2017年02月19日

ドクター・ストレンジ 2D・字幕版/DOCTOR STRANGE

 はぁ、なんとなくベネディクト・カンバーバッチにはマーベルヒーロー映画には出てほしくなかった・・・。
 でも敵役がマッツ・ミケルセンだという!
 なに、このあたしの心を鷲掴みにするキャスティング!
 「アメコミ映画はもういいかな」(WOWOWで観る感じでいいかな)と思っていたのに・・・出かけてしまいました。

  ドクター・ストレンジP.jpg 上から目線の天才外科医。 彼を目覚めさせたのは、魔術――

 天才外科医として富と名声をほしいままに生きる男、ドクター・スティーヴ・ストレンジ(ベネディクト・カンバーバッチ)は確かに素晴らしい技術を持っているが、傲慢な性格が災いし、味方は元カノであったらしい同僚医師のクリスティーン(レイチェル・マクアダムス)だけ。 特に若いインターンやレジデントなどはひたすら彼を恐れている。 万能感に支配されているスティーヴンはそれ故に交通事故を起こし、命は助かったが両手が以前のように動かなくなってしまう。 指が動かせない外科医は“ただの医師”、天才外科医ではない自分が受け入れられず、試験的な危険な手術も繰り返し受けるものの、完全には戻らない。 そして度重なる手術・治療のために彼の財産も底をつく。
 しかしある日、脊髄を折って回復不可能と言われた患者が普通に街を歩き、バスケットをしているをの見た、という話を耳にし、スティーヴは彼を探す。 辿りついたのは自動車修理工だというパングボーン(ベンジャミン・プラット)という男。 彼によれば、これは外科的手術やリハビリの結果ではなく、ある導師を訪ねて修行した結果だという。 スティーヴンは彼からのヒントを頼りに、導師エンシェント・ワンに会うべくネパールに向かうが・・・という話。
 ベネディクト・カンバーバッチ、すっかり「天才だけど性格に難あり」な役、多いよね・・・確かに似合うんだけどさ。 更に徹底した合理主義者でもあるところとか『SHERLOCK』とかぶりがちなところですが、そこはうまいこと違う方向に弾けてみせる感じで演じ分けをしている。 ま、ジョンがいない、というのが大きいかもしれないですが。
 そして苦労して出会った導師エンシェント・ワン(ティルダ・スウィントン)との会話はちょっと禅問答のようで、合理主義者は方向転換を迫られる、その混乱ぶりがキュートです。
 劇中で『アベンジャーズ』と同じ世界であることが語られますが・・・あっちは物理的な力と力の対決。 こっちはそうではない、とわからせるオープニングシークエンスは圧巻。 エンシェント・ワンの弟子であったカエシリウス(マッツ・ミケルセン)が袂を分かち、違う手段を選んだことがわかるところ。 大人向け『ハリー・ポッター』的な感じでした。

  ドクター・ストレンジ4.jpg 街がねじれていく描写は、まさに『インセプション』
   ちなみに左端にいるのがマッツ・ミケルセンの後姿。
   こういうところは3Dに耐えうる迫力だと思いますが・・・あたしは酔いそうなので2Dでよかったです。

 多分、目指しているところは同じ。 でもその動機や途中経過が違うが故に敵同士になってしまう悲哀のようなもの。 ヒーローものには必ずといっていいほどある設定ですが、それがマッツ・ミケルセンだと思うともうただひたすらかなしい・・・(個人的な感情、入ってます。 <北欧の至宝>になにをさせるのか!、という場面もなきにしもあらずですが、ご本人はなんだか楽しそうなので許すしかない)。
 魔術師、といってしまうとどうも胡散臭いですが、精神主義的なところは東洋の人間には共感しやすいところですし(ちょっと仏教的というか、明らかにキリスト教的ではない感じとか)、個人的には『アベンジャーズ』より好きかも、と思ってしまったりして。 そう、これまた明らかにシリーズ化しそうなのである。
 自分の弱さを認めたとき、それが新たな出発点というものベタですが、ベネディクト・カンバーバッチがやればそこにはしっかり説得力が。 あぁ、くやしいがこれはキャスティングの勝利だなぁ。

  ドクター・ストレンジ3.jpg レイチェル・マクアダムス、やっぱりかわいい。

 突然姿を消した後、また突然とんでもない格好で現れてもちゃんと助けてくれるクリスティーンは素晴らしい人だ! 彼女をかつて袖にしたことを後悔するスティーヴの姿は観客にすんなりと受け入れられるようになっており、そのあたりもうまいのです。
 ちなみに魔術の修業中のみなさんが着ている服は、ネパールの草木染めという設定であると思われます。 能力の強さで色分けされており、闇の力に引き寄せられている人々は色目が暗くなっている(たとえばエンシェント・ワンははっきりした明るい黄色だけれど、カエシリウスは同じ黄色でもかなりくすんだトーンになっている、など)。 そしてスティーヴが着る青は誰も着ないってのがわかりやすく主役感。
 スティーヴの先輩であり修行仲間のモルド(キウェテル・イジョフォー)、あたしこの人知ってるんだけど・・・としばし悩みましたがエンドロールで名前を見て納得、『それでも夜は明ける』のあの人か?! 豪華キャストにもほどがあるぞ、としみじみ。

  ドクター・ストレンジ2.jpg <魔術>は魔法陣のような形で視覚される。
   ここがある意味暴力と破壊三昧の『アベンジャーズ』関係の映画とはまったく違うところ。 破壊ではなく修正、もしくは再生。

 力、とは一体何であるのか。 何のためにそれは使われるべきなのか。
 修行のある段階を越えたら「マスター・ストレンジ」と呼ばれるようになるスティーヴだけれど、「いや、僕はあくまで<ドクター・ストレンジ>だ!」と宣言することこそが、彼の選択なのでした。
 ちなみにラスト近くのバトルではヤクルトの看板が落ちてきましたが・・・ヤクルトのCMで『ドクター・ストレンジ』を使っているのはその影響?、微妙にスポンサー関係?
 で、不思議なのは本編始まる前に「終了後にも映像がございます。 最後までお楽しみください」とわざわざ注意書きが出たにもかかわらず(いや、マーベル映画ではそれがお約束で、世界観を同じくする別な映画につながるシーンがついてくるのは一本でも観たことある人ならばわかっているはず)、エンドロール始まったら帰っちゃう人たち。 なんてもったいないの?!
 注意書きが出た意味がわかりました。 今回はおまけ映像が二段階になっておりました。 それ故にシリーズ化と、『アベンジャーズ』映画に出るの決定、みたいな。 ベンジャミン・プラットをワンシーンだけなんてもったいなさすぎると思ってたのよ、ここでそれを使いますか! そりゃキウェテル・イジョフォーだってこの一作で終わりにするのはもったいないもんね!
 出演俳優の知名度(というか、見たことある度?)で今後が予測できてしまうとは・・・二時間ドラマ的になってきたような気がする。
 でも続編あったら観ちゃうんだろうな! なんかくやしいな・・・。

ラベル:外国映画 映画館
posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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