2018年05月18日

オー・ルーシー!/OH LUCY!

 最初にポスターを見たときの違和感というか、「どうしたんだ、これは・・・」みたいな感じが忘れられない。 だから観るつもりはなかったのだが・・・外国で日本がどのように見られているのかに興味を覚えて。 予告の役所広司のキュートさも(出番少なそうだけど)気になったし。 でもなんだか、観てもよかったのだろうか・・・という気持ちになってしまった。

  オールーシー!P.jpg わたしは恋するルーシー

 43歳・おひとりさま、地味な仕事に地味な暮らしを地で行く川島節子(寺島しのぶ)は単調な毎日を繰り返しつつそこに楽しみも見いだせない一人。 だがある日、姪の美花(忽那汐里)に「自分が通っている英会話学校を辞めたいんだけど、返金してもらえないからおばちゃん代わりに受けてくれない?」と頼まれて、とりあえずあやしげな英会話学校に行ってみることに。 そこでハグ魔の講師・ジョン(ジョシュ・ハートネット)と出会う。 「アメリカン・イングリッシュはフレンドリーから」ということで、節子は「ルーシー」という名前と金髪クルクルのウィッグをもらう。 そこにはトム(役所広司)もいて、アメリカンでフレンドリーな挨拶と会話をしてみるのだった。 いつしかジョンに恋をしていることを自覚する節子もしくはルーシー。 しかしジョン先生は学校を急にやめてしまったという。 なんとジョンは美花とともにアメリカに駆け落ちしてしまったのだった! 美花から届いたポストカードから現在地を知った節子はロサンゼルスに行くことにする。 そこに何故か節子とは犬猿の仲の姉の綾子・つまり美花の実母(南果歩)も一緒に行くことになり、アメリカ珍道中が始まる・・・という話。

  オールーシー!2.jpg 節子の地味っぷりが・・・。            時代設定は現代だとは思うんだけど(普通にみなさんスマフォ使ってるし)、節子の働く会社は「いつの時代?!」って感じが。 給湯室でOLたちが噂話とか、女性が分担で男性社員のお茶くみをするとか(女性は自分たちの分もいれるけど)、いまどきあるのか?!、と衝撃を受ける(規模の小さな会社ではありがちだが、この会社はそういうわけでもなさそう)。 でもタバコを吸う節子は「禁煙したほうが健康にいいよ」と上司に言われたりもするので・・・とりあえずこの会社では働きたくないわ、と思ったあたし。 また節子さん、ただ地味だというだけならばいいんだけれど、よくメディアで取り上げられるような「結婚できないんじゃなくてしないのよ、いい相手がいないのよ」的こじらせアラフォー全開。 何故か常に上から目線。 とりあえず出てくる人、みんなどこかおかしいというか・・・自己中心的な人たちばかりでげんなり。

  オールーシー!1.jpg そんなときに異世界に入ってしまったのです。    ジョンとのハグは、節子にとってやってきた非日常・白馬の王子様。 それがとても痛いのですが・・・寺島しのぶの熱演のおかげで見ていられるものに。 というか不憫さのリアリティがにじみ出て、なんだか切なくなってしまう。 自分も一歩間違えばああなっていたかもしれない・・・という恐怖のようなものというか(どうか自分がそうなってはいませんように、という祈りというか)。 ジョシュ・ハートネット、独立系の映画を好んで出る人ではありますが、よく引き受けたなぁ、としみじみ。 いいところひとつもない人の役なのに。 そんな中、トム(本名は小森さん)がすごくいい人に見えて、一服の清涼剤でした。

  オールーシー!3.jpg 不可解な三人のアメリカ珍道中がはじまっちゃった。 この姉妹も関係こじらせまくりで何十年? 素直になること自体が存在しないというか、二人のいい争いのきっかけがまったく見えないまま突然ケンカが始まるので・・・でも近い二人にとってはそんなものなのかも。 感情優先だから、理屈どうのこうのの問題ではないというか。 ごたごた姉妹に挟まれて(まぁ、きっかけをつくったのは自業自得であるが)、ジョンいたたまれない・・・言葉が半分くらいしか通じなくて逆によかったね、という感じ。

  オールーシー!4.jpg 姿を消していた美花と意外なところで再会して。   ださださ手抜き節子さんも、ジョンへの恋心を募らせていく過程でお肌がきれいになっていくのがすごい、恋のエネルギーですね! そういうところは乙女っぽくても、言動が全然乙女じゃないのが40代ってことですかね・・・。 そして傍から見れば「同じ男を姪と叔母で取り合っている」ということになり・・・大変下世話な。 でも事情はそれぞれあるわけだから、他人が口をはさむことではないわけですが。 一連の非日常の日々を経て、節子が変わったのかと言われたら・・・長年のこじれはそう簡単にほどけるわけもなく。 でもトムの存在がちょっとした救いになった(でも小森さん的にはどうなんだろうと思ったりもするが、トムは小森さんにとって生まれ変わったもう一人の自分。 そこから生まれた博愛主義か)。 やっぱり役所広司に観客も助けられてしまった。 えーっと、まるで、日本人はみな自分を檻に閉じ込めてしまっていてなかなかそこから出られない、前向きに出られた人だけが心の平穏を持てる、みたいだな〜、と思ってしまった。

posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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