2020年04月18日

時をかける少女

 午後3時頃、ツイッターのトレンドワードに『時をかける少女』が入っていて・・・ちょうどそのとき、関東圏では大林宣彦監督版『時をかける少女』を地上波で放送していると知り・・・関西ではやってないんですけど!、と思わずアマゾンプライムをチェックしたらあったので、観てしまった。

  時をかける少女P.jpg いつかどこかで 出会うはずの彼に、会ってしまった。
 高校2年生の芳山和子(原田知世)は幼馴染の堀川吾郎(尾美としのり)と深町一夫(高柳良一)と同じクラス。 理科室を掃除に行ったとき、何者かの気配を感じた和子はラベンダーの香りを感じたあと気を失う。 それ以降、彼女はタイムリープしていることに気づき・・・という話。

 1983年7月公開だそうである・・・あたし、子供の頃に映画館で観た記憶がありますが(同時上映は薬師丸ひろ子主演『探偵物語』)、そんな前ですか・・・(汗)、ちゃんと見るのはそれ以来かも(かつてのテレビ放送時ではカットされていた場面もあった気が)。 理科室のシーンはよく覚えているんだけど、「オープニングってこんなだっけ?!」とスキー場のシーン(しかもモノクロ)に驚く。 でもちゃんと深町君への違和感を描き出しているんだよなぁ。
 こんなにレトロモダンだったか! 深町家の異世界感、すごいな!、など、当時気づかなかったことに気づく(あたしも歳をとり、理解が深まりました)。 温室のラベンダーが明らかに造花とか、気づかなくてもいいことも気づいてしまうけど。
 理科室の倒れたフラスコから立ち上る白い煙の動きとかすごく芸術的! それ故にコラージュ的なタイムスリップシーンに違和感があるけど・・・CGや“不気味の谷”とは違う種類の違和感なのですよ(違う時代だなと感じるというか)。 崖のシーンは特殊効果とは思えなくて、ほんとに崖で撮影したんじゃないか(安全基準は大丈夫か?)、と聞きたくなる。 高校の掃除当番がゴミ袋を焼却炉に直接入れるとか、弓道部の練習場がグラウンドの一角(他の部活の方たちが近くで練習してる)とか、今の視点ではいろいろ基準が違うことに時代を感じてしまいます。 尾道(竹原)の街並みや和子の家、部屋の小道具などはレトロモダンで時代を超越しているにもかかわらず。
 深町君に漠然とした憧れを感じてしまっていたあたしでしたが(原作でも深町君はいい)、今観るとゴロちゃんの地に足の着いた好青年ぶりにおののく。 すごいよ、ゴロちゃん。
 高柳良一はのちに「自分は役者には向いていない」と角川書店にコネ入社(?)して編集者に転身しましたが、尾美としのりと比べて、と考えていたのならちょっと納得(個人的には彼を棒だと思ったことはないが、同時代で見てきているからかなぁ。 ドラマ版『ねらわれた学園』も盛り上がって観てましたよ。 主役はほぼ高見沢みちる ‐ 伊藤かずえだったけど)。
 古典教師役の岸部一徳が、やたら要潤っぽく見えてしまうことにも驚きました。
 なのに、最後の理科室のシーンではうっかり泣いてしまう。 純愛、と言えば聞こえはいいけれど、その瞬間はこれは永遠、と思ったことが、勿論その気持ちも真実なんだけど、決して永遠ではないと今のあたしは知ってしまいました。 だからこそそれを信じる和子の姿に、理想という幻を見るのです。
 幻想の少女を押し付けられた原田知世、その中でも輝きを放つ・・・。 アップのシーンで瞬きなしの目ヂカラ、吸い込まれそうです。
 エンドロールでいきなりアイドル映画になりつつ(ミュージカル?)、それ自身がタイムリープになっているという・・・大林作品の真骨頂はこういう実験性なんだよね、と感じる。 『転校生』よりもぐっと暗い町並みはホラーのテイストもあり。 赤い鼻緒の下駄なんてアイテムは萌えとホラーの境目じゃないですか。

ラベル:日本映画
posted by かしこん at 20:07| Comment(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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