すみません、残り4冊ですね。
『叛逆航路』三部作の完結編。
邦題が原題とどんどんかけ離れていますが、<漢字四文字・宇宙と宇宙船的表紙>という共通項でシリーズらしさを醸し出しているのでしょう。 SFだとわかりやすいですしね。
『愚者たちの棺』に続くシリーズ。 前作は謎が素っ頓狂な割にはその説明がいまひとつの部分があったけど、全体に漂うレトロ感と、ちょっとおとぼけな刑事たちの連携プレーが楽しかった。 でも60年代の作品なのよね・・・、イギリスのミステリの層は厚いな〜としみじみする。
これもまたシリーズ物。 ドイツの<刑事オリバー&ピアシリーズ>、日本では3作目の『深い疵』から邦訳がスタートしましたが、好評だったようで3・4・1ときて2作目のこれが新しく邦訳。 これでシリーズ一作目から通して読むこともできるし、3から読んだ人たちも「この前にはこんなことがあったのか」的前日譚として読むことも可能。 海外ミステリにはそういう楽しみ方ができる、ということを、あたしはヘニング・マンケルから教わりました。
そんなヘニング・マンケルの遺作、一周忌に合わせて先んじて邦訳。
まずこの表紙の写真にやられました。
自分ががんだと宣告されてから10日立ち止まり、その後もやはり書き続けたいからできることは何でもやろうと決めた著者の、日々の記録。
冒頭のカラー写真に、彼の好きなフレスコ画などが並んでいる。
そこではっとした。 あたしは彼のなにを知っているのだろうか。
作品でしか彼を知らないのに(主に<ヴァランダー警部>シリーズの作者として)、死を目前にした彼の手記を読む資格があたしにはあるのだろうか。
しかし彼は常に誰かに読まれることを前提にして書いている。 資格を問うことなんて彼はするまい。 読むことでどう答えを出すのかは、あたし次第。
ラベル:新刊