2017年11月19日

御子柴くんの甘味と捜査/若竹七海

 2014年6月発売なのに・・・何故かチェックから漏れていた。
 その後、存在を知ったのだが・・・タイトルと表紙のイメージから「コージーかなぁ」と思ってしまい、手に取らなかった。
 なんでだろう。 そのときはコージーの気分ではなかったのかもしれない。
 それに、主人公が御子柴くんというのが余計にコージーっぽかった。 『プレゼント』に出ていた小林警部補はいい人そうだが作品群がハードボイルドの雰囲気をまとっていたのだが、御子柴刑事は小林警部補の使いっ走りのような若手なんだもん(何故覚えていたのかといえば、横溝正史を読んで育った人間として「御子柴」という名字は絶対忘れないからだ。 『怪盗XYZ』などのジュブナイル物に御子柴少年がメインキャストとして出てくるのです)。
 そしたらたまたま、来月の新刊情報に御子柴くん第二弾が出るとあって・・・あ、読んでみようか、と思った次第。

  御子柴くんの甘味と捜査.jpg ・・・コージーではなかった(不覚)。

 連作短編集。 『哀愁のくるみ餅事件』などと<甘味>が出てはくるけれどあくまで登場人物の性格を補完するエピソードとして、ユーモアミステリの範囲に入るけど描かれる事件の背後にあるものはどうしようもなく重い(そこをさらっと省略して書いているので読後は悪くない)。 300ページないからすぐ読み終わっちゃったじゃない!
 なによりも御子柴くん、成長してる!
 勿論、毎度事件を解決するためのカギを見つけるのは小林警部補なんだけど(そういう意味では小林警部補によるアームチェアディティクティブものであるともいえる)、そこからどうするかは御子柴くんの仕事。 県警の刑事という立場ではなく、県警と警視庁の調整役という役回りを背負ってしまったせいで否応なく覚えてしまった政治的な駆け引きを嫌悪しつつ、事件を解決して被疑者を逮捕し、最大限の成果を得るためにはどこで手を打つべきか、という現実との折り合いを知る。 そんな中で自己嫌悪に陥らないために必要なのは、仕事仲間との信頼関係だということ。 お仕事小説の趣もありで。
 なんだよー、いつもの若竹七海節じゃないか!
 ただ女探偵葉村晶シリーズと違って、軽めに仕上がっているというだけで。
 でもその軽さは悪いものじゃない。 続編も読むか!

ラベル:国内ミステリ
posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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