2020年08月23日

ハニーボーイ/HONEY BOY

 最初に予告をシネ・リーブル神戸で観たときは6月だったかも、「子役と仕事のない父親の話を、今の天才子役とちょっと前の天才子役(今は若手俳優として活躍中)と、子役出身のシャイア・ラブーフをキャスティングするなんて、狙ってるな!」とニヤリとしたものだ。 しかし公開日を過ぎて以降、春馬くんのことを思うと気持ちがふさぐ。 観たい気持ちが薄らいだけど・・・、観るべきだろう、というか観たほうがいいと思った。

  ハニーボーイP.jpg 大人になった今、僕は知った。そこに、愛があったことを――。

 若手俳優としてハリウッドで活躍しているオーティス(ルーカス・ヘッジズ)は、飲酒問題で交通事故を起こして更生施設に送られる。 PTSD治療のひとつとしてこれまでの自分のことを書き出すように言われ、十年前のことを思い返す。 その頃、すでに子役として活動していたオーティス(ノア・ジュープ)は12歳、両親はとっくに離婚し、父親のジェームズ(シャイア・ラブーフ)と二人暮らし。 好きなように生きる父に代わり、オーティスが家計を支えていた。

  ハニーボーイ2.jpg ルーカス・ヘッジズ、すっかり大きくなっちゃって。
 ルーカス・ヘッジズ本人はそういった問題行動の心配のなさそうな人なのだが(あくまで印象)、22歳のオーティスはとにかくあやうい。 ふいっとクスリや酒に溺れてしまいそうに見える。 心を許せる友だちもいないみたいだし、仕事もまったく支えになっていないみたいだし。

  ハニーボーイ1.jpg 12歳のオーティスは才気にあふれてかわいらしい。
 しかし子供なので・・・二人のモーテル住まいまで撮影所からの帰り、父親がバイクで迎えに来るのを忘れると、どうやって帰るのか途方に暮れちゃうという・・・。 酒を飲み自暴自棄になる父親に困惑しながらも愛情を求めてしまう姿に目頭が熱くなるよ。 ノア・ジュープくんは『クワイエット・プレイス』、『フォード VS.フェラーリ』と“けなげな息子”の役が続き、またそのイメージがぴったりはまるので、観る側はオーティスくんに入れ込みまくりよ。 オーティスの中で答えは出たような気がするけど、理解できても感覚としてわかるわけではないのよね・・・。

  ハニーボーイ3.jpg 大変迷惑な父親ジェームズ。
 ジェームズにしてみれば、「なんで父親だからって全部背負わなければならないんだ」という気持ちになっているのはわかるんだけど・・・せめてオーティスのためになることはしてやれよ、と思ってしまう。 「自分の子供に食わせてもらってる」のが自尊心を傷つけているのだろうけど、だからってさ! オーティスに肩入れしちゃってるから。 しかしシャイア・ラブーフ、この役にすごく入れ込んでいた。
 エンディングで気づく、脚本がシャイア・ラブーフであることに。 えっ、これって自伝的な話なの? オーティスがシャイア・ラブーフ自身? そういうことか!
 この十年間のことが気になるよとか、22歳のオーティスの辿り着く先があまりにベタすぎないかとか気になったけど、シャイア・ラブーフのセラピーとしてのこの脚本ならば納得! それは愛じゃないとあたしは思うけど、愛だと思いたいんだね。 でも『ロケットマン』のときのように「表面的なセラピーに付き合わされた感」がまったくないのは、そこに切実なものがあるからだろう。 構成に不足な面はあるけど、ディテールのリアリティが光る。
 三人にはそれぞれメンタルトレーナーがついてたみたいだから、心がえぐられる描写が多々あっても撮影が終わった彼らの心の傷にはなっていないと信じたい。 シャイア・ラブーフがこれで救われるのなら、よかった(いや、救われてほしい)。

posted by かしこん at 17:51| 兵庫 ☁| Comment(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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