2020年07月16日

ペイン・アンド・グローリー/DOLOR Y GLORIA

 ペドロ・アルモドバル監督の自伝的映画かつ集大成と聞けば、どうしても観たくなる。 ていうかアルモドバルってもう70歳なの! でもなかなか時間が合わず、駆け付けたのはシネ・リーブル神戸の上映最終週、レイト枠。 20:50スタートということもあり、上映最終週だし、で観客はあたしひとりでした・・・なんだか大変申し訳ございません。

 ペイン・アンド・グローリーP.jpg それは人生のはじまり。

 映画監督としてスペインだけでなく世界に評価され、巨匠と呼ばれるようにもなったサルバドール(アントニオ・バンデラス)だが、耐えられない脊椎の痛みに襲われるようになり、疲れ切ってしまい長らく映画製作から遠ざかっていた。 何もしない日々、サルバドールは幼い頃の母(ペネロペ・クルス)の記憶や、子供の頃に住んでいたバレンシア地方のことを時折思い出していた。 そんなとき、32年前に撮った映画『風味』の再上映企画が舞い込み、当時の主演俳優アルベルト(アシエル・エチェアンディア)に会いに行く。 アルベルトとは映画製作時、演技プランで対立して以来犬猿の仲だったが・・・という話。

  ペイン・アンド・グローリー2.jpg 遠目だとアントニオ・バンデラスだとわからない。
 髪が短い・白髪まじり、筋肉見せない、姿勢よくない、など、年くっただけじゃなく役作りですよね、と思うけど、観ていてアントニオ・バンデラスであることを忘れます。 背中の痛みに耐えかね、合法的鎮痛安定剤(病院で処方されるやつ)を何種類もすりつぶして粉にして飲む。 でも効かなくてヘロインにも手を出す・・・など前半はサルバドールの落ちっぷりが痛々しい。
 時間が経過してるから、アルベルトとサルバドールの関係も軟化。

  ペイン・アンド・グローリー3.jpg アルベルトはフェデリコ(レオナルド・スバラーリャ)と出会う。
 サルバドールの随筆(小説?)『中毒』をもとに一人芝居をしたいというアルベルト。 自分の名前を出さないでくれるならと承知するサルバドール。 でもそれが、思いもかけぬ出会いを連れてくる。 サルバドールの子供のある時期の記憶、マドリードに出てきて一人暮らしを始めて映画も作り始めたある時期、そして現在と、大きく三つの時期を中心に描いてるけど、それがとても有機的で、描かれていない時期のほうが長いんだけど不足に感じない。 今のサルバドールにとって人生のターニングポイントだったんだろうと。

  ペイン・アンド・グローリー1.jpg アルモドバル映画には、目がつぶらな美青年がだいたい登場するが・・・監督の好みなんだね、と納得。
 鮮やかな色彩、独特のカメラワークなど、変わらないアルモドバル節の中に心温まる感動のエピソードあり・・・これまでにない感じ。
 だから美しいラストシーンには、うっかり涙してしまいました。 サルバドールが映画への情熱を取り戻してくれるなら、アルモドバルもまた・・・と、今後が期待できるという気持ちに。

posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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