2017年08月23日

闇を駆けた少女/パトリック・リー

 つい、海外モノにそんなに力を入れていない(新刊点数が少ない)出版社のチェックは油断しがち。
 あとあと、あまぞんの「これを買った人はこれも買っています」で存在を知り、あわてて探したり。
 これもそんな一冊でした。

  闇を駆けた少女.jpg <サム・ドライデンシリーズ@>と書かれちゃってますが・・・。 続巻である『予言ラジオ』にはその表記がない(おまけに次が出るまで結構時間がたっている)。 版元が期待したほど売れなかったのか?

 ある日、普段からなかなか寝付けないサム・ドライデンは突然、走りたいという衝動にかられ、家の近所をマラソンする。 最近、そんなことが多く、過去のつらい記憶が彼をかきたてているようだった。 しかしその日はいつもと違った。 霧の立ち込める午前3時の遊歩道で、一人の少女と出会う。 彼女はレイチェル、12歳。 しかもここ2か月以前の記憶を一切失っていた。 が、なによりも問題は、レイチェルを殺そうとする武装したプロの男たち6人が追ってきていることだった。 サムはレイチェルの手を取り、揃って逃げることにする、という話。
 実はサムは元特殊部隊出身で、その後も国の特殊任務をやっていた過去あり、というツワモノ。 そんな人にたまたま出会って助けてもらえるなんてラッキー!、というかあまりにご都合主義じゃないか、な展開ですが、その<ご都合主義>もまた物語の必然性に組み込まれている。
 内容はテクノスリラーというか・・・SFっぽくもあるのだけれど、世界の陰謀論者が飛びつきそうななかなかのリアルネタ(いかにもそういうことやってそう・・・的な)。 その分、荒唐無稽と紙一重ではあるんだけど、読み始めたら止まらないスピーディーな展開でそのあたりの疑問を深追いさせない。 で、悪役かと思っていた人物が途中で立場を変えたり・・・といったグレーな人物像が物語に厚みをもたらす。
 それでも、「結局、ご都合主義じゃね?」と言われても仕方がないところもありますが・・・根本に勧善懲悪があるというのは読んでいて気分が悪くはならないし、サム36歳とレイチェル12歳の間に生まれる絆(ちょっと疑似家族的な)ものに胸を熱くさせられます。
 500ページ弱ですが、結構あっという間に読んでしまいました。
 やべぇ、また新しいシリーズに手を出しちゃった。

ラベル:海外ミステリ
posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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