2019年07月14日

プラスマイナスゼロ/若竹七海

 帯に「葉村晶より不運で、頑丈で、影の薄い三人組――」とあり・・・更に「若竹七海が描く、ほのぼの学園ライフ・・・・・・がただの青春ミステリなわけがない!」とも書いていて、「あぁ、ブラック要素、容認されてるんだ」と言葉に詰まる感じになる。
 いや、ブラックなところとか落ち込むような読後感とかキライじゃないんですよ。 キライじゃないんですけど・・・自分の中にあるらしい基準を突きつけられて悩みます。

  プラスマイナスゼロ 若竹七海.jpg 不良娘・普通・お嬢様トリオ。
 葉崎山高校に通うミサキはすべてが全国標準内に収まる通称<歩く平均値>。 テンコは成績優秀・品行方正を絵にかいたようなお嬢様ながらこの世のあらゆる不運を浴びる体質で、もう一人のユーリは地を這う成績を気にしない義理人情に厚い極悪ヤンキー。 三人がいるところを「プラスマイナスゼロが歩いてる」と言われてしまうが、まったく違うからこそ三人は親友・・・と気安く口にできないシャイな間柄、と書けば学園青春小説(連作短編)だが、「で、どうすんのさ、あの死体」から始まっちゃうので、確かにただの青春ミステリではない。

 テンコの不運っぷりがただごとではなくて、いや、そこはコメディ要素だとわかってますよ、中途半端より極端に振り切ったほうがいいのもわかりますよ。 でも共感力のせいなのか想像力のせいなのか、なんか笑えない・・・なにもそこまで、とつい感じてしまう。 ユーリの単細胞ぶりも痛々しい。
 でも本作に出てくる死体その他については「ひどい!」とかは思わないんだよな・・・自分のはっきりしない基準がわからない。
 もっとキャラを書き込んでほしかったのかしら。 ひとつひとつが短編だから仕方ないんだけど、三人の何気ない描写が少ないので、ありきたりの友情ってやつをかみしめられないのよね〜。
 “卒業旅行”でやっとそれっぽくなるけど、それで高校生活最後だもんね!
 もっと続き、読みたいな〜。 でも青春はいつか終わるから青春なのだろうか。 過ぎてしまえばそれははかないほどに短くて。

posted by かしこん at 19:26| Comment(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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