2018年10月26日

ザ・アウトロー/DEN OF THIEVES

 ジェラルド・バトラー新作なのに、なんでこんなひっそり公開? しかも単館系というよりはハードアクション的男祭な感じ? あたしの得意ではない系統だろうか・・・との危惧を覚えながらも、おじさん好きとしてはやはり押さえておくべきだろうと(実際、見覚えのある人がいっぱいいた)。 ジェラルド・バトラー、どんどん濃くなっていってるけどやっぱり好きだし。
 でもこの日本版タイトル、どうにかならなかったのか・・・似たようなタイトルに紛れてしまうではないか。

  ザ・アウトローP.jpg 本能 LAのワイルド刑事達。 頭脳 クレバーでキレ者の強盗団。

 銀行強盗の街、ロサンジェルス。
 今夜も現金輸送車が襲われ、銃撃戦の末、警備員・警官数名が死亡。 強盗団の一人も殺されたが、輸送車は盗まれた。
 早速、現場にロサンゼルス郡保安局の重犯罪特捜班のメンバーがやってきた。 特捜班のリーダー、ニック・オブライエン(ジェラルド・バトラー)は犯罪者を捕らえるためには手段を選ばない男で、チームメンバーはみなニックを信頼し、いささか軌道外の捜査にも迷わずついていく。 警官が殺されたことでFBIがやってくるが、ニックたちはFBIと協力する気はさらさらない。
 襲撃を目撃していたドーナツ店の店員にはなにもされていないことから、犯人たちは「素人に手を出さない」流儀があると気づいたニックらは手口を前科者リストから洗い出し、強盗の罪で刑務所から出てきたばかりのレイ・メリーメン(パブロ・シュレイバー)に目をつける。
 そして離れたところから現場にいる警察関係者を見ていたメリーメンは、ニックが自分たちのいちばんの強敵であると気づく・・・という話。
 えっ、これ、原作小説のある犯罪クロニクルなんじゃないの?、というハードな重厚さが序盤から走る。

  ザ・アウトロー1.jpg ジェラルド・バトラー、もはや「男くさい」としか表現できなくなっている。
 ニックのFBIへの態度を見たら「こいつ、悪徳警官か??」って感じちゃうぐらいなんだけど・・・犯罪者を憎むあまり、犯罪者に対して話してばかりいるので、一般人への態度がうまくできないというか、器用に切り替えられない不器用な男。 妻に謝りたいのにうまくできない、その苛立ちがより彼を粗暴な態度に向かわせる。 凶悪犯罪に向かい合ううちに彼の心はボロボロになっているのだが、誰も(彼自身も)そのことには気づかない、もしくは気づかない振りをしている。 なんてかわいそうなんだろう、でも半分くらいは自分のせいなのであまり同情できない感じ・・・仕事仲間としてはいいが、家族にいたら厄介なタイプである。
 そんな苦悩を、ジェラルド・バトラーは説明台詞ではなく顔に刻まれたしわや全身のタトゥーで表現。 オラオラ風を吹かせるたびにどこか痛々しく、でも本気になって銃を構えたら誰よりも強い。 あぁ、こういう役もすっかり板についてしまった・・・。

  ザ・アウトロー3.jpg 対して強盗団リーダーのメリーメンは冷静沈着で残忍だが、自分たちは目立ってはいけないので一般社会に身をひそめる・仮の役割を十分演じる自制心と力がある。
 だからこそ彼にもエンソン・ルヴォー(カーティス・“50セント”・ジャクソン)やボスコ・オストロマン(エヴァン・ジョーンズ)といった命を懸ける仲間たちがいる。 やっていることは真逆であるが、それぞれのチームの関係性は似ている。 実はメリーメンはニックと同じ高校出身で同じスポーツもやっていたという・・・いったい何をきっかけに人生はこうも変わるのか。 きっかけは一つではなくていろいろな積み重ねかもしれないけれど・・・なんだか無常。 だって、メリーメンたちも強盗という仕事じゃなくても生きていけそうなんだもの。 それでもあえて選んだ仕事ってことなんだろうし。
 刑務所から出るときに、「またな、レイ」と刑務官に声をかけられて・・・「もう来ないよ」と答える。
 それは、二度と捕まらないということなのか、捕まりそうならば死んだほうがましということなのか、切なくなってしまった。
 舞台はLAですが、出てくる地名は華々しくないところ。 土地勘がないからわからないんだけどな、と思いつつ、倉庫街やら人があまり住んでいない地域など、ロスの影の部分がふんだんに。 あぁ、ハリー・ボッシュならよくわかるんだろう。 ミッキー・ハラーなら近寄りたくないというだろう、ロスも広い。
 バーテンダーだがドライバーとして天才的な腕を持っているドニー・ウィルソン(オシェア・ジャクソン・Jr.)が運転手としてメリーメンにスカウトされるが、張り込みで二人が会っていることを知ったニックらはドニーにカマをかけてみる。 どちらにもうまく情報を流し、ドニーはどっちに転んでも生き残る腹らしい。 あぁ、こういう世界も大変ですねぇ。

  ザ・アウトロー2.jpg こういう強盗、いやだよね・・・。
 生き様ハード系アクションかと思っていましたが・・・実は頭脳派銀行強盗の策略も楽しめ、リアルな銃撃戦も堪能でき、全員満身創痍の追跡劇。 それだけじゃなく序盤から散りばめられていた伏線を最後に回収するという『ユージュアル・サスペクツ』的な楽しみまで!
 これ、きっちり謎解きミステリだよ!
 ・・・まぁ、ちょっと欲張っちゃった感がなきにしもあらずだし、『ユージュアル・サスペクツ』ほど見事な手際ではないんだけれど、なんかそんな心意気がうれしくて。 つまり結構面白くて盛り上がっちゃいました!
 だからダサい邦題が残念・・・でもジェラルド・バトラーのファン、日本に多いから公開されたのかもしれず・・・あぁ、なんかもったいない。 これはもっと多くの人に楽しんでもらえる作品なのに!

posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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