2019年02月25日

第91回 アカデミー賞授賞式

 アカデミー賞授賞式、観た!
 司会者がいないとか事前にいろいろごたごたしましたが・・・WOWOW側も例年より緊張感少なめというか、「そこまでがっつりやらなくてもいいか」的なちょっと緩い雰囲気が出ていたような。 いや、ガチガチに緊張してやられても困るんだけど、なんか一部一生懸命さが空回りというか、日本人ノミニーに気を使ってしまったためにレッドカーペットリポーターの尾崎英二郎さんのペースを乱してしまったような気も。 WOWOWもがんばれ!

 さて、授賞式。
 司会者がいないので、オープニングアクト<クイーン+アダム・ランバート>が前振りもなくいきなり出てくる。 “We Will Rock You”と“WE Are The Champions”をメドレーしかも短縮版ながら熱演・熱唱。 ブライアン・メイ、いつもの格好だ・・・でもかっこいい! レプリカだろうけどレッド・スペシャル弾いてる! そしてアダム・ランバートに「Welcome to the Oscars!」と言わせていた・・・司会が言うべきことをいろんな人に分散させる作戦のようだ。 曲の最中、あたしの見たところいちばんノリノリだったのはハビエル・バルデム。 なんかリアクションして!、と言いたくなったのはクリスチャン・ベイル。

助演女優賞
レジーナ・キング (『ビール・ストリートの恋人たち』)
 なんで今年は裾の長すぎるドレスの流行に戻ってしまったのか。 それともたまたま受賞者たちがそういうドレスを着てしまったのか、ステージに上がるのが大変な人が何人も・・・レジーナ・キングもそんな一人で、「スリットの場所はそこでいいの? なんか見えてしまいそうですよ!」とドキドキした(立ち上がろうとして足の位置を色々変えていたときに)。 あと、右腕に<ビンゴ>とまさにカタカナでタトゥーが入っているように見えたんですけど・・・日本の放送席から誰もツッコミがなかったのはそういうこと結構当たり前にあるから?

長編ドキュメンタリー賞
『フリー・ソロ(原題)』

メイク・ヘアスタイリング賞
『バイス』

衣装デザイン賞
『ブラックパンサー』
 映画自体は個人的にはそこまで感銘を受けなっかったんだけど・・・確かに衣装はすごかった。 やはりあたしは日本人、アフリカ系の方々が求めているものがわからなかった、ということなのでしょう。 文化って難しい、しかもアイデンティティにかかわってくることなら余計に。 受賞者の<肝っ玉母さん>的なキャラクターがとてもよかった。

美術賞
『ブラックパンサー』

撮影賞
『ROMA/ローマ』(アルフォンソ・キュアロン)
 なんだかアルフォンソ・キュアロン監督、監督賞をとったときに言うようなスピーチになってた。 ルベツキさんへの感謝は忘れずだが、他に言うチャンスがあるかどうかわからないと思ったのだろうか。

音響編集賞
『ボヘミアン・ラプソディ』
 これは獲れる!、と思っていたけど・・・実際に受賞となるとヨロコビもひとしお。 スーツ・タキシード姿に着替えたブライアン・メイとロジャー・テイラーをみんなが詣でるのは忘れない。 スタッフチームのクイーンへの敬意、本物です。

録音賞
『ボヘミアン・ラプソディ』
 あ、この人、メイキング映像で<ライヴ・エイド>の観客の歌声を一人ひとり録音して、それを調整して大群衆の歓声を作っていた人だ! チームの連帯感がほんとに強いと感じる。 それもこれも、フレディとクイーンの音楽という譲れないものがあったからなんだろう。
 映画のライヴシーン、普通にライブをやったものをそのまま収録しただけでは観客は熱狂しない。 ライヴ会場で、「こういう風に聴こえたらいいな」という理想を体現してくれた。 だから繰り返し足を運んでしまうのかも。

外国語映画賞
『ROMA/ローマ』:メキシコ
 ま、大本命ですから。 でも今回のノミネーション作品5作はどれもすごい作品で、それぞれが違う年に公開されていたら、例年なら全部が獲れてもおかしくないくらいのハイレベルだとか。 日本公開を楽しみにしたいです。

編集賞
『ボヘミアン・ラプソディ』
 やっぱり編集賞も! 一回目を観たとき「説明不足」と感じたことも、二回目以降、細かくカットを割られたそのシーンに多くの意味と説明がいっぱい込められている!、と気づいたら次々いろんなことが腑に落ちた。 詰め込みすぎかもしれないけれど、中だるみしている暇もなく135分走り抜ける勢い、これはやはり編集の力なのでしょう。 映画的に大事な部門、3つも『ボヘミアン・ラプソディ』が獲りましたよ! もう今回は『ボヘミアン・ラプソディ』の年だといってもいいのでは!

