2020年10月30日

ストレイ・ドッグ/DESTROYER

 ニコール・キッドマンが特殊メイクですさんだ女刑事を熱演、ということだけ聞き、「あ、なんかそういう原作小説があるのかな」と思っていたら・・・なんと映画オリジナルストーリーだという! 俄然興味がわいてきました!

  ストレイ・ドッグP.jpg あとひとつ、やり残したことがある・・・

 ロサンゼルス市警の刑事として働くエリン・ベル(ニコール・キッドマン)。 17年前にFBI捜査官のクリス(セバスチャン・スタン)と一緒にある犯罪組織への潜入捜査に選ばれたが、その捜査に失敗して無関係の死人を出してしまったことを今も悔い、罪悪感にさいなまれる毎日を送っていた。 が、彼女のもとに何者かから紫色の染料にまみれた1ドル札が送りつけられ、目を背けていた過去と対峙することを決意する・・・という話。
 <ネオ・ノワール>というまったく新しいジャンルを作り出したそう、である。 冒頭のいかにも乾燥した空気と太陽の光に、全く説明はなかったがロサンゼルスを感じた。 ハリー・ボッシュの世界のようだ。

  ストレイ・ドッグ3.jpg エリンの顔にずっと慣れない。
 特殊メイクで顔や手にものすごく老け込んだ、「人生に疲れ、すべてを放棄した」ような皮膚・・・でも目はそのままなので、やたら目が落ちくぼんで見える。 どこからがメイクの境目なのかわからないし、すごい技術だと思うんだけど(そして目が落ちくぼんでいる人もいるんだろうけど)、目の落ちくぼみ具合が気になって気になって・・・特に正面顔のとき違和感マックス。 エリンの目が何を見ているのかというテーマにかかわる重要な描写なんだけど。

  ストレイ・ドッグ2.jpg 正面からじゃなければ気にならないんだけど。
 「ニコール・キッドマンだ」と思ってしまっているのだろうか。 スター俳優さんたちが役選びに苦労するのはこういう観客のせいなんだろうな、と思うと申し訳ない。 この映画も企画段階からニコール・キッドマンが「やりたい」と言ってきたそうで、チャレンジしたい人には是非やりたい役柄だろう。

  ストレイ・ドッグ4.jpg 街中ではなく郊外の風景が多い。
 ニューヨークなら徒歩で古いのと新しい建物が混ざった街並のイメージだけれど、ロサンゼルスなら車移動が基本。 行ったことないのに、なんだか知っている町のような気さえした。 そんな街を舞台に(具体的にロスの地名が出るのは中盤以降)、エリンの放浪が始まるのだが・・・これが行き当たりばったりに見えるので結構つらい。 潜入していた組織のボス・サイラス(トビー・ケベル)を探すわけだけど、せめて何か作戦を考えて!、と思っていた。 邦題『ストレイ・ドッグ』(『野良犬』)はそこからきているのか、原題“DESTROYER”はセンスなさすぎではないだろうか。

  ストレイ・ドッグ1.jpg その合間に回想シーンが入ります。
 そばかす多めの17年前のエリンはニコール・キッドマンと違和感がなく(当たり前だ)、だから現在のエリンを見ると落ち着かなくなる。 過去がここまで人を変えるのか、ということが恐ろしかったのだろうか。 エリンがどんな人なのかなかなかわからないのも共感ポイントとして難しい。
 それにしてもボスのサイラスはヒッピー崩れだし、2000年ぐらいとおぼしき時期にもこういう反社会的なグループがいっぱいいるアメリカのヤバさにぞっとしますね。

  ストレイ・ドッグ5.jpg 二人の女のまったく違う人生。
 ラストにわかる大仕掛けに驚く。 なんかおかしいぞと思っていたのに、ニコール・キッドマンのメイクの違和感のほうに引っ張られてしまって普通にびっくりした。 ちゃんとミステリじゃないか!、と盛り上がる(反則だという意見もあるだろうが、あたしは反則ではないと思う)。
 監督のカリン・クサマをはじめ女性が中心になってつくったノワールということで<ネオ・ノワール>らしい。 逆に言えば女性が主役のノワール映画はないということなのか(小説にはありますが)。 女性ならではって子供を産むことを必ず描くのか。 これを「新しい」と言わねばならないことが哀しい。

posted by かしこん at 23:59| 兵庫 ☁| Comment(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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