2016年08月23日

ロスト・バケーション/THE SHALLOWS

 暑い。 この暑さを吹き飛ばせないかもしれないけれど、ホラー映画とサメ映画には最適の季節である(雪山映画もよろしいかと)。 でもアメリカのホラー映画シーズンってハロウィンだからな・・・こういうところに文化の壁が。
 しかし今回、サメ映画がある! ブレイク・ライヴリーのアイドル映画との噂もはじめはあったが、あの『ジョーズ』以来ガチのサメはりぼて使用、CG極力使わずとのこと。
 おバカサメ映画が一大ムーブメントをつくり上げているのに対抗し(?)、サメとの真剣勝負、拝見します!

  ロストバケーションP.jpg 楽しい休暇になるはずだった。
     岸はすぐそこ。 しかし――たどり着くことはできない。

 休暇で母の思い出の地である“秘密のビーチ”にやってきた医学生のナンシー(ブレイク・ライヴリー)。 ここは外国、彼女の曖昧なスペイン語で現地の人たちとの意思疎通もままならないが、若き日の母がサーフィンを楽しんだというビーチに間違いない。 この場所の名前を訊いても誰も教えてくれない(知らない?)のは気になるが、ナンシーも早速サーフィンを存分に楽しむ。 あと一本波に乗ったら岸に戻ろう、と思った時、ナンシーは突然海の中に引きずり込まれる。 サメに左足をかまれたのだ。 命からがら近くの岩場に辿り着いたものの、サメはまだ近くを泳いでおり、岸までおよそ200mある。 そして彼女の命綱であるその岩場は、満潮になると海中に沈んでしまう・・・さぁ、どうする、という話。

  ロストバケーション4.jpg 確かに美しいビーチではありますが・・・。

 こっちは「サメが出てくる」と事前に知っているからですが、ナンシーの準備不足というか認識の甘さというか無防備さに序盤から結構腹が立ってくる。 アメリカ人はどこでも英語が通じると思っているのか! 家族とケンカしたからって自分がどこにいるのか教えないとか(しかもここは外国なのに)、初めて来る場所なのにあらかじめなにも調べてこないなんてどういうわけだ!(サーフィン中にたまたま出会った人に「ここの海に危険なものある?」と聞いている。 海に入ってから聞いてても遅いでしょ。 そしてもし誰もいなかったらどうしたのだ)。 ウェットスーツも上しか着ないし(あたしはサーフィンをやりませんが、海に入ってけがをする確率が高いのは脚の方では? それともサーフィンでは生足のほうが推奨されているの?)、水着はビキニだし(だからアイドル映画と思われたのかも。 妙に胸の谷間やらを強調するアングルがありましたしね)、身近な海とは違うという危機管理体制ができてない!
 ただ、時計がムーンタイドつきのBaby−Gだったのにはニヤリでしたが。

  ロストバケーション2.jpg 岩場の次に近い逃げ場は壊れたライト付きのブイ。 そこに着くまでにもサメ以外の“海のもの”のために満身創痍のナンシー。

 それでもナンシーが医学生である、という設定をしっかり活かした感じ(止血のために足の付け根を縛るけど、そのままの状態では血が巡らず壊死してしまう限界の時間を理解している、あとは圧迫で出血を止める、など−彼女くらいの細い身体じゃないと有効ではない方法ですが)は「非常によくできました」で、傷の具合や自己治療の“痛み”がこっちにぐっと伝わります。 サメが群れではなく一頭というのも対決感が強くなり、あたかも意地のように彼女をつけ狙うサメはもはやストーカーのように感じられ、美女対ストーカーのサスペンスホラーの様相に。 それにほぼノーメイクで立ち向かうブレイク・ライヴリーは『ゴシップ・ガール』のセリーナではない。
 Baby−Gやスマホの画面が一部浮かぶように大写しになるのは“時間”の情け容赦なさ(一方的に必ず過ぎていく)を示していて、若干安っぽいけど効果的。

  ロストバケーション1.jpg なんだかんだいって映像が美しいのがいいのです。 特に海、水。 時に距離感がわからなくなるけど。

 もしかして・・・これは“無防備な弱きもの”に対する「世の中には一体どんなヤツがいるかわからないですよ」という普遍的な警告? 勿論、襲われるほうが悪いのではないけれど、最低限の警戒心を持つことである程度の危機は避けられますよ、という。
 そしてどんな苦境に陥ろうとも、最後まであきらめなければ(その過程はいろいろあるが)、なんとかなるんじゃないですか、というシビアなエールでもある。
 サメ映画に人生を教わる、という意味でも、『ジョーズ』に近いものはあるかも。

ラベル:映画館 外国映画
posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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