助演男優賞
マハーシャラ・アリ (『グリーンブック』)
 こういう席で見るマハーシャラ・アリは、映画で観るときと雰囲気が全然違うんだよね・・・といつも思うんだけど、彼はムスリムらしい。 だからそういう服装なのね! 「パートナーであるヴィゴに感謝を」と言ったとき、客席のヴィゴ・モーテンセンが右手で胸を二回たたき、「わかってる、僕も一緒だ」的ジェスチャーで応えていて・・・ヴィゴ、ほんとにかっこいい!
 この二人がキャスティングできたことで、ほぼ『グリーンブック』の成功は見えていたのではないだろうか。

長編アニメ映画賞
『スパイダーマン:スパイダーバース』
 まったく新しい表現を使っている・・・と噂のこれ、日本語吹替版の予告を観たけど、ちゃんとした(?)声優さんを使っている印象・・・普通にこういうことができるのに(親子で観に来る映画だからかなぁ、大人だけでも来そうだけど)、なんで吹替演技に不安の残る人をキャスティングするという悪習はなくならないんだろうか・・・。

 作品賞ノミネート作品を紹介するコーナー、『ウェインズ・ワールド』の二人が『ボヘミアン・ラプソディ』の紹介をした! これはほんとに遊び心というか、愛情を感じたわ〜。 まぁ、他の映画もその映画に思い入れのある人が紹介している感じがして、よかった。 ただ紹介映像フッテージが例年より短めな気が・・・授賞式全体の時間を短縮させたい気持ちがこういうところにも表れているのかも。 若干、余韻がないような感じがあったかなぁ。

短編アニメ映画賞
『Bao』

短編ドキュメンタリー賞
『ピリオド 羽ばたく女性たち』
 これもNetflix。 でも受賞者が「発表の場を与えてくれてありがとう」と言っていたので、最初からNetflixのために作ったわけではないようだ(『ROMA/ローマ』も普通に作ったが、ハリウッドがどこもお金を出さず、Netflixが引き受けたのだという。 単にハリウッドの見る目がないだけでは?)。

視覚効果賞
『ファースト・マン』
 おぉ、あの地味レトロ感がCG・VFXてんこ盛りよりも評価されたんだ! ノーCG・ミニチュア使う手仕事感がノスタルジーをかきたてるのか。 実際、フィルム撮影で60年代の雰囲気すごく出てたしな・・・これで『ファースト・マン』にもうちょっと注目が集まってくれるとうれしいな!

 “Shallow”をレディ・ガガとブラッドリー・クーパーが歌った。 『アリー/スター誕生』の世界観通りに、カメラはステージ側にいて、ピアノ越しに客席が映る感じになっているのは面白かった。 ただブラッドリー・クーパー、最近歌っていなかったのか、生ではちょっと声を出すのがきつい感じ、さすがレディ・ガガ本業は歌手です!、を見せつけられた・・・けど、ガガのでっかいイエローダイヤについ目が行ってしまうよ・・・それ、ティファニーのカタログにしか載ってないやつでは?!(まぁ、他のノミニーの方も、ジュエリーブランドのカタログに載っているような大目玉の作品をバンバンつけていらっしゃいましたけどね)
 町山さんが「エロいなー。 レディ・ガガが婚約解消したの、ブラッドリー・クーパーのせいでは」的なことを言い、カビラさんに「それを言うのは・・・」とたしなめられていた。 町山さん、ゲスなコメント目立ちましたが、去年はギレルモ・デル・トロ監督が気にかかっていたからおとなしめだったけど、今年は単にいつも通りに戻っただけだ!、と気づく。

短編実写映画賞
『スキン(原題)』

脚本賞
『グリーンブック』

脚色賞
『ブラック・クランズマン』
 えっ、スパイク・リーって初受賞なの?! 『マルコムX』で獲っていると思ってた・・・。
 封筒を開いて名前を見つけたサミュエル・L・ジャクソンが「やった!」とよろこび、スパイク・リーはそんな彼にコアラのように抱き着き、よろこびあう姿。 それを見て、涙を流すジョーダン・ピール。 そういうのを見ちゃうと、ついこっちももらい泣き。
 「“Do The Right Thing”だよ!」とはしゃぐスパイク・リーはとてもお茶目で、『ブラック・クランズマン』観たい気持ちが強まる。

