2017年08月24日

海底47m/47 METERS DOWN

 暑い! そんな夏と言えばサメ映画かホラー映画、雪と氷の映画である。
 そして今年は、サメ映画がやってきました。

  海底47m P.jpg ようこそ、死のスキューバダイビングへ。戦慄の深海パニックスリラー解禁!

 メキシコで休暇を楽しんでいる姉妹のリサ(マンディ・ムーア)とケイト(クレア・ホルト)。 実はリサにあまりいいことがなかったみたいで、ケイトは姉の気持ちを引き上げようといろいろ盛り上げる。 「どうせ私は・・・」タイプのリサとイケイケ気質のケイトは性格が真逆ではあるが、お互いを思いやる仲のいい姉妹で、気分がふさぎがちになる姉に対して、ケイトは知り合った現地の若者から教えてもらった<シャーク・ケージ・ダイビング>(金属の檻に入った状態で海に沈めてもらい、海中で間近にサメを観察するもの)を提案する。
 未知なるものに対して本能的に恐怖を抱くリサは拒絶するが、ケイトはノリノリで「絶対楽しいって!」と口説く。 妹にほだされて、リサは翌日のイベント参加に同意するが・・・という話。

  海底47m4.jpg リゾート気分に舞い上がる姉妹。
 なにしろポスターの文字がこの次の展開を全部説明してくれているのだが・・・。
 ぎりぎりまで嫌がるリサだけど、結局二人は<シャーク・ケージ・ダイビング>をする。 業者(?)は地元の漁師の副業的な感じで、檻はさびさび、船もそれほど大きなものじゃない。 料金ときたら一人100ドル。 おまけにリサはダイビング経験がないのに、船長に問われて「ある」と答えてしまう(ケイトは経験豊富そうである)。 言ってることと行動が伴わないところが、こういうジャンル映画でおなじみ“自業自得系”の香りがする。
 またキャスティングが微妙に地味というか、観たことある人はいるんだけどあんまりはっきり覚えていない、という感じがリアリティを連れてくるというか、ちょっとドキュメンタリータッチに見えることが面白い。 それだけ、奇想天外なことが起こるのではなくて、普通に起こり得るアクシデントの連続という感じだから。

  海底47m3.jpg 檻に入ってシャーク・ウォッチング。
 また早々に現れてくれるサメがでっかい。 6〜7m級とか(船長曰く、9m近いものを見たこともあるらしい)。 そこで気づいたが、メキシコはメートル法ですか? 原題もわりと直訳で、メートル使ってますしね。 サメはCGっぽかったですが、比較的違和感は少なかったのでよかったです。
 「こんな近くで魚やサメを見られるなんて感激! もっと水中にいたい!」とはしゃぐケイト。 その一方でうっとりとサメを眺めていたはずなのに「やっぱり怖い! 早く上にあげて!」と叫ぶリサ。 なので船長は予定よりも早く檻をクレーンで引き上げることになるのだけれど・・・ワイヤーが切れたのは老朽化のせいなのか、タイミングを誤ったせいなのかどっちなんですかね。 そんなわけで、二人が入ったままの檻はその地点における海の底、海底47m地点まで落下し、二人はパニック状態に。
 基本、ダイビングは水深40m以内で行われるべきとされる(通常は20m前後)。 40mよりも深い地点に行くと水圧が人体に深刻な影響を与えるし、一気に水面まで上昇すると潜水病になる(なのでゆっくり浮上するか、30〜20m付近で5分以上滞在して体を慣らさなければならない)。 そして水圧が上がれば上がるほど酸素ボンベの消費量は増える。 で、40mより深く潜ることは想定していないので、無線が届かない。 海の中に差し込んでくる太陽の光も弱まる。 なにもかもが絶体絶命のピンチなのである。

  海底47m1.jpg 特にリサ、パニック状態継続中。
 黙って救助を待つのも手だが、酸素ボンベの量は多くない。 無線が通じないから相手が自分たちを探してくれているのかどうかもわからない(追加のボンベをおろしてもらうにせよ、こちらの位置は知らせなければならない)。 そのためには檻から出て10mほど浮上して無線通信可能エリアに入らなければならないが、当然周辺にはサメがいるはずで・・・解決策もまた八方ふさがりなのである。
 そんな状況の中、二人はがんばる。 できるかぎりのことをする。 こんなところで死にたくないから。
 とはいえ、時折訪れるパニックに耐えられず、二人は大声でガンガン会話してより酸素を消費してしまうのだが。
 サメ映画かと思っていたけれど、これはたかだか海底47mで人は手も足も出ないという絶対的な自然の動かしがたさや人間の小ささといったものを描いたものだった。 あたしはダイビング体験がないのでリアルな恐怖感はなかったけれど、経験がある人は「酸素がどんどんあっという間に減っていく恐怖」におののくのではないでしょうか。 実際、一緒に観たえむさんは自分も息苦しくなって死にそうになった、と言っていたから。 あたしはあまりそういう恐怖はなかったな・・・海が身近な地域で育ったせいか、海の危険が骨の髄までしみついているのだ(海だけじゃないけど、自然全般)。 いろいろなめてかかってたら、運の悪さを呼び込んじゃよね、的な。
 サメに襲われないように海の底面に沿って移動していったはいいけど、ふと気づいたら自分がどこにいるのか・どこに戻ればいいのかわからない瞬間の怖さなど、一瞬の静寂のあと訪れる恐怖をうまく表現していたと思うし。
 サメ映画!、と期待するとサメの出番は意外と少ないじゃないか・・・とがっかりするかもしれないけれど、海の恐怖を描いた映画という意味ではなかなかの掘り出し物でした。

  海底47m2.jpg それでも出てくるサメ、巨大。
 窒素酔いに対しての説明が不十分かなと思いましたが・・・科学的に正しい説明でテンポを乱すより、「ダイビングにおいてボンベ2本目を使うのは危険」ということが分かれば十分なのかな、と思い直す(気になった人は詳細を自分で調べればいいのだし)。
 そんなに涼しくはならなかったけど、思っていたより楽しめました。
 後日、えむさんから「あの映画、大阪でやってないみたいなんだけど、よくあんなマイナーな映画見つけたね!」的なことを言われた(ちなみに観終わったすぐ後はほんとに息苦しくて自分も死にそうになって、観ることにしたのを後悔した」と言われてしまった・・・それだけリアルに楽しんでもらえてよかったです)。 全国順次公開のようです。 神戸国際松竹は一番目の公開(でも多分、2週間くらいで終わってしまうだろうけど)。 ここ数年、夏にサメかホラー映画をラインナップしてくれていて、あたしは大変うれしい。 今後もこの路線でお願いします。

ラベル:映画館 外国映画
posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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