2020年01月07日

この世の春/宮部みゆき

 うむ、どうしようかなぁ、と悩みつつ、上巻出だしでちょっとうろうろ。 あれ、宮部みゆきの現代モノとは調子が違う(そういえば『荒神』もいまひとつノレないうちに図書館の返却日が来てしまった記憶がよみがえる)。 あー、どうしよう、と思ったけれど第一章を半分越えたぐらいで勢いがつき、あとは下巻まで一気に。
 というか上巻で大体の流れが見えてしまい、「まさかそうなるんじゃないよね」と悪い方向に一致してしまい、下巻はほぼ消化試合・・・でも「このままでは終わらないよね!」という期待で最後まで引っ張られました。

  この世の春1文庫版.jpgこの世の春2文庫版.jpgこの世の春3文庫版.jpg 挿画:藤田新策、文藝春秋のスティーヴン・キングと同じ人。

 宝永七年の初夏、下野北見藩にて。 藩主重興が押込となり藩主の地位を追われる。 いったい何が起こったのか、藩の内部で何が起きたのか・・・という話。
 シリアルキラーとか、「史上もっとも不幸で孤独な、ヒーローの誕生」とか、帯のコピーはかなり的外れだった・・・。
 こっちが期待した話と違ったよ!、ということでマイナスイメージができてしまった。 予断がなければ初期の長編『龍は眠る』・『レベル7』などに通じる、少年をめぐるハッピーエンド系な話と思えたかもしれないのに・・・。
 ファンタジーを割り切るための時代劇設定という感じが拭えなく、シリアルキラーどこに行ったよ!、だし(『模倣犯』以上の後味の悪さを期待した・・・)。 『残酷な神が支配する』っぽくなるのかと思ったら、勿論、社会派要素を時代劇でやる意味はわかりますよ。
 でもこれ、結局『美女と野獣』なんじゃないの?、と数多い登場人物のことを考えていたのに類型にはめられたような気がして肩透かし。
 それもこれも期待しちゃってるからなんですが・・・読んだらおののくんだけど、若竹七海やカリン・スローターのようにがっちり悪意を書いてくれるほうがうれしくなってしまっているのかも。 ハッピーエンドはなんというか、うすっぺらいように感じてしまっているのかも(そればかりではないことも、わかっているのですが)。
 あぁ、自分の好みがより偏ってきている。 ヤバい。

ラベル:国内ミステリ
posted by かしこん at 03:34| Comment(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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