2020年01月24日

黒と白のはざま/ロバート・ベイリー

 『ザ・プロフェッサー』続編。 あの事件から一年後、前作で“教授”の素晴らしき救いの手として大活躍した元教え子のボーセフィス・ヘインズがとんでもない窮地に陥ることに。 ボーを助けるために、トムとリックが集結。 前の事件で調査したこととの関連性もあって・・・という話。
 これ、順番通り読まないとヤバいヤツ。 『ザ・プロフェッサー』のネタバレ(?)が本書の中にいっぱい出てくるから。

  白と黒のはざま.jpg たった一年で、あのボーがここまで落ちぶれるとか、ある?
 一作目では、ボーは弱り切ったトムにカツを入れ、窮地を救い重要な情報をもたらすまるで便利な天使のような存在だったのに・・・本作では過去のトラウマにさいなまれ、酒に溺れて妻子も去ってしまうという。 一年で変わりすぎじゃない? トムは自分のことで精いっぱいでボーのことには気づけなかったわけ(父親の死について抱えているものがある、とは語られていたけど)。
 そんなわけで酔っぱらって前後不覚になっていたボーは殺人容疑で逮捕拘留され、死刑を求刑させるような状態に。 友として弁護士として、トムはリックとともに裁判を勝ち抜くことができるのか・・・という話。

 「あれ、これ読んだことあったか?」と思うほど、いろんな作品のいろんな場面の寄せ集めのような印象がするのはなぜか? ホワイダニットとして最後まで引っ張ってはいるものの、だいたい予想通り。
 とはいえテネシー州プラスキは<クー・クラックス・クラン誕生の地>という汚名を今も抱えているというのは・・・いろんなことを考えてしまう(『警察署長』、『評決のとき』、『ブラック・クランズマン』などなど)。
 が、最も印象深いのは、検事長(女性)が、教授たちが「人生を変えた運命的な体験」だと考えているアラバマ大学フットボール部時代のことを「そんなこと」とさらっと流すシーン。 別にトムを貶めるとか、女対男みたいなことではなくて、自分にとってはものすごく重要なことであってもその価値はわからない人がいる(それが悪いわけでもない)と教授が感じるところでちょっと溜飲が下がるというか。 やたらフットボールの絆を言い過ぎ!、という読者の気持ちが伝わっているのか、作者としても引き合いに出しすぎだと思っているのか、そんな客観性が光っていた。

ラベル:海外ミステリ
posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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