今年はサメ映画が来ないな・・・と思っていたら・・・やってきたのはワニ映画。 サム・ライミがプロデュースだしなぁ、とうっすら期待。
フロリダにカテゴリー5のハリケーンが迫っている。 大学の競泳選手であるヘイリー(カヤ・スコデラーリオ)は、実家の父親(バリー・ペッパー)と連絡が取れないことが姉に告げられ、心配で、嵐が迫る中強引に家に戻る。 どうにか地下で倒れている父を発見して救出しようとするものの、その場には巨大なワニがおり、ハリケーンも迫ってきていた・・・という話。
台風19号の被害を髣髴とさせる光景は全然笑えない・・・タイミングによっては上映中止の声が出ても不思議のないレベルで、もの悲しくなる。 娯楽映画に集中できないもどかしさがありました。
バリー・ペッパー、すっかりおじさんになっちゃったなぁとしみじみ。 『グリーンマイル』はいったい何年前なんだ・・・と回想に浸りそうになる(『メルキアス・エストラーダの三度目の埋葬』のあたりからヒゲのワイルド系に寄ってはいたけど)。
物語はそんな父親にビシビシ水泳を鍛えられた娘(でも娘はあるとき試合で結果を出せず父の期待にこたえられなかったと思い、父は娘に入れ込みすぎて母ともう一人の娘との関係性に失敗、そのこともまた末の娘を追い込む)との長年の複雑な関係を軸に、このトラブルを共に乗り越えようとすることで関係を修復できるかも、というアメリカの家族関係にしては珍しい、どちらかといえば日本にありがちな父と娘っぽいところが親近感あふれるが、近しい故に「おい、それはない!」とつっこみたいところもあり・・・。
いや、こういう映画にリアリティを求めるのはお門違いであるとわかっているが。
ワニ、初登場のシーンはやたら巨大に見えた。 人間の脚を片方丸ごと口にくわえこめるアリゲーターのサイズって何m? でも場合によっては小さく見えることもあり・・・陸上を闊歩するアリゲーターはある種の恐竜、水の中ではほぼサメと、水陸両用の襲撃者として大活躍!
そしてなんというか・・・はっきり説明できないのだが、そこはかとなく漂う悪趣味感に見覚えが・・・『ピラニア3D』のアレクサンドル・アジャ監督だった! すごく納得した!
こんな極限状況にならないと腹を割って話し合えない父娘ってなんなの!、ではあるが、それを言ったら話が成立しないよね・・・。 心配はするけど特に何か行動を起こさないお姉ちゃんのほうにあたしは共感してしまったが、父とともに目指した一体感を知ってしまったら、すべてを忘れることはできないのね・・・(二人の行動のおバカさ加減の理由がここに)。
とりあえず、ワニ描写は迫力。
そしてこんな悪天候でも助けに来ようとするレスキューのみなさんに、「あぁ、なんて大変な仕事なの!」と胸が熱くなる。