2019年10月08日

生まれながらの犠牲者/ヒラリー・ウォー

 正直、まだ暑い。 夜でも窓を開けるだけではやはり無理で、冷房をつけて扇風機も回してしまう。 湿度を感じてしまうからだ! お風呂あがりにすっきりしないし、本もなんだか湿る気がする。 だからまだもう少しエアコンはつけることでしょう。
 そして読みたい本も読むタイミングを待っている本もたくさんあるのだが、ふいっと来たものをすぐ読んでしまいことも。
 なにしろヒラリー・ウォーだから! またページ数も330ページというほどよい薄さ。

  生まれながらの犠牲者 ヒラリー・ウォー.jpg 原題は“BORN VICTIM”。
 <創元推理文庫創刊60周年記念>・<名作ミステリ新訳プロジェクト第9弾>、と力が入っておりますが、それだけ期待できる実績ありです。
 コネチカット州のストックフォードという小さな町で、成績優秀で品行方正おまけに眉目秀麗という13歳の美少女バーバラ・マークルが帰宅してこないと母親から警察に連絡が。 ダンスパーティーの翌日のことだったので遊びに行ってまだ帰ってきていないだけではと考えた警察署長のフェローズだが、事態はそんな単純なものではなかった。 事件であると判断し、一斉捜査が行われるが、小さな町故の人出の足りなさもあってバーバラの行方は杳としてつかめない。 いったい、バーバラは何故姿を消したのか? ひたすらに地道な捜査を続けるが・・・という話。

 同じプロットである『失踪当時の服装は』では行方不明になったのは18歳の大学生だった。 しかし今回は13歳なので・・・それだけで事件の性質が変わるのです。 そして名探偵的な人物は登場せず、コツコツと手掛かりを集めて可能性を一つ一つつぶしていく、という捜査の基本が。 アメリカの小説なのになんとなくイギリスっぽい感じがしてしまうのは、この地味さ加減であろうか。 それとも時代的なものか(本作が書かれたのは1962年)。
 そして、ほんとに最後まで犯人がわからない。 途中で「もしかしてそうかな?」と感じはするんだけど、確証が得られるのは最後の章の7ページ分。 冒頭から積もりに積もったものが爆発するかのような、滑り落ちて崩れるかのような慟哭。
 そこでタイトルの『生まれながらの犠牲者−BORN VICTIM』の意味がずしんと突き刺さり。
 ・・・あぁ、これまた立ち直れない。

ラベル:海外ミステリ
posted by かしこん at 03:05| Comment(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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