その続き残り5冊。 翻訳じゃないもの。
ある女子大で単位不足の学生たちに特別集中講義合宿をする・・・という、とても加納朋子的な展開が期待できそうな設定。 単行本からの文庫化なので初出は2017年12月。
『天使』と『雲雀』が合本で、文庫で登場! 前の文春文庫版も電子版も持ってるけど、加筆・訂正されているのならば当然買いです!(たとえ加筆・訂正されていなくても買うけど) 主人公ジェルジュは佐藤亜紀世界の中でもキャラの立ち具合は抜群、精密に構築された世界の緊張感もただごとではない。
『天使』も『雲雀』も薄いけど、濃密だった。 一冊になることで物理的な分厚い存在感が出ました。 544ページ。
創元SF短編賞受賞作に始まる連作短編集ということで・・・宮内悠介『盤上の夜』のような衝撃がもらえたらうれしいな、と。
「新型コロナ時代を予見した」というのは言い過ぎだと思うけど、アドベンチャーとしての“ウイルスとの闘い”が楽しめるのは西村寿行世界ならでは。
話としてはほとんど進んでいないんだけど、登場人物たちのディテールの積み重ねに彼らへの理解が深まる。 だからあっという間に読んでしまうんだけど、最後のページで全然進んでいないことに驚愕する。 一冊の分量が少ない! 完結してから一気に読み直したい、そうすればもっといろんなことに気づけそう(明らかすぎるオマージュじゃないもののほう)。