2020年09月15日

その裁きは死/アンソニー・ホロヴィッツ

 ヤバい、読んじゃった。
 もうちょっと味わって読むつもりだったのに・・・ヘニング・マンケル『苦悩する男』を読み終わりたくなくて間に挟んでしまったのだけれど、こっちはこっちで盛り上がってしまったのよ。 ブレーキをかけていたけど、450ページほどを2日かからず。

  その裁きは死 アンソニー・ホロヴィッツ.jpg “THE SENTENCE IS DEATH”:sentenceは「文の一節」と「宣告する」のダブルミーニング。
 自分が脚本を書いているドラマ『刑事フォイル』の撮影現場にいる“わたし”(アンソニー・ホロヴィッツ)のもとに、元刑事の私立探偵ホーンソーンが新たな事件を持ってやってきた。 前作『メインテーマは殺人』でひどい目に遭った“わたし”としては、もうホーンソーンと組むのはお断りだと思っていたのだが、実直さが評判の離婚専門弁護士が殺害された現場に連れていかれて不可解な状況を目にしてしまったら、“わたし”の好奇心に火がついた。 不親切で失礼極まるホーンソーンの態度に業を煮やしながらも、真相を求めて先に進む。

 “わたし”の日常の中に突然ホーンソーンが現れて事件に引っ張り込む、という導入部は一緒。 でも二作目なので“わたし”も読者もホーンソーンのことを知っているから、時間に引っ張り込まれる流れもスムーズ。 お互いすでにある程度知り合いだから、ホーンソーンとホロヴィッツとの会話も前より進みやすい。 ホロヴィッツのホーンソーンに対する気持ちというか、二人の間にうっすら<相棒意識>が、信頼関係がある。 だから二人の会話や流れが、一作目よりずっとテンポが上がっているのでぐんぐん読んでしまったのだ。 事件がどうでも、ホロヴィッツの語り口が魅力的でもっと読んでいたいと思う。
 しかし中身も前作同様、<本格推理>である。 今回、珍しくあたしは伏線や手掛かりに結構気づけて犯人を割と早い段階に特定できましたが、だからって面白くなかったことはまったくない。 こちらの予想を軽々と超える展開を用意してくれているので。
 さらに、ホロヴィッツが「ホーンソーンのことを知りたい」とあの手この手でがんばりつつも空回りしちゃうところがすごくいいんですよ! これもブロマンスですか?(→ 明らかに違うけど)。 シリーズが進むにつれ、ホーンソーンの何かがちょっとづつわかっていくのでしょうが、わからないうちはシリーズが続くということでもあるので、あまりすぐはっきりさせてほしくないなぁ。
 アルコールを全く飲まないホーンソーンが、訪ねてきたホロヴィッツにラム&コークを出すところ。 それを飲みながら「砂糖に砂糖を加えたようなもの」(ラムはサトウキビからつくられた蒸留酒、コークは本物なので糖分いっぱい入ってる)と甘さにげんなりするホロヴィッツの姿に、「この二人がわかり合えることはまだ先だ」と感じてしまいました。

ラベル:海外ミステリ
posted by かしこん at 02:50| 兵庫 ☁| Comment(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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