なんだかんだ言いつつ、コージーミステリの雰囲気は好きです。
北欧ミステリを中心に残虐な事件&ヘビーな背景を扱うものばかり読んでいると、ときどきほっと息がつける、のんきなものを読みたくなるのですよ。 と、先日<卵料理のカフェ>の4作目を読んだのですが、1作目しかブログ記事に載せていないことに気づく。 読んだ本を全部メモっているわけでもないんだけど(タイミングが合わなかったり、内容があれだったり・・・)、ここまで放置も申し訳なく、忘備録としてまとめておく次第。 一気に三冊を読んだわけではなく、一年半くらいの間に思い出したように読んでいた、というところでしょうか。 <お菓子探偵ハンナ>のシリーズは一年に一冊出るかどうかだし、ちまちまと思い立った時に読める“ある程度巻数のあるシリーズ”は貴重です。
そもそも<卵料理のカフェ>とは、アメリカ中西部の田舎町にあるイギリス風アンティーク調のカフェ<カックルベリー・クラブ>のこと。 オーナーのスザンヌ、厨房を取り仕切るペトラ、接客担当のトニという昔からの幼馴染み(全員、現在40代後半)が人生いろいろあった先の再出発でオープンさせたお店。 朝食にはおいしい卵料理を、午後にはアフタヌーンティーを町のお客に振舞う。
メインキャラ三人のお喋りと、カックルベリー・クラブで出される料理やお茶菓子、お茶の組み合わせなどを楽しむ話。 殺人事件は保安官とお喋りして事件に首を突っ込むための材料です。
カックルベリー・クラブでお見合いパーティー兼読書会を開催し、大評判だったけど、参加者の一人がクロスボウの矢で撃たれ死亡!、と死に方が派手になってきました。 事件を探るスザンヌに犯人からの魔の手のようなものが忍び寄ってくるのですが、「怖いわ、気をつけなきゃいけないわよね」とか言いつつ全然警戒せずに普段の生活や自分の好奇心の赴くまま行動してしまうところがツッコミどころ(でもそれは野暮?)。 小さな町なのに三か月おきぐらいに大事件が起こってしまうところがコージーのお約束。
なんとカックルベリー・クラブの裏庭でスノーボードで通りかかった人物が張られたピアノ線で首を切り落とされる・・・という更にショッキングな殺人事件が! 町で凶悪事件が?!、ともっとピリピリしてもいいところなのに、ミセス軽率のトニのおかげでスザンヌも危ない橋を渡りまくり。 ほんとにみなさん、アラフィフですか? 女ともだちと一緒にいるとティーンエージャーに戻ってしまうのでしょうか。
コージーミステリの神髄は、おいしそうな料理とお茶の蘊蓄、レギュラーメンバーの動向を知ることであると実感。 このシリーズ、今のところ7作目まで邦訳されているそうなので・・・もうちょっと楽しめるかな、と思います。