2021年01月21日

砂男/ラーシュ・ケプレル

 続編が出たので、読んでみた。 このラストが「衝撃的!」だそうなので・・・「この続きはーっ!」ってところで次のあてがないと寂しいもんね。
 これまたスウェーデンミステリですが、読むのは初めて。 警部ヨーナ・リンナシリーズの4作目だけど(3作目まではハヤカワで出ているが、現在は絶賛絶版中)、ここから読み始めても大丈夫ということなので。

  砂男1 扶桑社ミステリー.jpg砂男2 扶桑社ミステリー.jpg とりあえず、表紙からただごとではなさそうなイメージ。
 ストックホルム郊外、線路沿いで保護された男性は13年前に行方不明となっていた人物だった。 同時に行方不明になっている妹はまだ“砂男”に軟禁されているという。 当時、捜査にあたった国家警察のヨーナ・リンナ警部は、その後逮捕されたシリアルキラー・ユレックの犯行ではないかと感じていたが、証拠がなかったため行方不明として処理されたのだ。 兄が帰ってきたことで捜査は再開、妹を探し出すため、公安警察のサーガ・バウエルが閉鎖病棟に収容されているユレックから話を聞き出そうと潜入捜査を開始する・・・。

 細かめの章立てでなかなかキャラの背景が見えず、序盤は話を把握するのにちょっと骨を折る。 でも把握できてからは加速、下巻は早かった。
 ユレックの存在はハンニバル・レクターっぽいよなぁ、というのは裏表紙あらすじを見たときから思っていたが・・・悪魔のように何でもお見通しな感じが「北欧ミステリはヘニング・マンケルから」なあたしにはちょっとしっくりこない。 このデモーニッシュ感、<刑事ファビアン・リスク>やフランスのスリラー作家フランク・ティリエなんかを思い出させる。
 ミステリというよりはスリラーなのか? 人が死に過ぎる!
 そう考えると『ミレニアム』三部作やピエール・ルメートルはミステリとスリラーをうまいこといいバランスで融合させているから全世界ベストセラーになったんだなぁ、と。
 ヨーナ・リンナも主役としてはキャラが薄いが、ユレックの事件はヨーナにとっても重要だったという部分で厚みが出ていた。 そのおかげで「衝撃のラスト!」はすごく納得のいくものだった・・・1作目から読んでこその衝撃なんだろうなぁ、きっと。
 移民に寛容と言われるスウェーデンだけど、問題はないわけじゃないという悲しさはあるけど、「意識していない自分が犯した罪」を突然突きつけられるのと、「自分の罪を常に意識して生き続ける」のとどちらがつらいのか、みたいな感覚は世界共通なのか。
 これで安心して次の『つけ狙う者』に入れるけど・・・一作目から読んだほうがいいかしら。

posted by かしこん at 15:45| 兵庫 ☁| Comment(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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