2020年10月23日

猿の罰/J・D・バーカー

 <四猿殺人鬼(4MK)>三部作、完結編!
 とはいえ一作目『悪の猿』のときにこの三部作構想はあったのか? 二作目『嗤う猿』と『猿の罰』が前後編のようなつくりなので、正確には二部作なのかも? 確かに『悪の猿』には解明されていない謎が残っていたはいたけど・・・次作でごろっと形を変えてしまった。

  猿の罰 4MK3.jpg “THE SIXTH WICKED CHILD”
 シカゴの街を震撼させ続けた連続殺人鬼“四猿(4MK)”と、彼を追う刑事サム・ポーター。 が、4MKとポーターは昔から知り合いだったとされる写真や記録が見つかり、市警・FBIは大混乱。 さらに各地で4MKらしき手口の死体が続出。 サム・ポーターは事件の主犯なのか否か?!

 もう、序盤からばんばん死体が現れる。 『嗤う猿』からの登場人物はそのまま引き継がれているので、前半、数日おいて別の本を読んでからこっちに戻ってくると、「はっ、この死んだ人、誰?」となってしまい<登場人物一覧>を何度か見直した。 これはめんどくさい、とその後は一気に読むことにした。
 登場人物が多いため、臨場感を出すために章立てが細かく、「そこで次の人に切り替わるか!」とイライラしかねないところだが・・・ポーターの相棒ナッシュのイカした面が見れたり、実直すぎなFBI捜査官のポールの更なる実直さが見られたりと読者としてキャラへの愛着を感じてしまいました。
 でも刑事さんたち、SARSウイルスに接触したかもしれないというのに、隔離を受け入れるどころか捜査に歩き回る。 具合が悪くなっているのに「風邪をこじらせただけだ(ウイルスには感染していない)」とマスクもつけない・・・睡眠不足で過重労働、抵抗力が下がっているのに。 まぁ日本も人のことを言えませんが、こういうメンタリティならCOVID-19も広がりますよね・・・と納得してしまう(Beforeコロナの世界を、ついWithコロナ時代の価値観で見てしまう)。
 しかし・・・意外性を重視するあまり、先に描かれていた部分もひっくり返されそうな気配に、ちょっと訳がわからなくなる。 結局、4MKの両親はなんなんだ? あなたたちが息子を助けていればこんなことにはなってないよね? でも助けるって意識はなかったよね、あなたたちはサイコパスで、シリアルキラーだから。
 ラストのサムの選択は・・・気持ちはわかるけど、それはやっちゃいけなかったよ。 いや、やるなら全部やらなきゃダメだよ。
 『悪の猿』は残酷でひどい話だが、奇妙な爽快感があった。 でも、続きの話にそれはない。 意外な結末もあるけれど、それ以上にやりきれないんですけど・・・。

ラベル:海外ミステリ
posted by かしこん at 23:59| 兵庫 ☔| Comment(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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