2020年12月30日

私をくいとめて

 今年最後に行った映画は『私をくいとめて』になりました。 しかもよりによってクリスマスイヴに観ちゃったという・・・他意はなかった、行けるのがその日しかなかった。 「木曜サービスデイなのに今日はやけにすいてるな〜」と思ってから気づいた(汗)。
 『勝手にふるえてろ』の原作×監督コンビの二作目、題材はまたしてもこじらせ女子。

  私をくいとめてP.jpg わかりみ深すぎ崖っぷちロマンス!

 会社員として働くみつ子(のん)は31歳、おひとり様ライフを満喫中。 今の状況にも焦らず楽しく生きていられるのは、彼女の脳内に相談役のA(声:中村倫也)がいて、会話や悩み相談をしているから。 しかし取引先の営業担当・多田くん(林遣都)に恋していることに気づいてしまい(Aに気づかされてしまい)、みつ子の平穏な日々は崩れ去る・・・。

  私をくいとめて5.jpg ちょっといい焼肉店にも一人で入るよ♪
 冒頭からみつ子とAの会話、特にみつ子の意外にもぞんざいな喋り方にひるむ。 みつ子、ちょっとヤバいやつだな!、と一人の世界に浸るアラサー女子のあやうい狂気を感じるから(それはまた、かつて自分も持っていたものだと思うから)。 でもヤバさを最初から出すことで、だんだん「いや、みつ子、結構普通では?」と思わされてしまうというか。
 だってみつ子はちゃんと働いているし、自分で料理もするし部屋も片付けるし、休日は外に出る。 黙ってたらかわいいし、A以外と喋るときもかわいい。 こじらせているとしても復帰しようと思えばすぐにできそうな立場なのである。

  私をくいとめて3.jpg 先輩お局ノゾミさん(臼田あさ美)、最強すぎる。
 ヤバさで言えばノゾミさんのほうがヤバいが、彼女はもう突き抜けているというか、自分はこれでいいという強さがあるのでこれはこれでいいと思う。 みつ子はそんな先輩とすごく仲がよく、そういう相手が一人でも会社にいるんだからみつ子はそんなにひどくないよ、とか思っちゃう。 勿論、みつ子もノゾミさんがいるありがたさを実感しているわけだが。 二人の会話シーンはなんだか楽しかった。

  私をくいとめて1.jpg で、多田くんがかわいすぎる!
 一部女性たちから「あの中ではいちばん出世しなさそう」と評価を下される多田くんなのだが、いろいろ不慣れ感全開! それでも誠実感ダダもれ! なんてキュートなんだ! それぞれ違う役の林遣都を知っていなかったら、この多田くんのイメージで林遣都に惚れてしまいそうなほどである。 そりゃ、みつ子も好きになっちゃうよね、という説得力抜群。 でもラブストーリーは主軸ではないのだ、他者を好きになることをみつ子が受け入れ、一歩踏み出すまでのぐるぐるがメイン。 多田くんよりAのほうが台詞絶対多いよね!

  私をくいとめて4.jpg 唯一の親友・皐月(橋本愛)に会いにイタリアまで行く。
 みつ子にも皐月にもトラウマとなっている深い事情があり・・・でもそれは特別な事情ではなく、誰しもに心当たりがあるようなこと。 些細なことだろ、と言われてしまうかもしれないけど、してる側には深い意味などないのかもしれないけど、された側は深く傷つくし、それが社会における“生きづらさ”をつくっているのだと、ほんとにわかってもらいたい。 フェミニズムは女性の権利だけを声高に叫んでるんじゃない、立場の弱さや強さを理解し合うことでみんなが自由になりましょうという考え方なので。

  私をくいとめて2.jpg 築地本願寺に向かって拝んでいます。 東京でも築地エリア周辺なのがよい。 みつ子の会社の社員食堂はオシャレだけど!
 できる女澤田さん(片桐はいり)もかっこいい。 でも「できる女」という部分だけで判断し、澤田さんの背景に気づくのが遅れちゃうのも、みつ子もまた視野が狭かったということなのだが。
 大瀧詠一の“君は天然色”のリピート具合、何故か新しい生活様式を取り入れているかのようないくつかのショットなど、いつつくられた映画なのか不思議に思えたけど、たまたまそういうこともあるのでしょう。 133分という長尺で、もうちょっとうまく編集すれば長さを感じさせなかったとも思うのだけれど、のんの感情豊かな表情をカットしたくなかったのかな。 作家性が強い作品でもありながら、主演女優の魅力が詰まった種類の映画だった。

posted by かしこん at 23:59| 兵庫 ☁| Comment(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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