日曜劇場『半沢直樹』、最終回。
なにこれ、一日二日の話? 詰め込みすぎなほど詰め込み、余韻とかなかったけど(今シーズンは毎回)、芸達者の方々を観る楽しみに満ちていた。 ところどころ<コロナ禍>をイメージでストーリーに組み込んで成功したのは『MIU404』とこれでしょうか。
堺雅人が「学生演劇の(早稲田の)プリンス」と呼ばれていたことは知っていましたが、地方在住のあたしが顔と名前が一致したのは朝ドラ『オードリー』で。 「好きなタイプの役者だ!」とそれ以来追いかけてきました。 なので彼が日々役者バカとして生きてきた時期を見てきているので、「まーくん、こんなにできる人になって」と感無量です。
『オードリー』には段田安則さんも出てました(というか英語を喋る段田さん目当てで観てた)。 見るからに悪役、悪役っぽいがいい人、いい人に見えるが実は悪役、明らかにいい人など段田さんはそれぞれを演じ分けられますが、紀本常務は「いい人なのか悪い人なのかわからない」で登場し、しばらくそれを続けてた。 裏切り者とわかった途端に卑怯さや悪辣さなどを出すようになって・・・わかってたけどどんだけうまいんだよ!、です。
最近はいいじいさん役が続いてる感のある柄本明、久し振りに「すごみ」のあるゲスっぷりでした。
多くは語らないけれど表情で語る中野渡頭取は、やはり東京中央銀行の良心だった。 北大路欣也っていつからこんな大御所感を出してきたのだろうか、知ってるときはもうこんな感じだったのかなぁ(『八甲田山』を見たときは「北大路欣也、若い!」と思ったよ)。
江口のり子、白井大臣の前半と後半の違い、よかった。
花ちゃんの「生きていればどうにかなる」が沁みました・・・(涙)。
渡真利くんや、黒崎さんなど半沢LOVEの人たちも含め、出てきた人たち全員について言いたくなるよね! 会見をリモートで見ながら泣いている渡真利くん、愛おしい。 半沢くんが頭取になったとき、きっと渡真利くんは副頭取かもしくは頭取秘書で、ずっと彼のサポートをしていくんだろうね、って夢を見ちゃう。
その中でも別格なのはやはり大和田暁。 「はい、1000倍」すごくよかった。 あまりにかわいくなりすぎちゃったけど、前シーズンからの確執をちゃんと引きずっていることを再確認。 いろいろ感情が爆発しすぎですが(「頭取に1000倍返しとか言うなんて」と過ぎたことにはせず半沢の言ったことをしっかり受け止めている)、すっかり“少年マンガの好敵手”みたいになってる・・・。 かわいいと言われないようにか顔が崩しまくりだった。
でもどれほどに憎まれ口を叩こうとも、大嫌いだと言っても、人として信頼している部分は揺るがない。
大和田さんが道を踏み外したのは奥さんのせいだとか言われてたけど・・・それはそれで複雑。 半沢ねじ社長の自殺は、大和田にとって不本意なものであっただろうな・・・。
前シーズンラストの半沢くんのにらみ顔に対して、今シーズンのラストは笑顔。 前シーズンの回想シーンも多かったし、続編としての使命を全うした編集だった。 この先にもつながるけど、ここで終わっていいエンディング。
みなさま、おつかれさまでした。 仕事を締め切りまでに間に合わせるってすごく大変だけど、それゆえに出るアドレナリンもある(勿論、無理しすぎないことが大前提だけど)。 どうかゆっくり休んでください。
あぁ、来週からこの濃い芝居は見られないんだな・・・さびしいよぉ。
ラベル:勧善懲悪的時代劇