2020年02月24日

夫・車谷長吉/高橋順子

 まぁ、こういうのも縁ですよね、と思って読み始める。
 そしたらもう、車谷長吉さんの言動がコワすぎて引く・・・怖いもの見たさで、読んでしまった。
 詩人・高橋順子がファンレターのようなひとりごと、十一通の絵手紙をもらってからの出会いとその後の話。

  夫・車谷長吉.jpg 表紙が絵手紙の一枚。
 表紙に使われているのはまだいいんだけど(一部口絵としてモノクロで収録)、ハガキ一面隙間もなく文字がびっしりのやつなど、書きこんでいる気持ちがあふれてこっちに迫ってきそうで、漢字や句読点もないので一読では意味がわからないときもあって怖い。 ご本人も会ったこともない人からこんなものをもらって「薄気味悪かった」みたいなこと書いてあった。
 人との距離感がおかしいというか、よくつかめない人なんだと思う、車谷長吉という人は。
 のちに重度の強迫神経症を患い、「このままではあなたを殺すか、自殺するか」を繰り返すような人と結婚しちゃったんだから著者はすごい!
 「これは結構ひどい、いまならモラハラだよ!」みたいなところいっぱいある・・・けれどご本人はさらりと流し、気にしていない感じ・・・そこに愛や情があるからなのでしょう。 二人だけに感じられた合う波長とかあったのでしょう。
 しかしあたしにはないので、「この人、コワすぎる!」としか思えないです。
 なんとなく記憶では、車谷氏は「土下座して結婚してもらった」と思っていたので・・・なんで順子さんにこんなに上から目線な言動をするのか納得いかない。
 仕事場のおじいさんは作家としての車谷長吉を高く評価しているようなので、その観点があればまた違うのかもしれないけど。
 すごく詳細に書かれている時期とそうでない時期がある。 日記を書けてない時もあって記憶にないこともあるそうだが・・・記憶にないって。 よほどすごい時期だったのでは・・・覚えていられないほど、時系列でまとめられないほど。 そんな“書かれていないこと”の存在もまたコワい。

 しかし、小説のモデルにされたからと名誉棄損などで訴訟になるってのもすごい・・・いくら私小説といったって、事実をベースにしたとしても“作者”というフィルターを通せば描かれるものは100%事実ではないので、モデルがいたとしてもすべてその人のことだとはあたしは思わないんだけど・・・世間には思う人がいるのか。 もしくは実物よりひどく書かれてイメージ悪くなったとか? 車谷長吉は姫路の出身だそうで、高橋順子さんは文庫版の付録の講演起こしの中で「姫路で車谷の話をするのは怖い」とも言っている。 訴訟内容は表に出せないのかもしれないけれど、いったいなにをそこまで?、と不思議で仕方ない。
 ううむ、これは車谷長吉を読めということか・・・。

posted by かしこん at 15:49| Comment(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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