2021年01月12日

もう年はとれない/ダニエル・フリードマン

 <バック・シャッツ>シリーズ、第三弾が来月発売とのこと・・・じゃあ、そろそろ一作目から読みますかねってことで(本の置き場所がすんなり見つかったことにびっくりした)。

  もう年はとれない.jpg “DON'T EVER GET OLD”
 帯のコピーには、「最高に格好いい87歳、伝説の元刑事。人生最後になるかもしれない捜査に臨む!」。
 87歳で元殺人課の(伝説的な)刑事、捕虜収容所からからくも生き残った過去があり、ユダヤ人である“わたし”(バック・シャッツ)はある日、戦友の臨終の場に呼ばれ、彼がずっと胸に秘めていた秘密を告げられる。 “わたし”にはどうでもいいことだが、周囲は“わたし”に関係ないとは思ってくれないらしく、ごたごたに巻き込まれる。 殺人事件が起こり、孫のテキーラの手を借りて、“わたし”は事態の解明に乗り出す・・・。 ちゃんとフーダニット(誰がやったのか?)を追求してる。

 バック・シャッツ、87歳は減らず口と皮肉でほぼ出来上がっていて、自らをアウトローと認めるハードボイルド気質。 所かまわずタバコは吸うし、必要とあればどんな失礼な態度も取れる。 でも一人称なので内心のボヤキや葛藤、素直じゃなさなどがほぼ読み手にわかるので、「しょーがないじいさんだな」とあきらめがつくというか、近くにいたらすごく扱いにくいタイプだろうけど仲良くなれたらすごく仲良くなれそうな気配を感じるというか、無茶苦茶だがキライになれないタイプと見た。
 むしろ孫のテキーラ(勿論あだ名である、本名はビリー)のほうが、あやうくて得体が知れない。 彼は彼で父親の突然の死というトラウマを抱えているのはわかるのだが・・・テキーラの父はバック・シャッツの一人息子。 お互い深い傷を抱えながら素直に慰め合えない世代間ギャップは、シリーズを重ねるごとに歩み寄れるのでしょうか(突然の死の詳細は明かされていないので、これもまたシリーズで徐々にわかっていくことなのかも)。 
 ユーモアミステリやコージー的展開にもできそうなのに、あえてハードボイルドを貫き、さらに事件は猟奇的な手口と微妙なアンバランス感があるけれど、映像化しやすそうでもある。
 しかし本質は、「自分がユダヤ人であること」をアイデンティティとして生きている人のことだなぁ、と感じ、宗教意識の薄いあたしはいろいろ感銘を受けました。

ラベル:海外ミステリ
posted by かしこん at 23:59| 兵庫 ☀| Comment(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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