2020年08月15日

ブラック アンド ブルー/BLACK AND BLUE

 以前、<ハリウッド・エクスプレス>でボックスオフィス第一位になっていた映画、忘れかけた頃日本に上陸。 しかし現在<ハリウッド・エクスプレス>の放送は休止中(アメリカではまだ映画館が再開していないため)・・・諸行無常です。 ナオミ・ハリスがナオミ・ハリスに見えないのは何故?、というのも気になって。

  ブラック・アンド・ブルーP.jpg 女性警官が目にした汚職の瞬間。街のすべてが彼女の敵となる。

 故郷であるニューオーリンズに戻ってきた退役軍人であるアリシア・ウェスト(ナオミ・ハリス)は、警察官として働き始める。 パトロール警官として相棒のケヴィン(レイド・スコット)とシフトを組んで三週間、初めて臨時の夜勤に別の警官と就いた。 ある通報で現場に向かうと、パトカー内で待機を命じられるアリシア。 銃声が聞こえたので様子を見に行くと、麻薬課の刑事マローン(フランク・グリロ)らが売人を殺害するところを見てしまう。 彼女のボディカメラにおさめられたその“瞬間の映像”を奪うため、悪徳警官たちは一丸となってアリシアを追う・・・という話。
 ハリケーンのあとから復興しきれていないニューオーリンズの姿がリアルっぽい。 ドラマ『NCIS:ニューオーリンズ』の明るさとはあまりにも対照的。

  ブラック・アンド・ブルー4.jpg アリシアの髪は縮れ毛、ドレッドレアをアレンジしてる。 あたしの記憶ではナオミ・ハリスはいつもストレートヘアだったから(『007』シリーズも、『我らが背きし者』も)、そこが違和感というか、慣れない感じがしたのだろう。 アリシアは警官だけど黒人で、新人で、女。 なかなか強く出られない・証拠を提示しようとしても、誰がどこまでつながっているかわからないから・・・アリシアは孤軍奮闘を強いられるのがつらい(それが痛々しくなく表現されていて、素敵)。 ブルーは警官の象徴(多分制服のシャツの色から)だけど、アメリカでは違法なもののイメージカラーもまたブルー。

  ブラック・アンド・ブルー2.jpg いかにも悪徳警官のみなさん。
 結構見覚えのある方々がいらっしゃりつつも、スターな人はいないのでリアルなキャスティング。 誰が悪徳警官の仲間なのか(自分から進んでやってなくても見て見ぬ振りする者もいるはず)わからないアリシアの疑心暗鬼は、この町に住む人々の生活にも影を差している。 Black Lives Matter問題が本質にあるうえで、なので、アメリカでの社会構造的な根深さを前に途方に暮れる。

  ブラック・アンド・ブルー3.jpg ギャングの方々の服装センスはラップスターと区別がつかない。
 ただの悪役は存在せず、みなそれぞれの都合と事情を抱えているのも現在的。 アリシアの幼馴染のシングルマザーの存在が今のアリシアとの対比になっていて、「いやならこの町を出ろというけど、出られない人はどうしたらいいのか」という日本でも言われる問題が。
 同じく昔馴染みで商店で働くマウス(タイリース・ギブソン)の「トラブルには巻き込まれたくない、ひっそりと暮らしたい」という気持ちの切実さには胸が苦しくなるほど。 でも避けていることは、消極的でも今の状況を受け入れていることになってしまう。 経済と教育の格差をなくすことがいちばんの解決法なんだけど、それを浸透させるためには時間と手間がかかる・・・今の人たちはそれまで待てないし、かといって何も始めないことには解決しない。 「正しくないことはしない」と主張し続けるアリシアの強さが、きっかけになれば。
 話の展開的にはマイクル・コナリーっぽさもあるのだが、この映画がヒットすることにアメリカの当事者意識が感じられて、救いになる。

posted by かしこん at 17:07| 兵庫 ☁| Comment(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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