2018年12月17日

証言拒否 リンカーン弁護士/マイクル・コナリー

 というわけで、やっと『証言拒否』まで読了。
 ミッキー・ハラーシリーズとして4作目、今回ハリー・ボッシュはゲスト出演のみ。
 不況のあおりで刑事事件の弁護件数が少なくなったミッキーは、ローンが払えずに家を差し押さえられた人たちの代行業務に活路を見い出し、がんがん依頼人を増やしていく。 そんな中、差し押さえられた側のリサ・トランメル(不動産ローンの件でミッキーの依頼人)が、銀行の重役殺害の容疑者として逮捕されたと連絡が。 リサが刑事事件の被告となったため、引き続きミッキーが弁護人を務めることに。
 「わたしはやっていない!」と無実を訴えるリサ。 しかし重要な証拠となるものが次々検察側に持ち込まれ、そのたびにミッキーは戦略の変更を迫られる・・・という話。
 しっかり上下巻の甲斐あるページ数で、読み応えあり。

  証言拒否1.jpg証言拒否2.jpg 原題は<五番目の証人>と<証言拒否をさせられるための証人>のダブルミーニング。
 今回、またしてもひどい目に遭うミッキー・ハラー。 まぁ、ハリー・ボッシュほどではないか。
 でも今更ながら、「結婚に失敗し、娘はいるけど自分の手元に家族というものがない」という事実にこんなにもミッキーがこだわっているというか落ち込んでいるというか、不全感にとらわれていることに驚いた。 男としての、とか? 自分の父親と比べて、とか?
 と、そんなミッキー個人の問題もあるけれども・・・事件自体が法廷劇としてかなり面白い。
 真犯人がわかる場面では、久し振りに心底「ぞーっ」とした。
 <心の闇>と最近はいろいろと簡単に表現されすぎてすっかり軽いものになってしまった感があるが、そういうものをはっきり見せられると、やはり背筋が凍る。
 人間の本質の負の部分を容赦なく炙り出す、大物になって著作数が増えてもそういうことをがっちり描く。 さすがですね、マイクル・コナリー!、と今更ながらに気づくのでした。

ラベル:海外ミステリ
posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。