2020年06月18日

ストーリー・オブ・マイ・ライフ わたしの若草物語/LITTLE WOMEN

 『ストーリー・オブ・マイ・ライフ』、三か月遅れで日本公開決定!
 オルコットの『若草物語』は幼稚園の図書室(?)で読んだ。 勿論子供向けにリライトされていただろうけど、第一部と第二部両方あったからそこまで変更はされていなかったのかもしれない。 厳しい現実にぶつかる第二部よりも、当時のあたしは第一部が好きで、折に触れて読んでいた気がする。 あれ以来読んでないけど、『若草物語』はあたしの人生観を決めた作品だったのかも。 この映画を観て、そう気づいた。

  ストーリー・オブ・マイ・ライフP.jpg 今日も「自分らしく」を連れて行く――。

 アメリカ、北部のある田舎町で。 マーチ牧師とその妻(ローラ・ダーン)には四人の娘がいた。 しっかり者の長女メグ(エマ・ワトソン)は愛し愛される人との結婚を夢見、とにかく活発な次女のジョー(シアーシャ・ローナン)は小説家になる夢を持っていて、ピアノを愛する三女のベス(エリザ・スカンレン)は天使と呼ばれるほど心優しく、マイペースで頑固な四女のエイミー(フローレンス・ピュー)は画家として身を立てるつもり。 父は従軍牧師として南北戦争に行ってなかなか帰らない。 隣家のローレンスさん(クリス・クーパー)と甥のローリー(ティモシー・シャラメ)はマーチ一家を支えている・・・という話。

  ストーリー・オブ・マイ・ライフ4.jpg ジョーはいつも走ってるイメージ。
 冒頭は原作の第二部から。 時間軸を交錯させ、第二部が進行していく合間に第一部の内容が回想シーンとは少し違う形で表現される。 そうすることで長さを回避し、第二部の流れにかかわりのある過去がピックアップされるという形で大胆に省略してる。 だいたい『若草物語』を読んだことがある・大体の話は知っている観客がほとんどですよね、足りない部分は各々補完してください、と言わんばかりの潔さ(原作読んだことがない人は、こだわりがなくて逆に素直に受け止められると思う)。 これは現在なのか過去なのか、一瞬考えるところもあるけれど、きちんとヒントを出してくれてる。

  ストーリー・オブ・マイ・ライフ3.jpg エイミー、前半は何かをやらかしそうでずっとドキドキしてた。
 実際やらかすんですが・・・ある時点で大きくやらかしてくれたおかげで「このあとは大丈夫だろう」という妙な安心感が。 エイミーの自由奔放さを子供心に恐れていたらしいということを思い出す・・・あたしはジョーが好きだったというか、ちょっと神聖視ぐらいしてました。 「結婚するだけが女の幸せじゃないわ!」という彼女に「そうだそうだ!」と思っていたのです、幼稚園児なのに。 メグは同じ長女なので「わかる〜」という部分もあったけど、「貧乏なんてもうこりごり」のセリフには引いた・・・それはあなたがいらぬ見栄を張ったからじゃん。
 原作を読んでいたときには気づかなかった、四姉妹のそれぞれ意地が悪いところ(ベスはないけど)にちょっと驚きつつ、多面性のある・奥行きのあるキャラクターが現代版である意味なのかな、と。 もしくはあたしも彼女たちの年齢をはるかに超えてしまったということなのかも。

  ストーリー・オブ・マイ・ライフ1.jpg ジョー、本気で作品を仕上げる。
 小説家として身を立てる!、経済的にも自立する!、というジョーの覚悟は気持ちいいけど、その問題が2020年でもリアルに響いちゃうというのは女性の立場ってまだまだなの?、と悲しくなる。 南北戦争の時代ですよ、約200年前だっていうのに。 でもこのへんの感覚は、監督・脚本のグレダ・ガーヴィグの投影が強いのかも。 ジョーやメグのもっといいところありますよね、なんだけど、全部描けないから、ここに中心を据えたんだろうな、と。 シアーシャ・ローナン、『ブルックリン』のときより若い感じがしたよ!

  ストーリー・オブ・マイ・ライフ2.jpg ローリー、すごくいいやつ!
 個人的にはローレンスさんのクリス・クーパーの微笑ましさにメロメロでしたけど、ベスとローレンスさんの交流、もっと深くていいところありますよね! いや、描かれてはいるんだけど、もっと見たかった・・・。
 まぁ全体的に、男性キャストは四姉妹にとって都合のいいキャラになってたな〜。 お父さんなんてドラマティックに帰ってきて以後はいるんだかいないんだかよくわからない扱いだし、四姉妹に重心を置くとそうならざるを得ないのかな〜。 何事にもバランスはむずかしい。
 で、ベスなんですよ。 彼女の運命は受け入れるのがむずかしい! 今ならばまぁそういうこともあるとわかっているけど、幼稚園のあたしには理解不能だったから、「神様ってひどくない?」と思ったわけです。 もし神様が存在するならば何故こんなひどいことが起きるのか、と納得できなくて「神様なんか信じない!」と思ったのでは・・・八百万の神はいると思うんですけど、一神教的な考えには全く魅力を感じないのは、『若草物語』のせいだったのかも、としみじみ感じましたよ。 これって「三つ子の魂百まで」か?
 あぁ、コスチュームプレイって素敵、と思わせてくれる衣装の数々(ドレスとかではない日常服のほうが魅力的)も素晴らしく、『若草物語』って古典なんだなぁ、と実感した。

posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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