作曲賞
『ブラックパンサー』

歌曲賞
“Shallow” (『アリー/スター誕生』)
 レディ・ガガはすごいと思うのですが、「どんなにくじけてもあきらめずに努力し続けることがすべてです」というような正しい姿、それができない・苦手な人間はその正しさ故に黙るしかなくなるよなぁ、と思ってしまう。

 毎年恒例のメモリアム、これもなんだか時間が短くなってるし紹介されている人も少ない・・・高畑勲だけではなく橋本忍も出てきたのは日本人としてびっくりですが、絶対漏れている人がいると思う・・・。

主演男優賞
ラミ・マレック (『ボヘミアン・ラプソディ』)
 授賞式が近づくにつれ「本命」と呼ばれるようになってきましたが、はっきりわかるまではやはりドキドキですよ。 でもラミくんが名前を呼ばれ、ステージに上がる途中でちょっと後戻りし、後方のブライアン・メイに手を振った仕草がチャーミングだった。 「僕は(フレディ役の)第一候補ではなかったかもしれないけど、結果的にはよかったということですよね」のコメントがキュートで、自分がエジプト系移民一世であると語るくだりは胸がきゅんとなります。 スピーチは考えていたかもしれないけど、紙を見ずにそのときの気持ちと語ってくれたほうが見ているほうは感動するし、記憶に残ります。

主演女優賞
オリヴィア・コールマン (『女王陛下のお気に入り』)
 名前が呼ばれた瞬間、「ええっ! うっそー!」という顔で頭を椅子の背に打ちつけそうになっていたところからもうキュートで(両脇にいた夫とエマ・ストーンに支えられ)。
 いささかぶっちゃけすぎのスピーチ、飾らないご本人の人柄が出すぎちゃって笑っちゃうけどあたしはちょっと泣いてしまったよ。
 イギリスのドラマ『ブロードチャーチ』のミラー刑事がここまで来るなんて、あたしの中では『ホミサイド』のメリッサ・レオが主演女優賞にノミネートされた以来の衝撃です! いや、彼女がすごい演技派であることはわかっていますよ、『思秋期』とかイギリスのインディペンデント系映画でも結果出してるし! でも、『ブロードチャーチ』をアメリカでリメイクするとなった時に彼女はキャストから外されたんですよ!(もうひとりの主演デヴィッド・テナントはそのまま出演)。 アメリカはオリヴィア・コールマンにひどいことした・・・と思っていただけに、この結果はとてもうれしいです。
 そんな彼女に「あなたがとると思ってた(あなたにとってほしかった)」と言われたグレン・クローズ、あわてて手を振って「そんなことないわよ」的な笑顔で応えていて、それもよかった。

監督賞
アルフォンソ・キュアロン (『ROMA/ローマ』)
 本日3回目の登壇。 「何回呼ばれても飽きないね」と言っていましたが、喋ることがなくなったのかメモを出し、「あ、これを言うのを忘れていた」とメキシコのことをいつも以上に言っていた。 トランプのメキシコの国境に壁を作る計画、現地では相当の危機感があるのだろうか・・・と感じずにはいられない。
 でもギレルモ・デル・トロ監督とがしっとハグしあう姿は見ていてハッピーな気持ちになる。
 あぁ、Netflix、入ろうかしら・・・。

作品賞
『グリーンブック』
 『ROMA/ローマ』じゃないんだ! 脚色賞の盛り上がりから『ブラック・クランズマン』でもないんだ!
 でも、最近崩れがちだった「脚本賞か脚色賞をとった作品が作品賞」のルール(?)に戻ったともいえるかな。 まぁ無難なところに落ち着いた、ともいえるか。 外国語映画賞と作品賞のダブル受賞はこれまでの歴史にないことだし、配信系映画にもまだ作品賞をやる時期ではないというハリウッドの意志がはたらいた、ということなのかしら。

 結果的に無難、ノミネートされた映画にまんべんなく賞がいったような印象。 最多受賞が『ボヘミアン・ラプソディ』の4部門、というのが票がばらけた事実を物語りつつ、とはいえいちばん愛された映画は『ボヘミアン・ラプソディ』だったのでは?!、という気持ちにもさせられる。 今年の勝者は、『ボヘミアン・ラプソディ』だ!、とみんなで言っちゃおう!
 あぁ、受賞記念にまた観に行ってしまおうかしら・・・。

ラベル:アカデミー賞
posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | 映画関連情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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