撃たれ、ジェンナは死んだ。 パトリックはからくも生き残る。
 ジェンナと会う場所を知っているのは誰だ? ボストンの町に巣食うギャング団と血で血を洗う抗争が始まるのか。
 この街に、アメリカのあらゆる病巣が存在する。 パトリックとアンジーの選択は・・・という話。

 正統派の一人称私立探偵小説なれど、ミステリ的トリックなどはない。 文字通り探偵たちが満身創痍になりながら血なまぐさい洗礼を浴びる、まさにハードボイルド。 こういうのの面白さ、昔のあたしはわからなかったな・・・今はわかるようになってます。
 葛藤を抱えつつも、法よりも良心に従ってしまうパトリックとアンジー。 特にパトリックは今作でいろいろな決断をしているのに、四作目『愛しき者はすべて去りゆく』ではあんな判断をしたんだ! なんか信じられない!
 二作目・三作目の事件が彼の気持ちを変えていくのか・・・なるほど、シリーズは順番通りに読まねば、という基本に立ち返らせてくれますなぁ。 アンジーという同じ名前を持つキャラの存在のせいか、このシリーズは<ウィル・トレント>シリーズとも通じるものがあるのかもしれない・・・ウィル・トレントのほうがあとに書かれているから、女性の登場人物が多い(そして強い)とか時代の空気も変わってる感。 でもどちらもアメリカの病理にざくざくとメスを入れているよう。
 よし、続きを読むぞ!
 いや、その前に『赤と白とロイヤルブルー』かな?

ラベル:海外ミステリ
posted by かしこん at 06:38| 兵庫 | Comment(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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