2020年04月20日

コールド・コールド・グラウンド/エイドリアン・マッキンティ

 ようやく読んだ。
 <刑事ショーン・ダフィ>シリーズ第一作。
 冒頭から『ザ・チェーン 連鎖誘拐』とあまりに雰囲気が違いすぎるので戸惑う。 一人称だから、舞台が北アイルランドだから、だろうか(こっちのほうが先に書かれているので・・・『ザ・チェーン』は心機一転なのかも)。

  コールドコールドグラウンド.jpg タイトルはトム・ウェイツの曲から。
 1981年、北アイルランド・ベルファスト。 北アイルランド紛争、暴動に揺れる街で奇妙な死体 ‐ 別人の右手とオペラの楽譜が仕込まれた死体が見つかる。 捜査を指揮する王立アルスター警察隊のショーン・ダフィは、テロ組織による犯行に見せかけた殺人ではないかと考えるが、紛争で一触即発のこの街では通常捜査もままならず・・・という話。

 のちのち島田荘司の影響を受けるというのが納得の、本格志向がほの見えるのが面白い。
 しかし本書では80年代北アイルランドの混乱と、カソリックであるショーンの微妙な立ち位置(北アイルランドはプロテスタントが主流)がハードボイルド的に描かれる。
 多くの警察小説・私立探偵ものの主人公のように、ショーンは若干ひねくれもので、女性に惚れっぽくて、手の引きどきを知らないという愛すべき男である。 彼がどうなるのか知りたい、と思わせなければシリーズは成立しないので、続きを読みたくなるラストになっている。
 いちばんの読みどころはやはり、北アイルランド紛争ただなかにいるという視点。 チャールズ皇太子とダイアナとの結婚式が間もなくという設定で、あたしが子供の頃とはいえ、北アイルランドがこんなになっているというニュースは聞いたことがなかった。 IRAのことを知ったのって『ツーリング・エクスプレス』と『パトリオット・ゲーム』だったんじゃないかと思い返す。
 方言なのか、返事が「あい」となっているのがすごく気になる・・・(ショーンが上司に話すときには「はい」となっているので、近い関係性で使われるんだろう)。
 ロックを愛するショーンの好みもニヤリ。 家にいるときはラモーンズのTシャツとか着ちゃうんだもん。

ラベル:海外ミステリ
posted by かしこん at 19:38| Comment(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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