2019年01月16日

あなたを愛してから/デニス・ルへイン

 デニス・ルヘインの話で女性が主人公って珍しいのでは、と読んでみることにした。
 だってこれまでは『ミスティック・リバー』とか『シャッターアイランド』みたいに、女性が重要な役割を担うけれどあくまで主役は男性だった。 初期の<私立探偵フランキー&アンジー>シリーズも相棒が女性でも語り手は男性。 男性だけを書いてきたわけではないから、突然の路線変更というわけではないけど・・・まぁ、珍しいよね、ということで。

  あなたを愛してから デニス・ルヘイン.jpg 黒と水色っぽい青って取り合わせ、すごくいい。

 いわゆる<毒親>に育てられたレイチェルは父親の存在を知らず、母親にも父親のことはずっと隠されてきた。 母の死後、残されたヒントからどうにか父親を探し出すが、母親の干渉があったと知らされただけだった。 母に認められずに終わったレイチェルは、いっぱしの職業であるジャーナリストになって仕事仲間と結婚するが、彼女はまったく満たされない。 いつしかレイチェルは精神を病み・・・という話。

 物語は三部構成。 一部でレイチェルの生い立ちと、二部で病んだところからの復活の兆し、という流れは“よくある感じ”ではある。
 しかしレイチェルの痛々しさはすさまじく、病んでる感じもまたリアル。 だから彼女の言動にとてもハラハラ。
 だが、第三部は・・・「えっ、そっちに行くの!」という完全に右斜め上の展開に口があんぐりしそうになる。
 この生きづらい世界で苦しんでいるのはレイチェルだけではない・・・ということを示すため? 生きるためにはどんな手も使いますという人物のしたたかさ・強さを見習うべき?
 とはいえ、あたしはブライアンが嫌いではない。
 「えっ、そこで終わりなの?!」という唐突感がありますが・・・そこで終わるしかないこともわかっている。
 一部・二部のレイチェルの苦悩に寄り添ってしまったために、三部のなりゆきに感情がちょっとついていききれてないようだ。

ラベル:海外ミステリ
posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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