原作を買ったときに<映画化決定>とは聞いていたけれど、まさかこんなにも早く日本で公開になるとは思わず・・・原作先に読んじゃうとどうしても映画が粗探し的になっちゃうよね、と読まないで映画を待つことにして、でも本の背表紙に書いてあったあらすじ的なものはぼんやりと覚えているので、「確か一見無関係な女性3人が絡む話だったよな!」と強引にまとめて記憶から追い出す。
とりあえずあたしが観たいのは、エミリー・ブラントなんで!
人はひとを殺したことを忘れられるのか?
通勤電車の窓から見た、不倫現場。 やがてそれは、殺人事件に発展。
目撃者の記憶から消えた空白の時間。
毎日、マンハッタン行きの列車の窓からある家の、そこで暮らす夫婦二人の仲むつまじい様子を眺めることをなぐさめとしていたレイチェル(エミリー・ブラント)は夫トム(ジャスティン・セロー)と離婚し、その深い心の傷からまだ立ち直れないでいた。 その日々が続くにつれ、いつしか自分と彼女を同一視していく。 しかしその車窓から見える家の妻メガン(ヘイリー・ベネット)もまたとある事情を抱えており、その近所の家にはトムと再婚したアナ(レベッカ・ファーガソン)も住んでいる(もともとレイチェルとトムが住んでいた家だったのだが、離婚して彼女が追い出された形に)。
それ故に、レイチェルにとっては遠くから見るだけで近くに立ち寄ることができない地域なのだが、ある日車窓からメガンの浮気現場を目撃してしまった彼女は頭に血が上り、最寄駅で降りて家へと向かってしまう。 だが、その途中で意識を失い、気がついたらひどいけがを負い自分の部屋で目覚める。 そしてメガンが(そのときは名前は知らなかったが)行方不明になったことを知るのだった・・・という話。
まずレイチェルのアルコール依存症以外の何者でもない目がすごい。
しかもそれを台詞で説明させるのではなく、列車で隣り合わせた幼い子供連れの女性が気づいた態度で示しちゃうところがさりげなさ過ぎて(なおかつ雄弁で)かっこいい!
この映画は語りすぎませんよ、ということを冒頭の少しのエピソードで宣言している感じに期待が募る。
このいっちゃった目、周囲を気にする余裕のない言動・・・追い詰められた女っぷりを見事に体現。 なんか賞とれそうなレベル。
しかし主人公がアルコール依存症ということは、小説(特にミステリー)においては<信頼できない語り手>として認定されるのであるが(なにしろ自分の記憶もはっきりしないわけなので)、映画の場合はそういう分類ってあるんだろうか。
そんなわけでレイチェルは「もしかしたら自分がなにかやった・やっているのかも?」と心の中でひそかに悩みながら彼女の行方を追い、メガン(多分メーガン? 字幕のため文字制限あり?)の夫スコット(ルーク・エヴァンス)にメガンの友人の振りをして接触。 警察に疑われたりしながらも彼女を探し求める。
それでもやっぱり酒びたり。
あらすじを突き詰めれば二時間サスペンスになってしまうのであるが、それを映像表現で心理サスペンスの粋に高めているのは素晴らしい。 ミステリとしては若干弱いところもあるのだけれども、日本のミステリーを名乗る映画に比べればはるかにしのぐ出来ですし。
そしてもう一人鍵を握る人物がアナ。 どこかで見たことある人だなぁと思っていたら、『M:I/ローグ・ネイション』の謎の美女レベッカ・ファーガソンであった。 今回は幼い子供もいる主婦、という役柄故生活感が出ているので最初わからなかった! 若干老けた感を堂々と出してしまうのも、さすが北欧系女優!
メガン、意外にもうけ役でした。
今回脱ぎ役担当(?)となったヘイリー・ベネットはあたし初めてかな?、と思ったら、あの『ラブソングができるまで』のアイドル歌手だった人か! すごく大人になっててびっくり・・・けだるげと投げやりさが混ざり合った絶妙さが“謎の女”っぽくて素晴らしい。 エミリー・ブラントは突出しているけど他の二人も負けてない。
自ら選びとった結果なのか、なす術もなく陥ってしまったのか、それぞれ違う要因・事情ながらも追いつめられる立場となってしまった三人の女性の姿を、「自分も一歩間違えばああなるのかも」と共感が得られる感じに描いたのもよかった(なにしろアルコール依存症の主人公に同情させないと話が成立しなくなっちゃうからね)。 それ故に悲しみがつのる。
それは子供を持つ、ということに意識的・無意識的に縛られている女性へのかなしみでもある。 この観点ってやはり女性ならではなのかな。
エンドロール、監督がテイト・テイラーと出て驚く。
えっ、『ヘルプ〜心がつなぐストーリー』の人だよね?!
そのあと、ジェームズ・ブラウンの伝記映画も撮っているからブラックカルチャーを題材にした映画を主に撮る人なのかと思っていた(多分、あたしはリー・ダニエルズと同じ括りにしていたようである)。 と思ったらそもそも『ウィンターズ・ボーン』の監督なのであった。
なんだ、あたし、日本で公開されてる4作品全部観てるじゃん!
監督の名前を覚えるのも大事、と改めて思った次第。
とりあえずあたしが観たいのは、エミリー・ブラントなんで!

