2020年07月15日

一度も撃ってません

 えっ、石橋蓮司初主演作なんだ。 今までもありそうだけど・・・ドラマではあるのかも、映画としては初、ということか。 阪本順治監督作品。

  一度も撃ってませんP.jpg 噂のヒットマン!? でも本当は売れない小説家

 純文学でデビューした小説家の市川進(石橋蓮司)だが、その後は鳴かず飛ばずで、“サイレントキラー”という殺し屋の一挙一動を列記するハードボイルド小説に転校してかなりの年数になる。 毎夜、ハードボイルドなイメージで夜の街を徘徊する市川には、「伝説のヒットマン」という噂があった・・・という話。

  一度も撃ってません4.jpg ハードボイルドにバーを訪ねる。
 カウンターの奥にいるのは元検事の旧友の石田(岸部一徳)で、一筋縄ではいかないキャラクターはさすが。 というか最初はほんとにヤバいヤツ感があふれているのに、だんだん本質が見えてくるってのがおいしすぎる! っていうかかっこいい! すごいな、岸部一徳!
 それに対して市川はナレーションがかっこよくて面白いんだけど、市川本人の深みがあまり感じられなくて(それにも意味があることがあとあとわかるんですが)、石橋蓮司の佇まいに頼りすぎじゃない?、ってちょっと思ってしまった。

  一度も撃ってません2.jpg 元ミュージカルスターのひかる(桃井かおり)を含めた三人は学生時代からの仲間。
 学生運動をしていた時期を共に過ごした・・・というのが強固な友情の土台のようで、各世代にいろいろな何かがあるのでしょうが、あの世代の方々には非常に特別な何かなんだな、と。 下の世代である私には全然わからないのですが。
 着飾ってバーを訪れる時間こそ「ほんとの自分」と輝くひかるの、まったく輝かない昼間の姿に度肝抜かれる(桃井かおりが富士そばで働くおばあちゃんだった!)。 シャレで作った映画です、と見せかけながらちっとも手を抜いていないんですよ。

  一度も撃ってません3.jpg こんな親子共演でいいの?
 市川の担当編集者(佐藤浩市)も定年が迫ってきたため若い編集(寛一郎)に引き継ごうとする・・・という世代の差を強調するためのキャラクターだったけど、上と下に挟まれてぼやくだけの佐藤浩市は面白かった(強さとか説得力とか全然なくてつい物足りず、そういうものを求めてしまっている自分の気づく)。 一緒の場面はなかったけど柄本明と柄本佑もちょっと出てくるし、江口洋介も妻夫木聡もいるし、ほんとに豪華キャストなのです。

  一度も撃ってません1.jpg あれ、『インファナル・アフェア』?
 その中でもサイコーなのが豊川悦司なのです。 出てきた瞬間、「おや、この人・・・トヨエツか!?」とわかってからずっと笑いっぱなし。 このトヨエツだけで観た価値があった。 この髪型、『ミッドウェイ』の撮影時期と近かったのかしら。
 ミステリとしてはタイトルでネタバレなのでミステリとしては観ないけど(ミステリ要素を一人で背負っていたのは岸部一徳かも)、それなりの伏線がきっちり張られていた。 ベテラン脚本家丸山昇一の腕を見る。 Jazzyな音楽はあまりにも狙いすぎかな、と思うけど、そういうカッコつけも許せてしまうのがこういうお遊び映画なんだろうな。 ただ、受け付けない人がいるかもしれないのもちょっと感じる。

posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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