2018年10月22日

カササギ殺人事件/アンソニー・ホロヴィッツ

 東京創元社がたいへん力を入れているこれ、ランキング発表前に早めに読もうか、と。
 そしたらあっという間に読み終わってしまった。
 大変面白かったです。 というか、胸がきゅんとしてしまいました。
 ここにはミステリ愛が満ち溢れている。 ミステリというジャンルを愛する人たちの気持ちが。
 なので、余計な予備知識は入れず、アガサ・クリスティや『名探偵ポワロ』が好きな人はただ黙って読みましょう。 読み終わった人となら、いくらでも喋ります!

  カササギ殺人事件1.jpgカササギ殺人事件2.jpg 今回は上下巻なのにも意味がある!

 上巻の最後で「はっ?! どういうこと?!」となること必至なので、買うにせよ借りるにせよ是非上下巻一緒に(あたしは早速上下巻まとめてポワロ好きな人に「まず読んで」と押し付けました)。
 エラリー・クイーン的な「論理のアクロバット」を愛し、過去作品が最も読めるのは世界で日本がいちばん、と言われたりもしているんですけど(ちなみに<アルセーヌ・ルパンシリーズ>が全巻読めるのも今では日本だけらしい、本国フランスではモーリス・ルブランは忘れられた作家になっているとか)、イギリスはやはりシャーロック・ホームズとアガサ・クリスティの国、ガジェットに惑わされない“論理による純粋推理”を実践!
 1950年代の雰囲気、やりすぎないポワロのパロディ感、登場人物が沢山出てくる田園屋敷モノ。
 そして現代においてそんなミステリ作品を読む・出版する意味。
 なんと言ったらいいのだろう、この作品のすべてが、読者のミステリ愛に対して訴えてくるものがある。
 ミステリを愛する気持ちに対する絶大なる共感にも似た、ときめき。 このジャンルを愛することに対する誇りのようなもの。
 だからあたしはきゅんとしてしまったのだ。
 以前に比べて、ジャンルとしてのミステリやSFの地位はずっと上がった。 でもそうではない時期は確かにあった。 はっきり自覚してはいなかったかもしれないけれど、「いわれなき差別」のようなものにさらされていた。
 でも『カササギ殺人事件』はそういう過去を吹っ飛ばしてくれる。 後ろめたさを自覚しながら、素晴らしく爽快なほどに。

posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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