2018年12月01日

体操しようよ

 きたろうさんが見たかった。
 シティボーイズライブを観に行かなくなって(というか不意を突いたときに東京でしかやってくれないので物理的に行けない・・・)何年もたつので、彼らを見られないストレス? でもドラマなんかでのピンポイント的脇役だと物足りない。
 するとこの映画、脇ではあるが出番も多くなかなか重要な役割であるよう。 そういうきたろうさん、観たい!
 きたろうさんが観たい!、というだけで予備知識がほぼない状態であったが・・・これ、きたろうさんなしでは成立しない映画だったのでは?、といううれしい誤算。

  体操しようよP-2.jpg 定年お父さんへ、娘からまさかの“親離れ”宣言!?

 文具用品の会社に無遅刻無欠席で定年退職を迎えた佐野道太郎(草刈正雄)は、まさに仕事にこれまでの人生を捧げてきたような典型的な会社人間。 妻を18年前に亡くしてから、家事一切は娘の弓子(木村文乃)が取り仕切っていたが、「お父さんの定年を機に、私は佐野家の主婦を引退します。 あとのことはお父さんがやってください」と退職翌日から告げられる。 仕事を失い、家事の仕方もよくわからず、そもそも娘ともろくに会話をしてこなかった道太郎は一気にどうしていいか途方に暮れ、酒浸り・引きこもりの生活に。 すでに退職後の人生を楽しんでいる会社時代の先輩(平泉成)から、「ラジオ体操してみないか」と誘われ、はじめは先輩への義理で参加したが、そこには様々な年代・立場の人たちがいて、ラジオ体操会会長の神田(きたろう)やマドンナ的存在ののぞみ(和久井映見)と知り合う。 のぞみに憧れ、いい格好を見せようと神田がやっている便利屋の仕事も手伝うようになり、これまで全然知らなかった町の人たちとかかわりを持っていくようになっていって・・・という話。

  体操しようよ2.jpg 男の人は外に出なくなるとヒゲそらないんですね。
 道太郎さんは60歳という設定です・・・え、草刈正雄はもっと年上では!、と思うのですが・・・年齢より若く見えるから、普通の60歳ならこんな感じ、ということなのであろうか。 ダンディさも封印し、仕事もバリバリできてない・空気も読めない冴えないおじさんをかたくなに演じております。 価値観が昭和の人ってめんどくさいな!、とパン屋で働く娘さんの気持ちもわかるんだけど、「父が働いている間は」と黙って父親の世話をし続けてしまったことも原因なのでは・・・。
 <会社>でしか社会の接点を持っていなかった人は、それを失った途端にアイデンティティクライシスに陥る(だから過去の肩書にしがみつきがち)、とはだいぶ前から言われていることだけど、結局仕事人間として生きてしまっている人は途中で顧みることもできないのですかね。 仕事して家にお金を入れることが至上命題(逆に言えば、それ以外はしなくていい)な生活って楽だもんな・・・。
 平成も終わろうというのに<定年クライシス>が問題になるって、世の中ってなかなか変わらないものなのかな〜。
 で、今回そのきっかけはラジオ体操なわけですが、まずは「たったひとりでラジオ体操をやり始めた」という会長のどこか浮世離れした存在感が、よく考えたら無茶な設定も全部飲み込む要素に。

  体操しようよ5.jpg さすがきたろうさん、ジャージ・スポーツウェアではない、Tシャツ・短パンが似合う60オーバー、そんなにいない。
 神田会長、大変都合のいいキャラクターです。 生活感一切ないし、全然立場の違うメンバーたちも会長のもとであればまとまる(とはいえ、ラジオ体操会のメンバーが微妙に偏っているのも事実だ。 小学生女子が一人だけいるし、彼女の家族関係は一切不明)。 話が動くのは会長がケガして会長の代理をのぞみさんに渡してからだし、道太郎さんが便利屋の仕事をなんだかんだ文句言いながらもやるのは、会長が仕切って年下だが仕事では先輩の薫くん(渡辺大知)とコンビを組ませたからだ。

  体操しようよ1.jpg ほぼコントな場面でも、神田さんのキャラで成立しちゃう。
 かといってきたろうさんがやりすぎなわけではない。 いつものシティボーイズライヴとは全然違ってアドリヴ飛ばしてない感じがする(ゼロではないとは言わないが、かなり抑えていると思う)。 すごいぞ、きたろうさん! カメラに映っているかどうかわからない場面でもちゃんと演技してるし!、とあたしは終始ニヤニヤでしたよ・・・。
 しかしあたしのような見方をしているのは少数だと思うので・・・あえて盛り上げず淡々と日常を描くところをよしとするかどうか、観る人によってわかれそう。

  体操しようよ3.jpg 片桐はいりがいる光景、それだけでちょっとほっこり。
 日本映画にありがちな、感動の押し付け・お涙頂戴の気配が少ないのがよかった。 いろいろと説明が少ないのもあえてなんだろうな、と思えたし。 余白を楽しむ映画ですかね。
 おとうさんが左ききで、娘が右きき。 そんな二人が食卓で一緒にカレーを食べるシーンは鏡に映したようで、その構図がとても印象的だった。

posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。