2020年08月24日

闇という名の娘/ラグナル・ヨナソン

 二作目が発売されたので、待機していた一作目を読むことにする。
 アイスランドといえば殺人事件は年間でもせいぜい数件、まったく起こらない年もあるというが、ミステリ世界ではそれはまた別(勿論、ベースにはそういうアイスランドらしさがあるのがアーナルデュル・インドリダソンやラグナル・ヨナソンの作品だ)。

  トリロジー1闇という名の娘.jpg 北欧ミステリらしからぬ薄さ。
 アイスランドのレイキャヴィーク警察、犯罪捜査部に勤めるフルダ・ヘルマンスドッティル警部は定年を目前に控え、男社会で女性として苦しんできたことを思い返していた。 しかし、定年までの日数に有休をあてて、もう引退していいとかなり年下の上司に通告される。 なんとか抵抗し、二週間という期間をもぎ取って未解決の事件を担当することに。 一年前、海岸で発見された若いロシア人女性の遺体について再捜査を始めるのだが・・・フルダ最後の事件とは。

 最初の4ページぐらいで、もうその世界に飲み込まれる。
 派手な事件ではないけど、その分、身近に起きそうなこと。 そしてフルダの抱える問題が次々とチラ見え、「こ、これは・・・」とよくない方向にいろいろ予測してしまい・・・最後の単独捜査故に(フォローする人が誰もいないから)、「フルダ、今のはヤバい」と何回も思ってしまう。 イヤな汗が出てくる。 よくない方向の予測が全然覆されないよ。
 すごいな、330ページ程度なのに、いわゆる北欧ミステリ要素が全部入っている! なんて精密に構成されていることか。
 北欧ミステリ的後味の悪さにあたしはだいぶ耐性があるけれど、ない人が読んだらかなりメンタルをやられるに違いない・・・。
 これが<フルダ三部作>の一作目。 二作目は時間を遡っている(警察官人生を振り返って印象深い事件は二つと言っているので、それが語られるのだろう)。 二作目『失われた少女』も363ページしかないのだ。 きっと読み始めたらあっという間に読み終わってしまうじゃないか・・・どうしよう。

posted by かしこん at 23:59| 兵庫 ☀| Comment(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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