2020年05月18日

ビール職人の醸造と推理/エリー・アレグザンダー

 このところ重たい(後味が悪い)作品ばかり続いていたので、気分転換にちょっとさらっと読めるやつをチョイス。 コージーものはそれはそれで読み始めるとハマるんだけどさ。

  ビール職人の醸造と推理.jpg カップケーキにもクリームにもビールが使われている。
 ビールで有名なアメリカ北西部の小さな町、レブンワースはドイツのバイエルン地方に少し似ている。 ドイツ系移民の義両親は町でいちばんのブルワリー<デア・ケラー>のオーナーで、“わたし(スローン)”は<鼻>を持つビール醸造職人。 平穏な毎日に満足していたのに、ある日夫の浮気が発覚! “わたし”は<デア・ケラー>を出て町に新しくオープンする<ニトロ>で働くことにするのだが、オープニングパーティーの翌日、<ニトロ>のビール発酵槽の中に落ちている死体を見つけてしまい・・・という話。

 「ビール・ミステリ、開幕!」と帯にありますが・・・意外にも(?)ミステリ度は低め。 スローンが事件の背景を探ろうとする場面はあるけれど、それよりも自分の問題(裏切った夫への対応、里親をたらいまわされた過去からくるトラウマ、一人息子と夫の両親への愛情、ビール醸造への情熱などなど)のほうの比重が多く、自己評価の低いスローンがいかに他者の愛情や気遣いを受け入れるのかというセラピー的な一面も。
 しかし、こういう話に出てくる夫って、男性的な魅力にはあふれているが不誠実という・・・よくあるパターンなんですかね(クレオ・コイルの『コクと深みの名推理』もそんな感じだった)。
 お酒全般飲めないあたしはビールも飲まないので興味はなかったですが、クラフトビールの奥深さに触れて認識を改めました。
 フルーツやスパイスを入れてホップの香りをより引き立たせる、フルーツの味を前面に出しても後味はすっきり、とかカクテルみたい。
 しかもスローンのビールはキンキンに冷やしたものがいちばんだそうで・・・ドイツビール系なのに常温じゃないんだ、ということに驚く。 というかキンキンに冷やしてビールを飲むのは日本人だけだと思っていた。 こういうのを知るのがコージーミステリのたのしみ。

posted by かしこん at 03:34| Comment(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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