映画館の営業が再開し、延期されていた映画の公開も続々と決まり、「あれ、このままでは追いつかなくない?」と気づいてきた今日此頃。 それでなくともレイトショー枠がないのである(シネ・リーブル神戸はがんばってくれている、でもその時間に帰るとスーパー閉まってるんだよ!)。 でも一日二本とか観る体力・気力が自分にあるかちょっと自信ない・・・。
が、とりあえず行けるものは行っておかねば!
アメリカのある田舎町センターヴィル。 警察のロバートソン署長(ビル・マーレイ)とピーターソン巡査(アダム・ドライヴァー)が通報によって森を捜索した後、無線の調子が悪くなりバッテリーも切れた。 極地で何かの開発実験をした影響で地球の地軸がぶれているという説もあり、夕方がいつまでも明るい。 その夜、墓場から死者がよみがえり、ダイナーに押し寄せた・・・という話。
ジム・ジャームッシュ的オールスターキャスト。 お遊び的コメディだということはわかっていたつもりだったのですが・・・なんかもう、ほんとに「悪ふざけ」なんじゃん、という気持ちに。
役者の方々はセルフイメージとか最近の目立った役に重なるイメージの役柄で、おまけにメタ・フィクション要素も入れつつ回収もなく、「いや、ジョージ・A・ロメロ的なもの以上にはなってないよね!」とゾンビもの好きとしては物足りないのだ。
その日本的なものはどうなの・・・刀に鍔がないけど居合刀ですか・・・。
ジム・ジャームッシュの映画には押しつけがましく、わかりやすいテーマはない。 ゆるい、オフビートな空気が魅力だ。 でも『デッド・ドント・ダイ』にはあたしが思う“オフビート”感が薄く、自分の好みの狭さがあることを感じてしまった。 『リミッツ・オブ・コントロール』や『パターソン』は大好きなんだけどなぁ。
あとでジム・ジャームッシュのインタビューを読んだら、ロメロを尊敬しているらしい。 もとから「ロメロ的なもの」を超える気はなかったようだ。 ちぇっ。
トム・ウェイツとイギー・ポップが揃って出るのがいかにもジム・ジャームッシュだなぁ、と思うけど、「でもあたしはファンというほどではないらしい」と実感。 そんな中、アダム・ドライヴァーのとぼけた味わいは最高で、「これが旬ということか!」と思う。 ビル・マーレイとのツーショットの安定感、素晴らしすぎる。