2019年04月15日

ささやく真実/ヘレン・マクロイ

 というわけで、引き続きヘレン・マクロイを読んでしまう。
 まぁ、実は読んでいるほうが少ないので、もうちょっと楽しめるぞ、というのがわかったのもあり。
 すぐに出てきたヘレン・マクロイの未読本から(つまりすぐに出てこないところにあるのもあるということです・・・)、発表年が早めのやつから。 1941年、ベイジル・ウィリング博士もの3作目。

  ささやく真実.jpg “The Deadly Truth”

 クローディア・ベスーンは美貌の女性でかつ財産家。 だが彼女は慈善事業をするわけでもなく、周囲の人間を振り回す犯罪すれすれの悪趣味ないたずらを仕掛けては楽しんでいる。 生化学者のロジャー・スレーターが開発した、スコポラミンから有害な物質を取り除いたノボポラミン・仮称“真実の血清”(一種の鎮静剤だが自白剤の効果もある)をクローディアはこっそり盗み出すが、しらを切りとおしロジャーにも確かな証拠はないのでそれ以上詰め寄れなかった。
 ある日、ハイ・ハンプトンにあるベスーン邸でパーティーが開かれる。 招待客は“真実の血清”入りのカクテルを飲み、様々な感情がぶちまけられる。 しかしパーティーのあと、クローディアは殺害され、第一発見者はベイジル・ウィリング博士だった。 いったいパーティーで何が起こったのか・・・という話。

 毒々しいまでのクローディアのキャラクターが濃すぎて・・・被害者なのに同情がわかない(何故彼女がそんな風に変わったのか、ということも表現されているにもかかわらず)、それ故に<犯人捜し>に没頭できるという本格推理小説。
 登場人物たちとウィリング博士が均等に会話し、手掛かりはすべて明示され、読者もまた同様に謎解きに参加できる。
 心理学用語などには少し時代を感じるものの、内容自体は古くはなっておらず、「これ、約80年前なのか!」と考えるとなんだか焦る。
 最後は関係者全員を集めて謎解きを披露、という<古き良き探偵小説>の展開が懐かしいと同時に、スリラー・サスペンス寄りの最近のミステリばかり読んでいるとすごく新鮮! やはり本格(トリック重視ではなくロジック重視なほう)は面白いなぁ!、とドキドキだ。
 あたしの中ではウィリング博士のビジュアルが定まっていないので、読むたびに「あ、ウィリング博士ってこんなかっこよい感じだったっけ」とびっくりしがち・・・恋人、のちに夫人となるギゼラのイメージはあるんだけど。

ラベル:海外ミステリ
posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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