2020年09月02日

震える教室/近藤史恵

 図書館から一緒にこれも借りてきてしまった。 『マカロンはマカロン』もあっさり読み終わってしまったので、近藤史恵要素に物足りなさを感じて(「近藤史恵要素とは何か」といわれると難しいが、宮部みゆきとはちょっと違う感じの後味の悪さである)。

  近藤史恵 震える教室.jpg この装丁は文庫版。
 大阪、心斎橋にある私立凰西学園は歴史のある女子高。 公立高校の受験に失敗した真矢は、内部進学9割のこの高校に入学した。 心細かったが、ほどなくして同じく外部進学の花音と仲良くなる。 何故かはわからないが、真矢は花音とふれあうと不思議なものが見えるようになってしまうことに気づき・・・多くの少女たちが集ってきた学園にまつわる謎に向き合う真矢たちの一年間。

 連作短編形式。 ミステリかと思ったら結構ホラー。 後半の『捨てないで』からミステリ度が強まり、ホラーとの融合が高まる。 最初からこのトーンで行ってくれたらもっと盛り上がったかも・・・でも答えの出ない不可解さが残るのがホラーテイストのよさだから、そのバランスはむずかしい。 短編だから「あまり語られない」、高校生の真矢たちには事実の追及をしてしまうともっと恐ろしいことがわかってしまうから、あえて追求しないという選択肢があり、だから謎は謎のままという余韻がホラー要素を高めているのだけれど、短編の数が少ないので「もうちょっと・・・」と期待してしまう部分あり。 そう、もうちょっとページ数が欲しかった!
 でも、その「短いところでバサッと切り、あとは余韻で」というのが近藤史恵的なところでもあるんだよな・・・。
 この物足りなさ(言葉を尽くしすぎずに、全部言わない、行間で感じさせる)が、個性なんですよ。 でももうちょっと踏み込んでほしい・・・それが読者の妄想をかきたてます。 だからクセになっちゃうのかな。
 霊よりも、コワいのは人間の妄執というか。
 続編というか、高校2年生になった真矢たちのことも読みたいんですけど・・・。

posted by かしこん at 01:40| 兵庫 ☀| Comment(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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