2018年10月20日

チューリップ・フィーバー 肖像画に秘めた愛/TULIP FEVER

 <フェルメールの絵画をモチーフに>と聞いていたので「『真珠の耳飾りの少女』的な?」と思ったのですが、タイトル『チューリップ・フィーバー』とはオランダで起こったチューリップの球根への投資騒ぎだとわかり・・・むしろその球根騒ぎが目当てで観に行くことに。
 室内はネーデルランド絵画のような雰囲気で、すごくよかった!
 でも、思ったよりチューリップ話中心ではなかったような・・・。

  チューリップ・フィーバーP.jpg 花に狂い、愛に狂う

 1634年のオランダ。 修道院で暮らしていたソフィア(アリシア・ヴィキャンデル)は修道院長(ジュディ・デンチ)に言い聞かせられ、有力なスパイス商人のコルネリス(クリストフ・ヴァルツ)の後妻となる。 要は金で買われた結婚であるが、修道院しか世界を知らなかったソフィアにとっては言われるがままの日々に不満を覚えることもわからなかった。 若く美しい妻を自慢したいコルネリスは、自分たちの肖像画を描かせるために新進画家のヤン(デイン・デハーン)を雇うことに。 ヤンはソフィアに一目惚れし、その情熱はソフィアにも伝わり、いつしか二人は愛し合うようになってしまう・・・という話。

  チューリップ・フィーバー2.jpg この時代、この青を出すのにどれほどの手間がかかっただろう。
 絵画的な美しさが多々ありますが、決してフェルメールには関係ない。
 物語はソフィアの侍女マリアの語りで進行するので・・・過去からの俯瞰なのだけれど、思わせぶりな言い方に沈黙も多いので「あ、ナレーションあったなぁ」と語られて思い出すところが。 ただなんというか・・・ソフィアの性格が・何を考えているのかよくわからないので、金で買われたつらさはあるだろうけどソフィア個人に魅力を感じられなかったのが残念。
 え、結局この二人の話なの?、チューリップどうしたの?、とかつい途中で思ってしまった。

  チューリップ・フィーバー3.jpg クリストフ・ヴァルツがなんだかお笑い担当っぽくて・・・。
 いやいや、終盤はすごくいい味出してくれるんだけど、それまでの“やりすぎ感”がなんとも・・・まぁ、そこも含めてのクリストフ・ヴァルツそ存在感ではあるのですが。
 あ、二人の肖像画の最初のポーズ(と、背景となる部屋の小道具などが)が『アルノルフィーニ夫妻の肖像』に似ていて、フェルメールというよりヤン・ファン・エイクなのではと思ったけど、その絵よりもチューリップを持つソフィアの肖像のほうが出番が多かったので、ちょっとした遊びゴコロですかね。
 お笑い担当としては画家ヤンの幼馴染み(?)としてザック・ガリフィナーキスも出ているんだけど、コスチューム感がすごくてすぐに彼だとはわからなかった・・・。

  チューリップ・フィーバー1.jpg ジュディ・デンチも、役どころおいしすぎ!
 修道院の敷地内でチューリップを育て、球根を業者に卸しているけれども暴利をむさぼらず適正価格で取引。 けれどその後の値段変動を把握しているあたり、ちゃっかり者感がよく出ています。 でも基本的には神に仕える者なので、投機で身を滅ぼしかねない人たちのことを気にかけているし、ソフィアのことも気にしているのだけれど、優先順位は修道院を守ることなのかなぁ。 この場所がなくなれば、幼き者たちを助けることができなくなってしまうから。 ある程度の年齢になったら、あとは自分の人生には責任を持て、ということか。
 オランダが舞台だけど台詞は英語なので、どうもイギリスっぽい。 というかシェイクスピアっぽいんだよな〜。 でも喜劇でも悲劇でもない、微妙に中途半端な感じで。 ソフィアと画家の話と、チューリップの話が関係ないわけじゃないんだけど、もうちょっとうまく絡んでくれたらバランスがよかったのに。
 と思ったら脚本家の中にトム・ストッパードの名前があったよ! シェイクスピアっぽさ、納得!
 エンドロールでびっくり。 え、マシュー・モリソン、どこにいたの? ケヴィン・マクギットは顔が怖そうでいて実はいい人というおいしい役ですぐわかったけど(『ROMA』で時代物を観ているせいか)。 コスチュームプレイは時に、役者の顔がわからなくなってしまうものなのかしら。

posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。