2019年09月16日

引っ越し大名!

 脚本が『超高速!参勤交代』と同じ人だということで、楽しみにしていた。 それに、ミッチーがお殿様とか最高じゃない?

  引っ越し大名P.jpg 引っ越しは戦でござる!

 ある日、姫路藩主の松平直矩(及川光博)は幕府から豊後・日田への国替えを命じられた。 これまでも度重なる国替えで藩の財政は圧迫されていたが、日田は姫路よりも減封となるので収入も激減する。 今度の国替えに今までのように費用はかけられない・・・と、書庫番の片桐春之介(星野源)に引っ越し奉行の名が下る。 いつも本ばかり読んでいるのだからいろいろなことをよく知っているであろう、という強引な理由であった。 「かたつむり」とあだ名されるくらい春之介は書庫にこもりがちで人との会話が苦手なのに、幼馴染の鷹村源右衛門(高橋一生)や前任の引っ越し担当の娘である於蘭(高畑充希)などに助けられ、なんとか引っ越し準備を始めることに・・・という話。

  引っ越し大名6.jpg 春之介くんの気持ちはわかる。
 しかしなんというか・・・冒頭から違和感。
 コメディだというのはわかっています、でも「はい、面白いでしょ? 笑えるでしょ?」と言わんがばかりの進め具合になんだかいら立ってしまい・・・ありえないシチュエーションにおたおたする真剣な人々の姿で十分面白いわけですよ、あえて狙う必要ある?
 あれ、『超高速!参勤交代』のときはこんな風に感じなかったのに。

  引っ越し大名1.jpg 濱田岳に助けられました。
 そんな感じで話に入り込めず、「なんで春之介と源右衛門だけ月代がないんだよ!」ということまで気になってしまい(特に春之介が引っ越し奉行に決まるくだりも、藩の上の人たちの態度がひどい)、「あぁ、なんかもうダメだ、この映画を選んだ自分が失敗だった」と思ったりしましたが、助っ人として登場した濱田岳(勘定方の人)の存在にかなり助けられました。 彼がいなかったらどうなっていたことか・・・。

  引っ越し大名5.jpg 藩ごと引っ越し、いかに費用を減らすか、の工夫は面白いのだが・・・。
 えっ、なんでそこでミュージカル? なんでそこで下ネタ?、となんかつっこみたくなるのは何故なのか。 「画面のその引き、なんか意味ある?!」とまで思ってしまった・・・エンディングで気づいたが、監督は犬童一心だった・・・『のぼうの城』もなんか合わなかったから、この監督とは相性がよくないのかもしれない(『ジョゼ虎』とか現代劇はそんなでもないのに)。

  引っ越し大名4.jpg 高橋一生は珍しく脳筋な役どころだけど面白かった。
 芸達者な役者をこれでもかと集めているのに、これか・・・という気がしなくもなく。 斬り合いのシーンも全然血が飛び散らず、そういう演出なのかと思っていたらある場面では血が流れ、「えっ、そこだけ?!」とびっくりする。 そこを強調したいのかもしれないが、流れが不自然というか強引というか・・・。
 ほんとに『超高速!参勤交代』と同じ脚本家なのか?、と疑いかけたが、春之介が「借金をするとはどういうことか」を考え始めてから、現在にそのまま当てはまる問題に光が当たり、「あぁ、この感じ!」と思い当たる。 そこからは感動路線なのですが、狙った笑いとかみ合ってないような気が・・・終盤に向けてのお殿様はすごくいいのに、それまでが情けなくて(だからミッチーなのかなぁと納得するけど)。

  引っ越し大名2.jpg 一応、ロマンスもあり。
 星野源はすごく普通で、その普通さがこの映画では重要ではあれども、春之介の変化をもうちょっと大事に描いてもよかったのでは。 だって、引きこもりから一応リーダーっぽい役目に転身ってそんなに簡単じゃないよ、いくらまわりがサポートしてくれても。
 手を広げすぎてうまくまとまらなかったのか・・・全体に取っ散らかってしまった感。 やっぱり編集って大事だな、と最近覚えた観点を考えてしまった。 とはいえ、「書物を愛する者同士の友情」が描かれたところは個人的に一番のツボでした。
 あと・・・出番は少ないが重要な役でピエール瀧が出ていて・・・「あ、撮り直せなかったんだな」と思ってしまったのは、やはり現実に戻ってしまう弊害だな、と実感。

posted by かしこん at 17:59| Comment(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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