2016年06月21日

デッドプール/DEADPOOL

 「もうアメコミヒーロー物、飽きた・・・」と言っておりましたが(ていうかどれか見逃すとつながりがわからなくなるし・・・)、たまたま時間があったので観てしまいました。
 なんでも、ライアン・レイノルズ自ら待望の企画だったそうで、別に彼のこと好きでもなんでもないんですが(ひどい)、ジャンルに関係なく、「誰かの強い熱意が集まって出来上がった映画」の持つ熱量がバカにできないことは経験上わかっています。
 それにつきあってみるのもいいかなぁ、と思ってみました。
 うん、やっぱり爽快なほどにバカだった。

  デッドプールP.jpg 呼んだ?  クソ無責任ヒーローですけど、何か。

 ウェイド・ウィルソン(ライアン・レイノルズ)は、以前は優秀な特殊部隊員だったが、辞めて日常に復帰してからは弱虫として生きるしかない人々の復讐代行人として小銭を稼ぐ日々。 出会って一気に盛り上がった運命の恋人との生活も順調で結婚を決めた彼らだったが、突然、ウェイドに末期がん宣告。 彼女に衰えゆく姿を見られたくない、と姿を消した彼は、何故か謎の組織から「ミュータントになる実験に参加しないか。 そうすれば結果的にガンも根治する」という誘いを受け、乗る。 長く苦しい実験の結果、彼は不死身の肉体と更なる脅威の運動能力を持つことができたが、代償として全身がケロイド状に。 この姿で恋人のもとに帰ることはできないと、実験を指揮した男(エド・スクライン)への復讐を(そして自分の外見を元通りにさせることを)誓うのだった・・・という話。
 オープニングから映像的なすごさとベタなギャグ全開。
 <ミュータント>という単語が最初のほうに出てきたので『X−men』と関係あるんだろうなとは思ったけど・・・。 そもそも彼はただ単に特殊能力を持ってしまった、というだけで、ヒーローでは最初からないし、なる気もない。
 “特殊能力=ヒーロー”という図式そのものはどこから来たのか?、と考えさせられるいいきっかけであった。

  デッドプール3.jpg その背中の二本の刀、忍者っぽいのでやめてもらっていいですか・・・。 何故赤いコスチュームなのかといえば(自分でミシンで縫った手作りだ!)、白だと血が流れたらときに目立つからとコインランドリーで遭遇したおばちゃんの助言によるものである。

 でもその気合と覚悟はR15+承知なところに現れていて、グロくても残酷でも振り切ってやる爽快感はあります。 そして、『デッドプール』の存在意義は、これまで積み重ねてきたマーベルヒーロー映画の真面目くさった「世界平和のために」とかなんとか悩みすぎるヒーローたちに肘鉄をくらわせたこと。 セルフパロディの域を越え、「そもそもアメコミって、そんなんじゃなかっただろ?」という自己認識。
 勿論、それが活きるのは他のヒーローたちがいるからなんだけど、という自己矛盾すらもギャグにする。 メタフィクション意識があるならそれはそれでたいしたもんですし、天然ならそれはそれで。

  デッドプール2.jpg 結局のところ、ラヴストーリーという体裁をとった「どんなに変わって見えても自分を受け入れてほしい」というヘタレ男子の願望&妄想話だったりするのがね。 その自己承認欲求は、日本の少女マンガの映画化と似たものがある気がしないでもない(男子と女子で方向性が違うだけ)。
 結局のところ、悪役の存在はよくわからないし(一体何を目的にそんなことしてるの?)、説得されてもデッドプールはX−menに入らないし、シリーズ化したいのかどうかもよくわからないけれど、「とりあえず振り切ってみました!」と言いたいだけなんだろうな、きっと。
 でもそれを観客は爽快と感じてしまうんだな、これが。
 そう、結構楽しめてしまったのでした。

ラベル:映画館 外国映画
posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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