2016年05月22日

古典揃いの3冊。

 今回は何故か、<古典>というくくりで揃ってしまったなぁ、という不思議感が。

  スティーヴンソンポケットマスターピース.jpg ポケットマスターピース:スティーヴンソン
 このシリーズ、最近刊行され始めて結構気になっています。 それこそ古典の王道過ぎて、全集にしか入っていないような作品を著者ごとにセレクト。 結構な分厚さなのですが、それでもページ数の都合で『(抄)』とかになっているのが玉に瑕、ということで揃えてはおりませんが、ロバート・ルイス・スティーヴンソン出されちゃったら素通りはできません。 多分この人は、あたしに「語り」のすごさを教えてくれた人だから。
 以下続巻予定にエドガー・アラン・ポーもあって・・・収録作品によっては考えます。

  20億の針.jpg 20億の針/ハル・クレメント
 寄生ものSF(たとえば『ヒドゥン』『寄生獣』など)の原点、ということで噂だけは聞いたことのある作品、復刻!
 しかしこの表紙、ほんとに針のようなものを描くなんて・・・昔のジュブナイルテイストの挿画を狙っているのかな?、と思ったらイラストは加藤直之さんでした・・・なんかびっくり。

  現代思想の漂流者たち文庫版.jpg 現代思想の遭難者たち【文庫完全版】/いしいひさいち
 これは正確には古典ではないですが、内容がもう古典といって差し支えないかと。
 あたしはこれの最初の単行本を持っているのですが(そのときは『現代思想の漂流者たち』というタイトルだったような気がするのだが・・・表紙絵からの印象だろうか)、いつの間にか増補版が出ており、今回、その増補版の文庫化、ということで・・・確かに読んだことない章がある!
 もともとは<現代思想の冒険者たち>というシリーズ全集の月報に載っていた4コママンガ。 20代のあたしは図書館から一冊ずつ借り出してちびちび読んでいましたが、いつしか月報の4コママンガがいちばんの楽しみになり、そのギャグを理解したいがために本文を読んでいた、ような気がする(ギリシア〜近代ぐらいまでなら結構親しみもあるのですが、現代哲学はユング以降さっぱりだったもんで)。
 で、これだけ一冊にしてくれればいいのに、と思っていたので・・・遅ればせながら完全版を手に入れて、満足。 思想家のことは結構頭の中でごっちゃになっているので、これで復習できそうです。

 で、今更なのですが・・・今回の三島由紀夫賞の受賞会見が妙な形で話題になってしまっていますが・・・あたしも全部のニュース記事に目を通したわけではないのであれですが、「蓮實重彦とはそういう人」という言及はあっても、日本文学界における三島由紀夫賞の位置づけについてコメントしている記事がなかったので、ちょっと一言。
 一応、多少の変則はあれど芥川賞は純文学ジャンルの新人賞ということになっています。 けれどかなりメジャー寄りというか、話題性もついてくる。
 三島賞はその一歩手前というか、純文学の世界に出てきた今後も描けそうな力のある新人に贈られる賞で、三島賞をとってから芥川賞ノミネート、みたいななんとなくのルートになっている感じ(エンタメ界の吉川英治文学新人賞とってから直木賞、みたいな)。 だから、人によっては芥川賞よりも三島賞のほうがうれしい、なんて場合も。
 だから本来三島賞はニッチな純文学の世界でがんばる新人に与えられる賞。
 それを、学者としてのキャリアは十分・どうしても書きたいという衝動にかられて書いてしまう、という作家の業を背負っているわけではない自分がもらってしまうなんておかしい!、と言いたかったのではないかと思う。 辞退しなかったのは、辞退してしまったらそれを言う機会がなくなるから。 蓮實重彦氏がそれだけ日本文学界を憂いているということだとあたしは受け取ったのですが、世間はそうでもないようで・・・ガンコジジイの言葉をすんなり受け入れられない世の中ってつまんないな、と思った次第。
 すみません、ガンコジジイ好きなもんで。

ラベル:新刊
posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆ 買っちゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック