あれ、こんな映画、あったんだ?! 潜水艦モノ、しかもフランス製!
公開第一週なのに一日2回・・・もしかするとこれはすぐ終わるタイプ! 早く観に行かないとダメだ!
フランス海軍所属の潜水艦は、シリア沖で任務のため潜航中。 誰よりも優れた聴覚の持ち主で音声分析官として乗船しているシャンテレッド(フランソワ・シヴィル)は謎のソナー音を聞く。 まるで“狼の歌”のような音の正体は何なのか、艦長(レダ・カテブ)と副艦長(オマール・シー)の意見は相容れぬまま海上からの攻撃が。 その後、シャンテレッドは音の正体を探り続けるが・・・という話。
冒頭、真上から海面を見下ろすショットで、透明度の高い海の中に潜水艦がいる。 でも一瞬、「あれ、クジラ? イルカ?」と思ってしまった。 そうか、あたしが潜水艦映画を好きなのは、潜水艦を巨大な海の生物だと感じているからか!
じわっと海上に上がってくるのもいいが、急浮上して大量の海水が吹き上がる感じもいいよね!
この人、どこかで見たことがあるんだけど・・・と最初から考えていたのだけれど思い出せなかった。 とはいえ他にも見覚えある人多数、フランスのオールスターキャスト映画だったか。
しかし潜水艦映画としては・・・陸に上がってる部分が多いな! 一回航海に出たらずっと海の中というのが潜水艦というものではないのか。 シャンテレッドくんの成長物語なのか?、と中盤はもうちょっとなんとかならなかったのか感。 いや、結果的に必要なシーンなんだけど・・・なんでだろ、『テネット』と比較しちゃってるのかな。 編集をちょっと工夫してほしかったかも。
しかしその中盤を乗り越えれば、怒涛の展開! 手に汗握る!
説明が少なめなので序盤の作戦とかちょっとよくわからないのですが(それはあたしが国際情勢をよく知らないせい)、よくわからないからこそ「潜水艦の中では外が何も見えない」感覚がよりリアルに味わえるというか、やはりそこが潜水艦モノの神髄ではないかと。 さらに“民主主義国家の軍隊として、核を持つ抑止力”として行動する意味と覚悟を知り、ガツンと殴られたよう。
これ、潜水艦映画の歴史を塗り替えたのでは!
監督のアントナン・ボードリーは映画初監督、これまで外交官やグラフィックノベルの作者などをしていたらしい。 なるほど、軍事オタクに受けそうな詳細さ、マンガ的なほどよい大風呂敷具合、納得! フランス映画の新たなステージが来た!