あれ、ここ数年、新刊が出るのは8月後半だったのに、もう6月に出る?!
これはそろそろ、「終わりが近い」ということでは!
でもこの一冊で終われるはずがないし・・・完結って書いてないし、まだ終わらないことを言祝ぎたい。
あれ、表紙のバックが白ってわりと珍しくない?
(瀧山と新人の世話係、仲野でした)
ついに徳川幕府瓦解・・・へ至る道。
それぞれの将軍職の方々には散々泣かされてきましたが・・・もう、こんなに泣かされてしまう、家茂に。 家定公でもかなり泣いてしまったけれど、お風呂上がりの髪を乾かしていたタオルで涙を拭うこと何回も。 和宮が言葉を選ばずポンポン言うから、家茂も自分の感情を表に出すようになったのか、家茂の言葉一つ一つに読者も心を揺さぶられ、その場に立ち会ったお上や勝海舟が頼ったり心酔する気持ちがよくわかる。 特にあの勝海舟が最後まで幕臣でいたという理由が、忠義というよりも恋心といわれたほうがすごく納得できるし。
それにしても、一橋慶喜、ほんとにダメな男だ・・・これも「そう育てられた悲劇」なのか?
瀧山も歳をとり、黒木はすっかり立派になった。 歴史の流れを描きつつ、個人の人生も同じように描くことのすごさですよ。
また最初から読んでしまいそう・・・終わりがもうすぐと思えばせつないけど、この流れはみんなが知っている日本の歴史に自然に合流するのがわかっているから、むしろここで描かれた「赤面疱瘡が蔓延した日本」の歴史が本流だったのではないのかという気すらしてきてしまう。 これが史実であってほしいと思いたい、というか。
続きはまた一年後なのかな。 美しい着地、見事な終幕を期待する。