あ、こりゃすぐ読み終わってしまう。 2冊持って行っても通勤の一往復ももつかどうか・・・と思い、自宅の隙間時間で読むことに。
小学校を卒業し、中学校に入学。 1年A組になった24人の一年間を、それぞれの視点の24章でつなぐ物語。
あぁ、中学校一年生ってこんなもんだっけ、といろいろ思い出した。
勿論、時代が違うのは承知の上ですが・・・まったく新しい環境で、違う小学校の人もいて、友達ができるかどうかみたいな心配、確かにあったなぁ。 でも小学校と違ってクラスで過ごす時間の比重は少なかったような気がするし(各教科の先生が違うのも大きいし、学級会のような時間も少なかったし)、部活に入ればそっちのほうがいろいろあるから、<クラス・学級>としての時間に注目して長編にするのは難しい。 だから24人視点をとったのかなぁ。
まったくもってドラマティックな出来事は起きない(それが普通)。 同級生に恋愛感情持つの早すぎではないかと思うが(自分のことを思うと、ほんとに同世代の男子は子供で、普通に話せるようになったのって高校生になってからだったから)、まぁそこは恋に恋するお年頃だからってことで。 それにしても女の子がこんなに子供っぽいとは・・・ちょっと意外。 でもそれが中学一年生という設定故なのかも。 三年生だったらきっとこうはいかないし、受験の話が中心になってしまう。
というわけで「そうか、今どきの子供はこんな感じか・・・」とジェネレーションギャップを感じ、ノスタルジーに浸ることはできなかった。
むしろ、“教室の戸にしがみついて号泣している藤田先生”のほうに共感してしまった。
というか、あたしにとって中学生の頃はあまり思い出したくない時代。 いやなことがいっぱいあった。 それは自分だけでなく誰もが肥大する自我を持て余し、自分が何者かわからず、トゲだらけの言葉しか使えないのに誰よりもそのトゲに傷つくという厄介な時期だったから。
そんな時代をノスタルジーで振り返ることなどできるわけがない。 たくさん転がっているトゲをいかによけて生きるか、1年A組の24人は次の一年をクラス替えを経てどう生きるのか。 がんばれ、としか言えないですよ。 無理しない範囲で、できるだけがんばってね、と。
ラベル:国内文学