通勤電車の窓から見た、不倫現場。 やがてそれは、殺人事件に発展。
目撃者の記憶から消えた空白の時間。
毎日、マンハッタン行きの列車の窓からある家の、そこで暮らす夫婦二人の仲むつまじい様子を眺めることをなぐさめとしていたレイチェル(エミリー・ブラント)は夫トム(ジャスティン・セロー)と離婚し、その深い心の傷からまだ立ち直れないでいた。 その日々が続くにつれ、いつしか自分と彼女を同一視していく。 しかしその車窓から見える家の妻メガン(ヘイリー・ベネット)もまたとある事情を抱えており、その近所の家にはトムと再婚したアナ(レベッカ・ファーガソン)も住んでいる(もともとレイチェルとトムが住んでいた家だったのだが、離婚して彼女が追い出された形に)。
それ故に、レイチェルにとっては遠くから見るだけで近くに立ち寄ることができない地域なのだが、ある日車窓からメガンの浮気現場を目撃してしまった彼女は頭に血が上り、最寄駅で降りて家へと向かってしまう。 だが、その途中で意識を失い、気がついたらひどいけがを負い自分の部屋で目覚める。 そしてメガンが(そのときは名前は知らなかったが)行方不明になったことを知るのだった・・・という話。
まずレイチェルのアルコール依存症以外の何者でもない目がすごい。
しかもそれを台詞で説明させるのではなく、列車で隣り合わせた幼い子供連れの女性が気づいた態度で示しちゃうところがさりげなさ過ぎて(なおかつ雄弁で)かっこいい!
この映画は語りすぎませんよ、ということを冒頭の少しのエピソードで宣言している感じに期待が募る。

しかし主人公がアルコール依存症ということは、小説(特にミステリー)においては<信頼できない語り手>として認定されるのであるが(なにしろ自分の記憶もはっきりしないわけなので)、映画の場合はそういう分類ってあるんだろうか。
そんなわけでレイチェルは「もしかしたら自分がなにかやった・やっているのかも?」と心の中でひそかに悩みながら彼女の行方を追い、メガン(多分メーガン? 字幕のため文字制限あり?)の夫スコット(ルーク・エヴァンス)にメガンの友人の振りをして接触。 警察に疑われたりしながらも彼女を探し求める。

あらすじを突き詰めれば二時間サスペンスになってしまうのであるが、それを映像表現で心理サスペンスの粋に高めているのは素晴らしい。 ミステリとしては若干弱いところもあるのだけれども、日本のミステリーを名乗る映画に比べればはるかにしのぐ出来ですし。
そしてもう一人鍵を握る人物がアナ。 どこかで見たことある人だなぁと思っていたら、『M:I/ローグ・ネイション』の謎の美女レベッカ・ファーガソンであった。 今回は幼い子供もいる主婦、という役柄故生活感が出ているので最初わからなかった! 若干老けた感を堂々と出してしまうのも、さすが北欧系女優!

今回脱ぎ役担当(?)となったヘイリー・ベネットはあたし初めてかな?、と思ったら、あの『ラブソングができるまで』のアイドル歌手だった人か! すごく大人になっててびっくり・・・けだるげと投げやりさが混ざり合った絶妙さが“謎の女”っぽくて素晴らしい。 エミリー・ブラントは突出しているけど他の二人も負けてない。
自ら選びとった結果なのか、なす術もなく陥ってしまったのか、それぞれ違う要因・事情ながらも追いつめられる立場となってしまった三人の女性の姿を、「自分も一歩間違えばああなるのかも」と共感が得られる感じに描いたのもよかった(なにしろアルコール依存症の主人公に同情させないと話が成立しなくなっちゃうからね)。 それ故に悲しみがつのる。
それは子供を持つ、ということに意識的・無意識的に縛られている女性へのかなしみでもある。 この観点ってやはり女性ならではなのかな。
エンドロール、監督がテイト・テイラーと出て驚く。
えっ、『ヘルプ〜心がつなぐストーリー』の人だよね?!
そのあと、ジェームズ・ブラウンの伝記映画も撮っているからブラックカルチャーを題材にした映画を主に撮る人なのかと思っていた(多分、あたしはリー・ダニエルズと同じ括りにしていたようである)。 と思ったらそもそも『ウィンターズ・ボーン』の監督なのであった。
なんだ、あたし、日本で公開されてる4作品全部観てるじゃん!
監督の名前を覚えるのも大事、と改めて思った次第。